東浩紀先生の「一般」主義

あのさ。安倍首相が今年も待機児童問題を解決できないんだってさ。日本死ね、安倍SHINE。
おそらく、トランプだったら一瞬で解決しているよ。つまり、お得意の「大統領令」で。いかに、安倍総理指導力がないかを意味しているよね。

保育園に関する著書も出版している古市氏は「ひどい話」とバッサリ。「小学校には待機児童問題はない。保育園はだれが責任をとるかがあいまいになっていて、国もこれまで責任をとってこなかった」と解説し、「国は女性に働いて欲しい、少子化何とかししたいというくせに、保育園は大変な状態が続いてきた。児童福祉法があって、各自治体に保育園を作らなきゃいけないという規定があるのに守られないで、女性にしわ寄せがくるのは違う」とまくし立てた。
泣く泣く育児休暇を延長した母親は待機児童ではないとする自治体もあるという。古市氏は「潜在的には待機児童は100万人いるといわれている。保育士の待遇が悪いなど、保育所は軽んじられてきた。国の税金などで支援をしなくてはいけないのに、高齢者ばかりに福祉が行く。もう少しだけでいいから予算を回してくれれば変えられる」と訴えた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170210-00000105-sph-ent

あのー。
小学校には「待機児童」がいないんですけど、なんで保育園にはいるんですかー。
待機児童問題を一瞬で解決する方法が三種類ある。

  • 役所が「全員の児童を引き取る」とまず「決める」...例えば、全てのJRと地下鉄の駅に一人ずつ役所の人間を置き、とにかく、ここに預けたいと思っている子どもを「公務員」の立場として、全員、いったんひきとる。その上で、それらの子どもを保育するには、どれだけの人間が必要かを計算して、専業主婦など、近所のPTAなどを使って、人を集める。
  • 総理大臣が「緊急事態」を宣言して、すべての父親、母親が子どもを仕事場に連れて行くことを「国民の義務」として企業に許させる。そうすることで、あらゆる仕事場は赤ん坊の泣き声で、阿鼻叫喚の姿を示すであろうし、一切の会議は、子どもの喚き声で、なにを言っているのか分からない状態になるだろうが、それが「本来の人間社会」であることを、企業に分からせる。
  • 小学校で全員受け入れて、子どもたちに赤ん坊の世話をさせる。

つまり、待機児童問題は解決できないのではない。石原慎太郎東京都知事のときからずっと続いている

  • 反福祉勢力

が、一貫して「水際作戦」で、役所の窓口で、福祉を拒否し続けているから。この政策が一貫して今に至るまで続いているからなのだ。
恐しいね。
大事なポイントは、安倍首相が「やる気がない」し、自民党が「やる気がない」。だって、こんなことは石原慎太郎都知事の頃からずっと言われていることで、彼は「意図」してやらなかった。なぜなら、彼は反福祉主義者だから。
というか、自民党はずっと反福祉主義者だ。だから、役所の窓口は水際作戦をずっとやっている。
ようするに、どういうことかというと、日本には昔から、福祉に反対する勢力がいて、なにかというと公共機関が福祉を行おうとすると「反対」と言い始めるわけである。
では、彼らはどんな理由で「反対」と言っているのだろう?
ひとまず、東浩紀先生のご意見をまとめてみよう。

これは要は、共産主義なき左翼はナショナリストにならざえるをえないということだと思う。普遍主義が崩れたら社会思想の拠り所は国家しかないのだから。それを「左翼も結局はナショナリストか、よかったよかった」と思うか、「左翼までナショナリストかよ!まじか!」と驚くか、それはひとによる。
@hazuma 2017/02/18 20:46

今日の昼間のツイートの補足だけど、普遍主義を失いナショナリスト(国家前提の再配分主義者)になった左翼は、なんの理念もなく、場当たり的に出会った弱者に共感するいいおじさん/おばさんでしかないので、そりゃ絶対的に右翼に負ける。ごく乱暴に言えば、それがいま世界中で起きていることですね。
@hazuma 2017/02/19 05:42

現代のリベラルは、リバタリアン化するかコミュニタリアン化するしかなくて、たいていのひとは資本主義憎しの前提が残っていてコミュニタリアン化している。で、そうなると、国民のあいだの友愛と平等を説く左翼の論理って、ほとんど右翼と変わらなくなるわけよ。
@hazuma 2017/02/19 13:51

いま書いたよ。プロレラリアートも革命ももともとは民族超えてたんです。それが民族主義と結びついたのは単なる堕落。現状はその堕落の延長線上にある。
@hazuma 2017/02/19 22:47

ぼくとしては、民族や国家を超えるものを構想できない政治思想に、ほとんど意味を見いだせない。それがぼくの立場なので、くだらんと思うひとはフォロー外してください。その勇気がないならこちらからブロックしますです。
@hazuma 2017/02/19 22:48

いや。別にいいのだが、ここで東先生が言っている「普遍主義」って、柄谷行人の『探求』で言えば、

  • 一般主義

のことでしょw なぜ東さんはそれを「普遍」と言っているのだろう? なにか根本的にこの人は勘違いしていないか?
まずこの東さんの発言が、なぜ「反福祉」なのかを説明すると、

  • 国家前提の再配分主義者
  • 場当たり的に出会った弱者に共感するいいおじさん/おばさんでしかない
  • 国民のあいだの友愛と平等を説く

という態度が「国家主義」であり、民族主義であり、普遍主義じゃないから「反対」と言っているわけ。まず、それが「国家が行うもの」である限り、

  • (国内の)再分配
  • (国内の)弱者への共感
  • (国内の)友愛
  • (国内の)平等

に「反対」なわけです、この人は。だから、そういう意味では石原慎太郎と変わらないわけで、彼が東京都知事になっても、東京都民に「福祉」をやらないわけです。なぜなら、それは「普遍主義」じゃないから。
なかなか興味深いですよね。
まず、東さんが日本国民の税金で集めたお金で、日本国民に福祉をしないとすると、きっと

  • 地球の裏側の誰か

にそのお金を使うと言いたいのだと思うけれど、彼は一体だれにそのお金を使おうと思っているのだろう? つまり、それは誰なのか? おそらく、「困っている」人に使いたいと思っているのだろうけど、だれが困っているのだろう? ここで私が問題にしているのは、東さんは、その「誰」を指示できるのか、を問うているわけである。
おそらく、地球の裏側にも人は住んでいて、なんらかの生活をしているのだろうけど、彼らは一体何に「困って」いるのだろう? そもそも、私たちは彼らを知らないのだから、その「何」を言えるわけがないのではないか。
なぜ「国内」なのかというのは単純な話で、まず、自分が生活している範囲で、回りに「困っている」人がいれば、すぐに分かるであろう。同じ村で生活していれば、その人がどういった苦労をしているのかを毎日見ているのだから。
その延長で、同じ日本列島で住んでいる人であれば、ある程度時間をかけて会話をすれば、その日本語から、どういった生活状態なのかは、同じ日本語の伝達能力によって、それなりには伝わってくるわけであろう。
ようするにそういうことで、こういった「同族」的な共通感覚が

  • その共同体の中での「(ある程度の)平等」

についての、一定のコンセンサスが成立しうる、ということが、なんらかの「福祉」への合意形成に成功しうる、というわけであろう。
だから、もしも地球の裏側のだれかへの「福祉」を、日本国家として行おうと考えるなら、必然的にその地域の人たちに詳しい第三者にまとまったお金を「寄付」という形で与えることで、彼らに「平等」な分配をお願いするしかないということになるし、実際、今だってそうやっているわけであろう。
私は東先生が、「民族や国家を超える」と言っていることが理解できない。左翼や共産主義にしても、自らの「生活空間」を

  • 超えた

なにかを「妄想」することは、自らの「自明性」を他者に投影する「パターナリズム」になる危険性を十分に認識していたはずだと思っている。そういう意味では、東先生の言っていることは

  • 一般主義

にすぎないわけで、なぜ東先生が「一般的」であることを「普遍的」であると強弁したがっているのか、そこにむしろ、彼の「逆張り」的な意図がすけて見える。

  • たいていのひとは資本主義憎しの前提が残っていて

とは、東先生は資本主義を憎んで「いない」と言っているわけで、つまりは、彼は新自由主義者なわけだ。つまり、この前提があるから、東先生の「本音」の

  • 福祉憎し

がにじみでているし、こういったエリートたちの「福祉攻撃」が日本の国民の「平等化」を邪魔しているわけである...。