日本の倫理

私は、いわゆる哲学の文脈で言われる「倫理」を疑っている。それは、最近はやりの言葉で言えば「マウンティング」で、高学歴エリートであることを笠に着て、相手を上から見下す態度だと思っていて、私はこういった連中を

  • 悪魔

と呼んでいる。私はその中でも、諸悪の根源はリチャード・ローティなんじゃないか、とも思っている。ようするに、

  • リベラル

がダメなのだ。これは、完全に「上から目線」だ。つまり、「パターナリズム」であり、「おかみがしもじものことをやってやる」の典型なのだ。

ローティの答えはどのようなものだろうか。じつは彼はそこで「感覚」や「想像力」といった言葉をもちだしている。ローティはつぎのように記している。「本書でこれまで主張してきたのは、わたしたちは歴史や精度を超えたものを求めないようにしようということだった。[...]わたしがリベラル・アイロニストと呼ぶのは、この感覚[連帯の感覚]が、まえもって他者と共有されたなにものかについての認識としてあうのではなく、むしろ他者の生の細部への想像的な同一化の問題としてあるような、そのような人々のことである」。つまりは、連帯は共感の力で広がるのだと、ローティはそう記している。
ローティは普遍的な理念を信じない。だから連帯の基礎として言語や論理は使えない。プラグマティストの彼が頼ることができるのは、具体的な経験だけである。だとすれば、このような結論にたどりつくのは不可避だと考えられる。
東浩紀『観光客の哲学』)
ゲンロン0 観光客の哲学

ローティは、さんざん分析哲学に対する「懐疑主義」的な不可知論を提起した後に、その「答え」を

  • 言語や論理の<否定>
  • 共感の<肯定>

と言っている。分かるだろうか? この、大学教授の「偉そう」な態度が。お前ら下々のことは、せいぜい

  • 共感<してやる>

だってさ。ありがたいねー。虫酸が走るわw
こういったゴミ屑が、大学教授なわけ。
あのさ。
そんなこといいから、さっさと「富の平等」を実現しろよ。そのための政治活動を

  • 今すぐ

始めろよ。マルクス主義が言ってたように。やれよ。偉い人たちよ。お前ら、偉いんだろう? だったら、今すぐ、「富の平等」をやれよ。ぐだぐだと「屁理屈」はいいからさ。適当なことを言ってれば、頭の悪い大衆なんて、いくらだって「だませる」と思っているわけでしょ? お前が何言ったって、誰も信じるわけない、ってわけ。
例えば、東浩紀先生は『弱いつながり』という本で、「東大」というところがどういうところかについて書いている。

これはぼく個人の経験でもあります。ぼくはある進学校を卒業しえいます。当時もいまも、卒業生の半分が現役で、浪人を入れれば三分の二が東大に入る学校です。三分の二が入る、というのはつまり、成績が下のほうでも東大に入ってしまうということです。彼らがみなほかの高校でトップクラスの成績を取ることができたかといえば、そうは思いません。環境が、彼らを東大に入れているのです。
東浩紀『弱いつながり』)
弱いつながり 検索ワードを探す旅 (幻冬舎文庫)

だったら、こんな「日本の教育の不平等」をやめたら? 憲法が定めている、教育の平等に反してるよね。
当たり前だけど、日本中どこに住んでいる人にも

  • 平等な教育

をしなければ、「憲法違反」じゃない? なのに、そういった教育の抜け穴を使って、

  • うまく立ち回って

出世街道を上がってきて、なんで東大出身が

  • 恥ずかしい

って思わないんだろうねw 私だったら恥かしくて、人前に出てこれないよ。これこそ、倫理的に感覚がおかしいでしょう。こういった日本社会の状態を変えようと、がんばっているんなら、一目おかないでもないけど、なんなの? なにが言いたいの?
ここのところ話題の萩生田文科相の「身の丈」発言も、ようするに、萩生田大臣という

  • 東京出身者

による「地方差別」でしょ。最近の videonews.com でもやってたけど、そもそも、世界中で、地方と都会の「最低賃金」に差がある先進国って、日本ぐらいなんだってさ。わかる? この意味。だったら、貧乏であればあるほど、だれだって、若い人は、地方から東京に出てくるわけでしょう。だって、まともな給料が地方じゃ(最低賃金に近い仕事で働いている人であればあるほど)もらえなくて、東京じゃないともらえないように

  • 差別

されているんだから。現実に今も、こうやっている間に、地方は東京に差別されている。
あのさ。俺が頭に来てるのは、最近、東先生がよく「友敵理論はよくない」みたいな説教を始めたんだよね。それも、『観光客の哲学』での、カール・シュミットの議論の延長で、さ。それで、彼が言うには、東先生は一度も、自分は「友敵」で考えたことがない、それなのに、世間では、そういった言説に溢れている、とか

  • 説教

かましているわけ。でも、これって明確に

でしょ?

英国のEU離脱決定後のロンドンを見ても思うのだが、世界はこれから、国境ではなく、都市と地方で分割されるようになるのかもしれない。ますます豊かになり相互に連結されるグローバルシティと、その後背地としてどんどん引きこもり排他的になり愛国主義的になる各国地方政治。
@hazuma 2016/07/04 11:42:29

そのとき、都市につくか地方につくかの選択は難しい。どっちにもいい面と悪い面がある。ただ、これからの本当の政治的対立は、右左ではなく都市と地方から生まれるのではないかと思う。日本でも、いまはまだ地方もみな活躍というお題目がまかり通っているが、そろそろそうはいかなくなるだろう。
@hazuma 2016/07/04 11:47:02

ところで(またどうせ左翼から敵認定されるのでしょうが)、ぼくが本来支持する政治的な立場は、経済成長を志向し、多様性に対して肯定的な、地方に金を無駄にばらまかない改憲勢力です。ぼくがこの数年選挙のたびに文句を言っているのは、ないものねだりとかではなく、そういう勢力が消えたからです。
@hazuma 2016/07/04 11:57:37

ただ、ぼくは東京重視が正解と言いたいのではありません。ぼくのスタンスはこうです。ぼくは東京出身で東京在住なのでそういう立場で政治を語る。むろん地方出身で地方在住のひとはその立場で語る。それが集まって国民の意思ができる。ところがいま東京重視の政党はない。だからぼくは困る。それだけ。
@hazuma 2016/07/04 15:41:14

ほら。明確に、東先生は

  • 東京出身のぼくにとって、地方は<敵>

って言ってるじゃんw 
こいつ、さ。なんで、福島の原発に関わろうとしたかっていうと、ようするに

  • 地方に金をばらまかせない

ようにするために、「東京出身の立場として、福島への政策に意見を言うため」なんだよね。福島へのお金は

  • 無駄

なんだってさ。こいつこそ、間違いなく「敵」じゃねーか。いつまでも、他人をだませると思っているなよ。
まあ、ちょっと話が脇道にそれちゃったけど、うーん。
私が今ここで書いたような、ある種の「日本的な倫理」というのは、いわゆる、日本の

  • 不良文化

にはあった感覚なんじゃないのかな、と思っている。
そして、今さらではあるけど、あらためて、その大衆的な反映を、椎名林檎を通して考えてみたい。

"一度栄し者でも必ずや衰えゆく"
その意味を知る時を迎え足を踏み入れたは歓楽街
椎名林檎「歌舞伎町の女王」)

女に成ったあたしが売るのは自分だけで
同情を欲した時に全てを失うだろう
椎名林檎「歌舞伎町の女王」)

この、あまりにも有名なフレーズだけど、まあ、これが日本的な「不良文化」が描いてきた

  • 日本の倫理

なわけ。つまり、明確な

  • 同情を欲することの<否定>

なんだよ。対して、リチャード・ローティであり、彼を礼賛し信仰する、東先生の言う

  • リベラル

は、

  • 大衆は「同情を欲している」から、同情<してやる>

って言ってるわけ。わかる? 地方は敵だ、とか言っている奴が、ぬけぬけと、こんなことを言ってるわけ。東大に入ると、こんなことも恥ずかしくなく言えるんだってさ。
ただ、彼女の曲は、デビュー当時から、こういったメッセージの明確なものって、ほとんどなくて、あとは、ひたすら「言葉遊び」のような、なんだか、意味の分からないフレーズの羅列が続くんだよね。
これって、なんなのかな、とか思っていたけど、最近いろいろと振り返ってみて、なんとなく、どういった感覚なのかなって分かってきたようにも思うんですよね。

お前はきっとナイフを
使う僕に恐怖を覚える
椎名林檎「メロウ」)

イカれた事情其れも真実なり
椎名林檎「はいはい」)

つまり、彼女にとっては、「歌舞伎町の女王」が描いたようなこの日本社会に生きる自分たちが、一般的に言われているような「道徳」的な「良さ」をもう、そのままで生きることはできないわけ。つまり、こういった感覚は、パンク・ロックなんかにも通じる

  • 狂気

がこの日本社会を通底している。つまり、そういった「危なさ」を内面に宿していないような、底辺層の若者の「感覚」っていうのは、ありえないっていう

  • 倫理

なんだと思うわけです。そこにおいては、言葉は限りなく、「言葉遊び」と変わらなくなっていく。なぜなら、そうあること以外には自らの

  • 倫理

を保てないから。

間も無く其の日がやって来る予定
...もうすぐ
椎名林檎光合成」)

ところで、ここで言う「其の日」とは、なんなのだろう? 彼女はそれでも、なにかの「日」が到来することに、この世界への一縷の希望を託しているのだろうか?