東浩紀先生の政治理論

うーん。ここのところの、東浩紀先生の「炎上」案件は、これを非難している人たちの気持ちは分かるのだが、そして、東浩紀先生自身がその意味をほとんど説明していないという、あいかわらずの「ポストモダン作法」であることが余計に混乱を拡大させているのだが、そういったことを抜きにして、そもそも、この人がどういった

  • 政治思想

をもっているのかについては、過去にたくさん、ツイッターでも言及してきているのだから、そういったものをふまえて批判しないと、ずっと水掛け論を繰り返すだけになって、有益ではないと思うんけすよね。
そこで、その辺りを、わかりやすく「まとめサイト」的に整理していき、その過程で私なりの批判を行っていきたい。
まず、東浩紀先生がなぜ日本共産党を支持しないのかについて、以下のようにツイートしている。

マルクス主義と距離をとっているのではなく、「敵」を定め、それを攻撃することでしかアイデンティティをもてない政治運動と距離をとっているのです。そしてそのような運動と距離を取る理由は、ぼくの著作を読めば一目瞭然だと思います。ゲンロン0はほぼそれが主題と言ってよい本です。

なぜマルクス主義と距離をとるのか思想的に説明してほしいです。
@koshizzz 2017/10/08 21:04

@hazuma 2017/10/08 21:05:27

ここでは、マルクス主義の話にずれてしまっているが、まあ、日本共産党ととっても、マルクス自身の思想にとってもいいが、ようするに、「友敵理論」と自分は戦っているんだ、といったことを言いたいようであり、それを理論化したものとして、『ゲンロン0』を指示している。
しかし、東浩紀先生自身はある文脈においては、一見すると「友敵理論」と思われるようなことを別の「対立」に対して述べている。

英国のEU離脱決定後のロンドンを見ても思うのだが、世界はこれから、国境ではなく、都市と地方で分割されるようになるのかもしれない。ますます豊かになり相互に連結されるグローバルシティと、その後背地としてどんどん引きこもり排他的になり愛国主義的になる各国地方政治。
@hazuma 2016/07/04 11:42:29

そのとき、都市につくか地方につくかの選択は難しい。どっちにもいい面と悪い面がある。ただ、これからの本当の政治的対立は、右左ではなく都市と地方から生まれるのではないかと思う。日本でも、いまはまだ地方もみな活躍というお題目がまかり通っているが、そろそろそうはいかなくなるだろう。
@hazuma 2016/07/04 11:47:02

ところで(またどうせ左翼から敵認定されるのでしょうが)、ぼくが本来支持する政治的な立場は、経済成長を志向し、多様性に対して肯定的な、地方に金を無駄にばらまかない改憲勢力です。ぼくがこの数年選挙のたびに文句を言っているのは、ないものねだりとかではなく、そういう勢力が消えたからです。
@hazuma 2016/07/04 11:57:37

今回の選挙についていえば、ぼくは自民党および共産党には投票しません。前者は愛国主義に傾きすぎているし、後者は政権担当能力をもたないからです。問題は両者ではないどこかなのですが、第三の選択肢が実質ないところが頭が痛いです。この状況で「マシな候補者選べ」はむしろ暴力だと思いますね。
@hazuma 2016/07/04 12:02:14

若いひとへのメッセージですが、日本の将来をまじめに考えるなら、アベ暴走政治を止めるとかいった学園祭的な正義感に酔うのではなく、10年後、20年後にも自分が支持するであろう党は人に投票すべきです。政治とは人生の表現です。自分がどこに住み、どんな人生を生きるかと密接に関わっています。
@hazuma 2016/07/04 12:05:32

大会社の社員で、年収1500万円とかで退職金もがっぽりもらえるひとが共産党支持とか言っていても、聞く必要はありません。政治と人生が乖離しているからです。ぼくが前掲の政治信条を支持するのは、それがぼくの人生と一致しているからです。みなさんも、そのようにして投票先を選んでください。
@hazuma 2016/07/04 12:08:10

そうですか。ちなみにぼくが言ったのは金持ちかどうかではありません。よくツイートをお読みください。ポイントは「正社員」「退職金」「大会社」で、格差社会本当にまずいと思うのならば、まずはみなさん正社員を辞めたらいいと思うのです。

私は貧乏ではないけれど共産党支持です。私は「政治と人生が乖離」などしていません。適当に決めつけてものを言わないでください。迷惑です。
@GlamGOBErt 2016/07/04 13:28

@hazuma 2016/07/04 13:33:54

日本の格差社会の根源は、アベノミクス云々以前に、新卒一括採用とかいうくだらない制度で人生を決める、大手企業の正社員の既得権益ばりばりの優遇制度だと思います。だから格差がいやなら、まずはそれを自ら壊せばいいと思うな。
@hazuma 2016/07/04 13:36:31

ちなみに誤解してほしくないのですが、ぼく個人は、格差は能力に応じて(そして残念なことに運に応じて)あってしかるべきであり、貧困に対してはセーフティネットを張ればいいという立場のひとなので、さきほどのツイートは大手企業の正社員の方を批判するものではありません。
@hazuma 2016/07/04 13:38:19

ぼくが言いたいのは、そんな矛盾だらけの既得権益のうえでのうのうと暮らしているのに、共産党支持で格差反対とか偽善的すぎるだろってことです。大学人とかメディア人とかね。まあ、ぼくのようにはっきり書かないだけで、普通のひとはみなそう思っていると思いますけどね・・
@hazuma 2016/07/04 13:40:09

まずぼくは東京特別区出身ではありません。そして東京が強者で地方が弱者というのは、経済ではたしかにそうですが、政治においては事実誤認かと思います。田中角栄以降、日本の政治はずっと地方を向いています(それ以前はちがう)。

何度かその様な話を拝見していているのですが、 極端な所しか見ていない様に思える
東京特別区出身の、生まれながらの地理的強者が、生まれながらに弱者である地方出身者に対して、くっきりと差別的構造を作り出そうとしてる様に見えて、田舎から東京に出てきた僕には胃がいたい
@watashioreboku 2016/07/04 15:35

@hazuma 2016/07/04 15:38:58

ただ、ぼくは東京重視が正解と言いたいのではありません。ぼくのスタンスはこうです。ぼくは東京出身で東京在住なのでそういう立場で政治を語る。むろん地方出身で地方在住のひとはその立場で語る。それが集まって国民の意思ができる。ところがいま東京重視の政党はない。だからぼくは困る。それだけ。
@hazuma 2016/07/04 15:41:14

この最後のツイートであるが、まあ、普通に読むとこれは「友敵理論」なんじゃないのか、と思われるわけであるが、彼はその二つの「友敵」の差異については説明をする気はないようである。
しかし大事なポイントは、この私たちが一見すると「友敵」と思われる、都会と地方の「対立」について、なぜか「一般意志」の話がでてくることであろう。
すこし話がそれるが、まず、東浩紀先生は自らの主著、『一般意志2.0』で、ルソーの「一般意志」こそ、政治の中心だ、と言っているわけです。つまり、これを前提にして、私たちの現代の直感的な意味での民主主義に一見、反しているように聞こえる、反民主主義的な(官僚主義的な)政治を目指しているわけですね。つまり、まずは彼が解釈する(ルソーの)一般意志に、私たちは「同意」するのかどうか、をまず立場表明しないと、結局ここを起点に、議論を組み立てられて終わるわけです。
ようするに、都市と地方の「対立」は、「一般意志」においては、「対立」ではなくなるw それは、どのように決められるのか。普通に考えるなら、多数決であろうが、政権の中枢は都市にあるのだから、そこにある官僚制が決めると考えるなら、都市に有利に決まるであろう。しかしいずれにしろ、その「一般意志」なるものが決めたなら、ルソーも言っているように、それが国民の意志以上の意志なのだから、国民は従わなければならないw まあ、従えと言うと少し違うのだろうが、いずれにしろ、政治のルールとしてはそれでいい、ということなのだから、まあ、一種の

  • 意見箱付きの官僚制

なんだよね。
そして、もう一つ大事なポイントは、田中角栄の政治を参照しながら、都市は弱者で地方が強者だったといった「被害者意識」を述べていることであろう。つまり、都市優先運動には「正義」がある、と主張していることであろう。
さて、次に彼が主張しているのが、

  • 大会社の社員で、年収1500万円とかで退職金もがっぽりもらえるひとが共産党支持とか言っていても、聞く必要はありません。
  • 格差社会本当にまずいと思うのならば、まずはみなさん正社員を辞めたらいいと思うのです。

だが、ここでも自分は「大企業の社員じゃない」という意味で、「被害者意識」を主張していることであろう。しかし、普通に考えて、共産党が主張していることは

  • 再配分

なのだから、つまりは、多く稼いだ人が多く福祉を負担すべきなのだから、なにが矛盾なのだろうかと思うわけであるが、それを彼は「偽善」だというわけである。しかし、「偽善」をやめるということは、

  • 友敵

を認める、ということではないのか? なにが偽善でなにが友敵なのか、まったく基準を示していないわけで、普通に読めば「恣意的」と受けとらざるをえないわけであろう。
また、

と述べているわけで、そもそも非平等主義者なわけです。また、(まあ、何度も引用していつが)最近も以下のように発言して、

  • 福祉の大幅な削減

を自らの夢と言っているわけで、多くの人は彼がどういった社会を理想としているのかに、注意して現在炎上している「棄権」騒動の内容を吟味されるといいと思います。

ぼくは最小福祉国家主義者で、国家は国民の最低限の安全保障と市民生活を維持するのが仕事で(そして実際それで精一杯なはずで)、クリエイティブな才能を伸ばすとかイノベーションを支援するとかには手を出さず、そっちは規制緩和でいいと考えている。だから官僚に夢を与える話はできないのよね。
@hazuma 2017/09/11 12:49

そして日本の最大の問題は少子高齢化なのだけど、これこそ考えてもどうしようもないことで、いま必要なのは高齢者への年金給付だか社会保障だかを大幅に引き下げることなんだろうけど、これは政治的に絶対的に不可能なので、議論しても意味がない。この点でも夢を与えることができない。
@hazuma 2017/09/11 12:51

また、最後に彼は以下のように述べて、

  • 正義

の問題についても言及している。

ぼくを知識人と思うか思わないかは、質問者の方の自由です。庶民の味方という言葉はぼくは嫌いです。意味不明なので。

知識人で合ってますか?な人が左翼を批判する時代が来るとはねぇ......知識人て庶民の味方とばかり思ってたけどそんな感じでもないのかな......
@nikoko_makoko 2016/07/04 15:40

@hazuma 2016/07/04 15:41:55

そうですか。ぼくは「知識人が庶民の味方」という見方に驚きました。

そうなんですか、結構驚きました。
@nikoko_makoko 2016/07/04 15:42

@hazuma 2016/07/04 15:42:52

どうも、東浩紀先生は「庶民の味方」ではないようです。つまり、自分が

なのだから、その利益代表として党派的に振る舞うことは、「偽善じゃない」という意味で当然だ、と言っているわけで、ようするに東浩紀先生は、

  • 反正義主義者

だということです(ようするに、ノブリス・オブリージュが彼にはない、ということを意味していると解釈できるのではないでしょうか)。
さて。もう一つ、上記の主張で重要なところは、

  • 日本の将来をまじめに考えるなら、アベ暴走政治を止めるとかいった学園祭的な正義感に酔うのではなく、10年後、20年後にも自分が支持するであろう党は人に投票すべきです。政治とは人生の表現です。自分がどこに住み、どんな人生を生きるかと密接に関わっています。

であろう。まあ、後半はいいのですが、中盤の、

  • 10年後、20年後にも自分が支持するであろう党は人に投票すべき

という意味不明の議論だろう。なにが言いたいのだろう? それは今回の「棄権」騒動にも関係して町山智浩さんが言及している。

棄権や白紙投票に意味があると言ってる人、長谷川豊が衆議院議員になるのを阻止する方法を教えてください。

「自堕落な生活して、人工透析をやってる患者なんか全員殺せ」でお馴染みの長谷川豊。維新の会の公認で千葉一区から出馬。南関東の比例名簿順位が1位ってなんだ。維新の会はこんな奴を是が非でも国会議員にさせたいのか。どんな党かわかる。比例で維新の会に票を入れたら、こんな奴と同罪になる。
@umekichkun 2017/10/10 17:15

@TomoMachi 2017/10/12 16:11

あのさ。選挙がなんだとか、選挙が意味があるだとか、それが私たちが生きることになんの関係があるのだろう? 私たちは毎日、個々、具体的な問題と

  • 戦って

いるんだよ。それを「一般意志」とかいう、多数決だか、官僚のサジ加減だかに「お任せ」したくないから、戦っているんだろう? それを「友敵」とかいう、意味不明な言葉でごまかすなよ。
私は、どうやって長谷川豊が政治家にならないようにできるか、それを考えて、今、どう行動すればいいのかを思考しているし、選挙など、その一つの手段にすぎない。
あらゆることがそうだよ。ほんと、哲学バカの「一般論」は百害あって一利なしだよ。ほとんどの国民はどうやったら今の福祉を維持できるか、どうやったら待機児童をなくせるか、どうやったらお金がなくて、大学に行けない人をなくせるか、そういった

  • 具体的な問題

を必死で考えて生きているんだ。それに対して、お前の夢は「福祉を大幅に減らす」ことだと? だったらそう、「棄権」キャンペーンの文章の中に書けよ。他人をあざむくなよ...。