田母神を黙認した科学者たち

はっきり言って、東京都知事選挙における、立候補者同士の討論会には、なにか意味があったのだろうか? 私には、非常に疑問を感じざるをえなかった。
まず、そもそも、立候補者は、「忙しい」から、何時間も話していられない。そこから、各候補は、少ししか話せない。これのどこが「討論」なのだろうか? こんなものだったら、やらない方がいい。というか、なぜ、立候補者が討論をしなければならないのか。立候補者は、なんらかの「政治信条」を代表する存在でしかない。実際、石原都政においては、猪瀬さんが、基本的なブレーンとして、論客として、ほぼ全ての都政を牽引した。だとするなら、立候補者当人に討論をさせることは、無意味だとさえ言えないか。彼らの脇を固めるブレーンたちこそが、立候補者の政策を代弁して、議論をすべきなのであって、少なくとも、代表者だけが、議論をするとか、意味不明であろう。
こういった「異常」な枠組みを作ったのが、宇都宮候補だと私は思っている。彼はそもそも、弁護士として、こういった討論が「得意」なわけであろう。だから、彼は他の立候補者に、「自分の得意な領域」に引き込もうとした。そして、その誘いに乗ってこないと、他の候補を「弱虫」と非難し始めた。自分が得意な土俵に相手が乗ってこないと、ヒステリーを起こして、キレ始めるその姿は、大きな違和感を感じさせられた。
今回の選挙戦において、明らかに異常だったのが、田母神が、こういった討論の場で、ずっと、安全厨の主張をし続けた、ということである。というか、田母神は、そればっかりを、他人の議論をさしおいて、言い続けた。そして、彼の決まり文句が、「専門家が言っているんですから」。
この「異常」な応答は、2ちゃんねらだって「ソースは?」って、つっこむであろう。彼は、その専門家が誰なのかを言わない。言えるわけがない。そんな安全厨であることが丸分かりなことを。しかし、こんなソースも示せない議論を、

  • 大事な選挙戦の討論会

で、延々、相手の議論をさえぎって、どなり続けているわけである。こんな討論会がどうして必要だというのか。彼は、原発がいかに安全かという「印象」を国民に与えることを意図して、そういった振る舞いをしたのであって、彼は少しも、都知事選に勝てると思っていない。勝てなくても、そういった原発安全のイメージさえ、国民に刷り込めれば、原子力ムラから、いくらでも、お金を注いでくれるので、喰いっぱぐれない、というわけである。
こうやって、あいつは、次の都知事選にも立候補してくる。
実際、原子力ムラのエア御用科学者たちは、田母神が言っていたことを「無視」でしょう。なんで、反論しないんですね。いつもは、トンデモ科学だというと、鬼の首でもとったように、プンスカ言いやがるくせにね。田母神が、安全厨全開の「トンデモ」だと、なんにも言わないんですね。本当に、こういった連中が、大嫌いだわ。
しかし、ね。
右翼は、原発推進なんですかね。
それで、本当に日本は守れるんですかね。いいんですかね。右翼は、日本人として、恥ずかしくないんですかね。原子力ムラの手先になって、エア御用としてお金儲けすることに忙しくて。
こういった、日本を滅ぼす、偽の愛国者を、日本人はいつまで許し続けるんですかね...。