ブースター接種は必要か?

この、新型コロナのワクチン接種であるが、世界的に見ると、イスラエルアメリカも、なかなか7割を超えないんですね。特に、イスラエルが、2回目の接種が、6割で、なかなか行われない(一回目は8割近いのに)。こういったところに、お国柄がでるんだなあ、と思うわけだ。
そうやって考えると、日本のワクチン接種は、それなりのスピードで進んできているし、この前の渋谷での騒動にも見られたように、若者の接種意欲も高いわけで、なかなか、興味深く見ている。
昨日の東京都のモニタリング会議で、宮坂先生がプレゼンをしている。

宮坂:今よく、抗体が下がってることを、どんどん言われるんですけど、我々は抗体以外にもコロナに対する免疫を発揮する仕組みがありますよね。いわゆる、細胞免疫です。それは今回、測っていません。ですから、抗体が下がっていることは少し心配なデータではあるものの、細胞免疫というものは、ずっと何ヶ月も残り続けますので、私はおそらく、抗体が下がっている人でも、コロナに対する免疫はかなり強く維持されているんではないかと考えています。そういうことを考えると、3回目接種を行うのも一つのアイデアですけれども、そのために3回目の必要な人たちを同定する。それよりも私が重要だと思うのは、未接種者をできるだけ少なくすること、特に、2回目接種者をできるだけ多くすることができれば、ウイルスを飛ばす人の数が減るわけですから、ブレークスルー感染も当然、起こりにくくなると思います。
第62回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議(令和3年9月9日13時00分~) - YouTube

まあ、前から言ってきたわけだけど、人によって、ワクチンを接種しても、抗体が上がらない人がいることは分かっているわけだよね。だけど、

  • 検査

をやっていない。なんでやらないんだろ? 謎だよね。
まあ、全員を検査しないにしても、検査をすれば、「どういう人が抗体が上がりにくいか」が分かると思うわけで、少なくとも、そういう人については検査をして、3回目をやるかを判断したらいいんじゃないんですかね。
巷では、一律の3回目接種が叫ばれて、どんどん抗体が下がっている、なんていう情報がマスコミを通じて流されているけど、もともと、デルタ株の登場で、液性免疫については、あまり期待できないんじゃないか、という話になったんじゃないかと思うんですけどね。むしろ、

  • 細胞性免疫

の方が重要だ、と。そう考えると、今の段階で、こっちの効果が落ちているという話が出てきているわけじゃないので、そう考えると、上記で宮坂先生も言っているように、

  • できるだけ早く、ワクチン接種の希望者に対して「2回目の接種」を行う

ことを目指すことの方が、優先度は高いように思うんですけどね。
いや。ワクチンを作っている会社は、できるだけ売りたいから、3回目を早く早くと進めてくるでしょうけど。私たちは、もう少し冷静に、統計情報を精査して、賢い判断をする必要があるんじゃないですかね...。

追記:
なんていうかな。こういう議論を常に、混乱させている勢力が、「早く日常に戻せ」派なんですよね。以前の、マスクなし、ソーシャル・ディスタンスなしに戻れば、以前の通りに日常を始められるんだ、っていう。そして、そうした場合に、「一切の感染防御を止める」ということを目的にして、それに見当った「ワクチンの性能」を勝手に期待してるわけだよね。
いや、たとえそうじゃなくても、その中間で、少しずつ経済活動を復活させられるんじゃないのか、という話をしているわけで、こういった「反<新型コロナ規制>派」の連中が、これまでの各分野の方々の涙ぐましい努力を無駄にするんだよね...。