原発を抱きしめて

とうとう、日本国家が、少なくとも30年代まででの、原発ゼロを、政策目標に掲げたことは、3・11以降、原発問題を、このブログでも考えてきた身としては、たとえ、その中身が、青森の再処理工場の「継続」であったり、原発の輸出は継続だったり、建設中の原発の建設を中止しないなどと、意味不明な矛盾しまくりの作文だったとしても、感慨深いものがある。
もちろん、別の政権になれば、また違うことを言い始める可能性は、いくらでもあるわけだし、より早く全原発廃炉を目指すべきだろうわけで、これからも、国民が監視していくことが、必要であることは言うまでもない。
しかし、いずれにしろ、時の政権が、反原発を掲げたことは、大きな事態なわけで、多かれ少なかれ、今後の日本の政治は、この方向に進まざるをえないし、今さら、この方向に竿指すことは、より困難な政治的正統性の獲得の難事業に直面せざるをえないことには変わらないだろう。
アメリカンスクール重厚長大産業の側から、その影響を心配する声は続いているが、いずれにしろ、日本の保守と革新が、この一点においては同意しているわけで、政治的には比較的、軋轢のない方向であるように、私には思えますけどね。)
正直、3・11以降における反原発運動において、全共闘世代の反応は、どちらかと言えば、残念な感じの人が多かったように思う。むしろ、反原発

  • どうせできっこない

と、シニカルに嘲笑している態度が、鼻についた。それは、彼らが、80年代を経て、彼ら自身がバブルと共に、企業で、それなりの役職に就き、ひとかたならぬ、肩書を持つようになって、彼らが学生時代に志した「信念」を忘れてしまった、転向してしまって、今さら、後には戻れない、そういう「終わった」人が多かった、ということではないだろうか。今後、さらに彼らの発言力、影響力は低下していく一方であろう。
そもそも、彼らのほとんどが、バブル時代に、原発推進マネーで、小金を稼いでいるはずなわけで、「自己正当化」のためにも、反原発など言えなかったのだ。学生時代の全共闘から、高度成長時代には、企業戦士として「転向」して、定年間近かの、今ごろになって、いい年して、再度、「転向」するなど、恥かしくて、かっこ悪くて、みじめで、死に際に恥をさらすようで、耐えられなかったのだろう。
しかし、その中でも、小出さんを始め、数えるくらいであれ、一貫して、反原発の態度を、3・11以降、明確にした人たちは、その「希少さ」ゆえに、より重要になっていく印象を受ける。
30年代といえば、もし自分が生きていれば、もう老人なわけで、つまりは、我々の世代が、自らの全生涯を賭けて、この原発の「行く末」を見守っていく使命がある、ということではないだろうか。
ここまで書いてきて、私は少し違った感想を持っている。それは、いわゆる「原子力ムラ」、「原発推進勢力」が、あまりにも、

  • 歯ごたえがなかった

という感想である。
それにしても、あまりにも、彼らは「KY」じゃなかっただろうか。
正直、彼らは「やる気」があったのかどうか、それすら疑いたくなる位に、まったく、元気がなかった。3・11直後、そもそも、日本に反原発は可能なのかを疑った自分としては、むしろ、

と総括したくなる位に、彼らの元気のなさ、が印象に残った、ここまで、だったという印象が強い。
それは、なぜなのか、と考えてみるのだが、そこで、私が以前書いたブログの記事が思い出さずにはいられない。

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私は、それこそ「女性」、もっと言えば、「東京女性ブランド」だったんじゃないか、と考える。
東京の街に出れば、高校生以上の女性は、みんな、おしゃれな服を、多少高価でも、個性的な服を買って、いろいろコーディネートして、自分を個性的にファッショナブルに着飾っている。口には、口紅を塗って、まぶたにはマスカラを塗って、髪は茶髪に染めて、いろいろヘアースタイルを工夫して、彼女たちは、自分を、これでもか、という位に着飾る。その、

  • パワー

は、一体、どれほどなのかと思わずにいられない位に、毎日、こういった行為に、多くの時間を割いて、生きている。
彼女たちは、

  • 自分を売る

のである。自分の体こそが、彼女たちの商品なのであって、その「無上」の意味を理解できない限り、マーケティングとしては負けも同然であろう。
例えば、アキバのアニメ・オタクは、キモいといって、気持ち悪がられようと、少なくとも、彼らは「萌え」と言って、女性を「礼賛」しているという意味で、彼女たち女性の「味方」であるわけで、一定の距離を置かれながらも、「共存」を許されている。
他方において、日本の「原発推進派」は、あれは、なんなのか。
原発推進派と、反原発派を、明確に分ける一点は、「彼らはだれに向かって話しているのか」である。
どう考えても、原発推進派は、日本の女性たちに「向かって」話していない。もう、話にならない位に、圧倒的に、

  • ドン引き

なのだ。どう考えても、目の前に、女性がいるとして、そういう女性に向かって「説得」しようという言葉じゃない。まったく、女性に向いていないのだ。
まさに、日本の高度経済成長期における、日本企業の

  • 男社会

における、ホモソーシャルな、「下ネタ談義」の乗りで、原発推進を語っている。
3・11で何が起きたか。
東京に向かって、放射能が降って来たのだ。千葉から東京に向かって、かなりの地域が、汚染された。つまり、

  • 東京の女性は汚された

のだ。もちろん、こう言うと、KY原発推進派は、「この程度、大したことはない」とか、しつこい位に、ずっと言い続けていた。
しかし、よく考えてみろ。
「大したこと」じゃなければいいって、じゃあ、それが「大した量」だったら、どうしたって言うんだ? 量が多かろうが少なかろうが、

  • 東京の女性が汚された

こと、その「事実」は確かじゃないか! だったら、「大したことはない」って言う「前」に言うことがあるんじゃないのか? だから、私は、こういった連中は、

だって言うんだ。人を「汚して」おいて、ほかに言うことはないのか?
汚れたが、その量が少なくて、影響がなかったっていうのは、たんなる「結果論」だろ? そこで「大したことない」って言うってこと「自体」が、

  • 日本の女性が汚れること自体が、「俺様」にとって「大したことはない」

というふうにしか聞こえない(だって、その言い方が、どう考えても、自分は他人事だから、どうでもいいし、どっちでもいい、にしか聞こえないだろ! そもそも、どうでもいいから、そんな投げやりな、暴論を、ろくに熟考もせず、言えるのだろ!)
そもそも「大したことはない」とかダメ出しして、大衆をバカ扱いしてる、学者連中の口ぶりって、どこか、「大したことはない」と言い放ってる、多くの人たちを、まるで、

  • 実験動物

みたいに、「まだまだ、行ける」とか、言ってるような口ぶり、でしょう?
これこそ、日本の高度成長期の、家庭を返り見ないで、女性を労働の場から追い出していった、日本男社会、日本ホモソーシャル社会の、いびつな構造そのものではないか。
そりゃあ、男たちは、原発動かして、日本を汚して、海外の女を買うんだろ? しかし、女性は、自分のこの体一つ、この健康な体一つを「武器」にして、生きていかなきゃならないんだ。こんな他人の気持ちも分からない、KYなホモ野郎に、自分たちを汚されて、たまるかって、ことだろう。
どっかの原発経済バカが、「男は黙って原子力」とか、のたまっていたが、この一言で、日本の
半分
の人口が、原発推進派の「敵」になった。こういう、女心の分からないバカがいる限り、そいつが何人、男社会で稼いだ金で、女を買おうと、そいつの会社は絶対にマーケティングに成功しない。
原発推進派が、なによりもやらなければならなかったのは、今回の水素爆発の「原因」の究明であろう。アーニー・ガンダーセン博士がニコニコで言っていたが、今だに、専門家でさえ、なぜ、3号機や4号機で起きた、水素爆発が、あれほど、大規模になったのかの原因さえ分かっていない、と言ってたわけである。この事実が、どれだけ深刻か分かっているのだろうか。つまり、世界中の原発は、あれほどの規模の水素爆発が起きるとは、ずっと、想定されていなかったのだ。ということは、世界中の原発が、いつか、あの規模の水素爆発が起きても「おかしくない」という、重大な事実を帰結する。どの原発も「想定」していない。
というか、原因も分かってないんですから、それ以上が起きると言われたって、どうして不思議だろうか。原因の究明なしに、どんな「安全」もないに決まっているではないか。
確かに、原発やめられない派には、東大出身者が多かった印象があるが、安冨さんの、東大話法にしても、一言で言えば、「おつむナルシスト」ですよね。彼らに言わせれば、女性なんて、日本の人口の半分もいるが、俺の「おつむ」は、日本で数えるほどしかない

  • 価値

があると、日本女性の美しさより、自分の「おつむ」の方が、価値が高いんだ、とナルシスティックに言いたいんでしょ。
池田信夫が、若い頃に、女性に相手にされなかった、ルサンチマンで、女性を

とののしればののしるほど、国民は、原発理解派に、

  • ドン引き

なわけで、池田信夫のKY老害原発理解派に、

  • 怨霊

のように、とりつき続けてくれている限り、もう議論以前に、ヨユーすぎる。
しまいに、従軍慰安婦問題を「同じような」ロジックで、まったく、女性の側からの想像力や、その可能性についての同情や共感に欠けた「KY」学問オタクを、連発して
並列
に議論を始めた時点で、もう「政治的」にアウトでしょう(だれも注意してくれる人がいない、悲しい老人なんですね orz)。原発理解派の方々は、いい加減、こいつに、炎上マーケティングで利用され、自分たちの誠実さのイメージが壊されていることを深刻に考えたらどうでしょうかね...。