経産省「実質」解体論

福島原発の事故からの、一連のこの国の議論の流れは、ある意味「想定された」
つまらなさ
に結果しているように思える。政治において、減原発に正面きって反対する人はいない。もちろん、心の中では歯軋りしている人は、星の数ほどいるのだろうが、だからといって彼らが今以上にポコポコ原発を作ろうったって、一体、どうやればできるのか? といったことであろう。少なくとも彼らも、日本の終戦時の陸軍や海軍のように、今を面従腹背で、生き残り、未来にその復活をかけようとすることが精一杯だろ う。
つまり、否が応でも、原発産業の
衰退
は(相当途方もない技術革新でもない限り)決定している。経産省ももう各自が自分の身の振り方を考え始めているはずだ。
あとは、政治がどのような反応を示すか、であろう。早々と再稼働を行った北海道は論外だし、再稼働目前まで行って、やらせで頓挫した、九州も、論外以外のなにものでもないが、いずれにしろ、原発は「整備点検」とやらで、しょっちゅう停止していて、再稼働のたびに、都道府県の「承認」がいるっていうんだから、つまりは、一年後に全原発が停止していて、実質、「原発廃止と同じ状態」だったとしても
少しも不思議じゃない
という状態にあることは「日本の全国民が知っている」ということなわけだ(あれだけ何度も、有識者が今の日本は地震活動期にあると言っていて、実際、余震が、当たり前のように何度も起きているこの状況で、それは誰だって思うことは同じだろう)。つまり、そういう状況で原発が「争点にならない」ことは、日本的な今までの選挙民の振る舞いから考えて、予想できると言えるだろう。
たとえそうだとしても、日本の政治の方針が、反原発で統一できないことは、残念というしかないだろう。どういった国民調査でも、反原発寄りが、だいたい、七割には行く現状は、政治的には決定的であるが(つまり、こういう状態で、それでもあえて、反原発の態度を鮮明に表明できなかった、有識者たちは、やはり「そういう人だった」という形で多くの人から見られることを逃れられないだろう)、だからといって、今後、何年かの間に巻き返しがないとは、断定はできない。
しかし、そういった理由以上に、つまり、「残念」だった、ということである。
そもそも今、原発の廃止に反対「寄り」の発言をしている感じの有識者たちを眺めれば、それは分かるだろう。
九州電力の「やらせ」知事は、NHKの番組で、えらそうなことを言っていたもんだが、なんのことはない。お前自身が、かなり利害当事者に近かった、ということであろう。
そして、北海道の女性知事さん。保安院と安全委員会の二つのガードは信用できますか。そりゃそーですよね。だって、自分が経産省出身なんですからね。
池田信夫にしたって、経産省のどっかに所属してたっていうし、つまり経産省の口パクってわけで orz。)
ようするに、みんな紐が付いてるんであって、こういった連中が、どんなに(「科学」的な体裁をまとって)
屁理屈
をならべたって「あーあ。また言ってるよ」。こういった連中が、どんなに
クーデター
まがいの行為をやっても、「あーあ。やっぱり」。もう、だれにも驚きがない。こういった「困ったちゃん」たちを、さて、どうしたものかね orz。経産省に「正統性」がないんで、だれも「信用」しないし、相手にしなくなる。県民の求心力を失っていくし、原発はそういった
橋頭堡
になり始めている、ということなのだろう。
非常にはっきりしていることは、原発なしでやれんなら、それにこしたことはないでしょ、って話なわけで、ある程度、先進国の仲間入りをしている日本の
政治
が、この問題に正面から答えようとせずにいられる「わけがない」。けっこう、原発なしでも、なんとかなる、っていうことが「ばれて」いけばいくほど、原発復活の道は茨の道となることは明らかで、まあ、やれたとしても、ちょっと勘違いしている自民党民主党の、お年寄り「自分に力があると思ってる」グループくらいで、こういった連中も早晩、世代交替で一掃されることは目に見えてますしね。
今停止している原発を一瞬でも早く再稼働したがっている連中は、管総理の退陣とともに、人事を一新して、かたっぱしから再稼働するつもりでしょうけど、それよりなにより、
管総理に逆らって原発推進の態度を変えようとしなかった経産省
という組織に対して、国民は「あきれた」を通り越して、完全に三行半を下している。あの総理大臣に逆らい続ける官僚たちの姿は、非常に分かりやすかった。つまり、どういった人が政治家になり、総理大臣になろうとも、官僚は
言うことを聞かない
連中だということが白日の下にはっきりしたわけですね。シヴィリアン・コントロールは幻想だったし、実際に官僚たちは平気でそういう態度を国民の見てる前で繰り返した。
総理大臣をバカにし続けた。
「私たち」の総理を。
私たちの目に焼き付いた、あの官僚たちの姿が、日本の今の姿を象徴しているだろう(あれが、日本の軍隊の態度だったら、どう思うだろう)。はっきりしていることは、経産省を国民は、まともに相手にしなくなるだろう、ということじゃないか。彼らが何を言っても、話を聞かなくなるし、実際、原発の総括もできない組織をどうして国民は相手にしなくてはならないのか。総理大臣の言うことを聞かない
危険な
こんな組織。さっさと潰して、必要なら別に新しく作ればいい、能力のある人材なら日本中に他にたくさんいる。もう、こんな連中と関わるのも嫌、ってことじゃないですかね...。
(今、NHKで「イ・サン」という韓流ドラマをやっているが、管総理と経産省って、まさにこのドラマの、セ・ソンと、その足を引っ張り続ける、とりまき連中にしか見えないんですけどね...。)