宇都宮弁護士の都知事選挙の「責任」

私は選挙はしょせん「結果」だと考えているから、あまり結果がどうだったで、いつまでもグダグダと言いたいわけではないが、宇都宮弁護士の態度は、そもそも自分が今まで言ってきたことと違っているんじゃないのか、という感じがするわけである。

--前回の都知事選では「脱原発」をテーマに宇都宮弁護士と細川護熙元総理が出馬し、票が割れてしまったと指摘する声もあります。市民の中には、なぜ一本化できなかったんだと忸怩たる思いを持っている方も多いようですが、このあたりの調整をどうお考えでしょう?
宇都宮氏「あの時もそうでしたけど、できるだけそういう人たちと、交流をして、意見交換をする。場合によっては公開討論会をやるとかね。そういうことは言ってきたんですよ。舛添さんが4年間都知事を務めあげた場合は、時間を取って、候補者と思しき人たちと公開討論会をやりながら、米国の大統領予備選のような議論をやったらいいじゃないかと私たちの中では考えていたんです。
ただ今回、50日間でそれができるか分かりませんが、何らかのかたちでいろんな人の意見を聞きながら、運動の輪を大きくしないといけません。やっぱり自・公は強力ですからね。まとまることが重要だと思っています」
--最終的にまとまって、候補者を一本化するということが重要だということですね。
宇都宮氏「そうです。はい」
【速報!】宇都宮健児氏「都知事選は一本化が必要」と明言!出馬は"前向きに検討中"だが応援に回る可能性も〜「野党共闘の流れで都知事選も闘える態勢ができたらいい」とIWJのインタビューに回答! | IWJ Independent Web Journal

こういう話だったところで、野党共闘は鳥越さんという方を代表とすることになった。そして、宇都宮さんは自ら立候補を取り下げた。その結果、与党の小池が勝利したわけである。すると、宇都宮さんは選挙の後に次のようなことを言っている。

--民進党主導で候補者を決めた動きにも批判がある
候補者を事実上、民進党の中で決め、それに他の野党も賛同し、それを市民連合が賛同するというやり方なんですね。私からすれば、民進党の独裁ですよ。本当なら、候補者を決める場合は、それなりに名前が出てきた人を公開の場で討論をやりながら、本当に誰がふさわしいか民主的に開かれた場で議論して決めるべきだった。そういうことが、まだ訓練されてない。今の日本は政党が偉くて、決めたことを市民連合が従う。市民連合は、よく国会前の安保法制反対の抗議活動で(学生団体)『SEALDs(シールズ)』なんか『民主主義って何だ? これだ!!』って言ってるんですよ。ところが都知事選での候補者選びは、民主主義もへったくれもないわけですよ。政党が密室の中で決めたことを支持してるだけで、まさに独裁的なやり方。市民運動と政党は本来、対等であるべきだと思っているんですけど、市民連合が候補者選びに参加したと思えない。日本の運動の未熟さが露呈した問題。リベラル運動をどうするか、深刻な総括が絶対に必要だと思います。
http://www.nikkansports.com/general/news/1687561.html

どうも宇都宮さんは、都知事選挙の「候補者選定」は、彼の頭の中では、なんらかの「手続き」をふまえないと「独裁」になる、と言いたいらしい。
じゃあ、なぜ今回はそうならなかったのか? 宇都宮さんがここで「怒る」のは勝手だが、政治は「結果責任」である。宇都宮さんがそう思うなら、何度でも陳情して、野党の幹部連中を「説得」しなければならなかったんじゃないのか? その説得に失敗したのだとするなら、それは宇都宮さんの「力が及ばなかった」「相手が説得されなかった」ということですよね。なんででしょうね?
宇都宮さんは以前は二回の選挙に立候補して、いずれも大差で負けて、今回、自らの与党に対抗するには一本化が必要だと言っていたわけだが、それに対して、今回は宇都宮さんが辞退しながら、与党側の勝利に終わった。
宇都宮さんが考える「あるべき論」がなんであれ、こうやって「負け」を繰り返してきておいて、まだ相変わらず「あるべき論」でお茶を濁すのか。
なぜ負けたの?
本来、宇都宮さんが選挙に「強い」ならば、一回目の立候補で勝っていたであろう。じゃあ、なんで弱いの? 今回、立候補したら勝てたの? 選定方法なんかどうでもいいよ。勝てたのか? 勝つ「戦略」があったのか? どうなれば勝てたのか?
こんなことさ。ちょっと、世論調査をすれば、ある程度は分かるわけでしょう? やったのかな?
宇都宮さんは、一言目には「自分は都議会ウォッチャーだ」なんだよね。だから、都議会のことをよく知っている。でもそれって、一種の「陳情」ですよね、与党への。選挙は、一人総取りなんですよね。だから、とにかく、

  • 勝つ方法

を、いったん冷静になって「考えてほしい」んですよ。宇都宮さんが、都議会ウォッチャーであることは分かった。おそらく、日本で一番の都議会ウォッチャーなんでしょう。じゃあ、勝てるの? 国民は宇都宮さんに投票するの? どうも違うみたいだよね。それは、以前の二回の選挙で証明されてますよね。
ほかに何が必要なの?
もう、宇都宮さんの「あるべき論」はいいんですよ。都民は、「そういう素晴しい存在である」宇都宮さんに投票すべきだ、もいいんですよ。そういった、ぐだぐだ「言い訳」はいいんで、選挙に「勝って」くださいよ。勝つ「戦略」を証明してくださいよ。そうすれば、だれも文句を言いませんよ。
何度言わせるんだよ。選挙は「結果責任」だって。今回勝てなかった当事者は、まず、「自分が選挙について語る資格がない」と考えるべきなんじゃないか。だって、

  • あなたの言うことは「負ける」結果になる

ということが「証明」されたんでしょ? 負けた人が重宝される社会は、死ぬまで負け続けますよ...。