結局、今回可決した法案の「中身」はなんだったのか?

日本の知識人って、ほんとダメだな、と思うのは、みんな「自分の問題」にしちゃうんだよね。つまり、自分の関心の範囲で逆ギレしたり、納得したり、影で陰湿に人格攻撃したり。
でも、そういうことって、もうしわけないけど、一般国民にはどうでもいいことなんだよね。あんた一人が、どう思うかなんて、一般国民になんの関係があるのかな。
何度も言うけど、「あんたの持論」は、今ここで、国民が直面している問題と、なんの関係もない、ということなんですよね、まず、そこから距離を置こうよ。そうしないと、だれにとっても、ニュース・ヴァリューのない、地元の頑固オジサンの床屋談義レベルの話くらいの

  • 価値

の話に、他の人にはなってしまうよ、ということなんですよね。
そういう、自分をひとまず、括弧に入れて話せる人じゃないと、どうしようもないよね。
つまり、なにを言いたいかというと、今回の安保法案の審議は十分に尽されたんですか、ってことですよね。改正法が十本あって、一本当たり、何時間の審議がされたんでしょうか。そして、それで十分に議論は尽されたんでしょうか。
あなたは、今回の法案の「中身」が分かりましたでしょうか?
それは、「専門家」が説明してくれたかどうか、じゃないわけですよ。それは

  • 国会

の審議によって判明になるわけです。国会においては、政府の関係者には「答弁」する義務があります。政府の改正した法律の意図は、これこれ、こういうことです、と。というか、その「対話」を経て、始めて、

  • この改正がどういう意味なのか(=どういう意味として、政府は運用しようとしているのか)

がはっきりするわけでしょう。これは十分に尽されたんでしょうかね? 国会前のデモが、自分の主張と違うから自分はデモに参加しないとか言っていた連中は、このことの意味を分かってるんでしょうかね?
結局さ。一人でもいいよ。今回の法案の中身を説明できる日本人が、この世にいるの? いるわけないじゃん。よく考えてみてくださいよ。
具体的な法案の中身なんて、参議院に入って、つい最近始まったばかりじゃないですか。しかも、やるたびやるたび

  • 衝撃の事実

みたいなのが、次から次から出てくる。実は、こういうことじゃなかった。実は、政府の説明は撤回された。
こんなのばっかりだったじゃないですか。
つまり、どういうことか? 今回の政府の改正案が「結局、なんだったのか」を説明できる人は、世界中のどこにもいないまま、審議が終わっちゃった、もう、この真実を追求する「場所」はなくなってしまった(なぜなら、法案が成立してしまいましたから、政府に審議を行う義務がないのですから)、ということなのです。
もちろんこう言うと、「でも政府自身がこの法案の中身を分かっていないわけがないんだから、説明できますよね」と言う人がいるかもしれない。アホか、と思うわけです。そんなの「逆」に決まっているでしょ。政府は結局追求を避けられたんですから、逃げきったんですから、もう死ぬまで、全部、うやむやにされますよ。だって、当然じゃないですか。その方が、「得」になるかもしれないんですから。
ときどき思うんですよね。日本の学者って、本当は頭が悪いんじゃないのか、って。専門バカなんじゃないかって。自分がやってる、自分の専門の話しか、実際は知らないんですよね。知らないくせに、やたら、「持論」を言いたがるんですよね。それについての、専門書なんて、一度も読んでないくせに。素人を前にして、カッコつけたいんでしょうね。センセ、センセ、ってヨイショされずにいることに不安なんでしょうね。
今週の videonew.com のエヌコメで、神保さんも言っているけど、
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今回、野党があれだけ国会で抗議したのは「当たり前」なんですよ。なんにも、法案の中身がはっきりしていないんですから。そして、その機会はもう失われたんですよ。二度と戻ってこないんですよ。学者さん。安倍政権に賛成、リフレに賛成、積極的平和主義に賛成、いいですけど、そんなあなただって、今回の法案が「何」かを、原理的に絶対に説明できないんですよ? つまり、官僚せ政権が、あんたのまったく想定していなかった、

  • 運用

を始めたとき、その賛成君は、どうせ責任とれないんでしょ。どうしてくれるんですかね?
例えば、日本の国際政治学者の中には、今の国際政治の各現場によっては、さまざまな「問題」があることを知っているわけでしょう。そして、その一つ一つに、日本が貢献できるなにかがあるのかもしれない。そういった個々具体的な問題を

して、国民に問題提起をすることは、上記の安保法案がどうなるこうなるに関係なく、できるわけでしょう。なんで、こういった人たちって、この二つの議論を切り分けられないのかな。どうして、安倍政権ホルホルじゃないと、そういうことを話せないのかな orz
今回の安保法案の中身がなんであれ、国際社会における、さまざまな国々での、さまざまな「紛争」は重要ですよ。そして、それぞれに対して、日本にどんな貢献ができるかは、考えていかなければならない。しかし、そのことと、今回の保安が、結局

だったのかは、まったく別の話じゃないんですか? おい。お前に言ってるんだよ。最後まで、国会前で抗議している市民や、夜遅くまで、がんばってくれていた「野党」の人たちを、応援するでもなく、遠くから、冷笑的に、鼻で嗤って、等閑視していただけの、日本の学者の連中に(怒