ブレインフォグ

新型コロナについては、オミクロンの急拡大により、EUで、「インフルエンザ並み」の扱いにしよう、という勢力が現れ、専門家からの反論を受けている、という状況です。
そして、日本でも、大阪と東京の知事が、2類から5類へ下げる案を提案しています。
どちらにおいても、感染の急拡大が、それまでの公衆衛生の対策のキャパの限界に来ている、という認識から、つまりは

  • 敗北宣言

として出されている、という側面があると思います。というのは、問題は「インフルエンザ並み」の対応にする、という判断は、この病気が「インフルエンザ並みの病毒しかなくなった」から、という意味ではなく、たんに

  • 行政としての対応が、それくらいしかやれない

という意味で、「コロナに負けたから」といった主張であるところが、批判の大きい部分だと思います。
ひとまず、EUについてはいいでしょう(最近も、EUは原子力をクリーンエネルギーとして推進するとかのたまって、ドイツの専門家から批判されていましたがw、その程度のリテラシーの連中の集まりでしかありません)。
日本の場合、以前から言われているように、2類から5類への変更は本質的ではありません。そうじゃなく、

  • 特措法

における「新感染症」に指定して、対策をすればよかったんじゃないか、というのは以下でも主張されています。

感染症法」は既知の感染症への対処を目的としており、厚労省がその責任担当部局となる。これに対して、今回の新型コロナウイルス感染症を2020年1月の段階で特措法に基づく「新感染症」に指定しておけば、即座に省庁横断のオール日本体制で事に当たれたはずである。
(岡田晴恵・田代眞人「感染症対策の大原則からみる新型コロナ対応」)

結局これで、厚労省

  • 囲い込まれた

ことによって、完全に厚労省という、ろくに科学の最前線も知らない連中に、関東軍よろしく、「つっぱしられた」から、今回のぐだぐだが始まっているわけでしょう。
もしも上記にあるように、特措法でやっていたら、まず今回の対応の中心は

になっていたでしょう。というのは、さまざまな保証などの関係で、財務省が財源的な裏打ちを中心になってやらなければ、絶対に成功しませんでした。そして、日本の最先端の科学者を、厚労省を飛ばして、官邸のトップにもってこなければなりませんでした。もしも厚労省が間に入ると、必ず、奴等の「利益誘導」の道具に使われるわけです。
そして、2類か5類かの話ですが、そもそも今だって、2類と完全に一致してやってません。臨機応変にやっています。つまり、話は「5類にしろ」じゃないんですw 身近な医療機関で、新型コロナの診察をやれるようにするかどうか、が問われているのですから、それだったら別に、5類にしなくてもできるわけです。
さらに、日本の話ですが、オミクロンがすごくて、確かに感染者はどんどん増えていますが、ただ、ここ直近では、以下に東洋経済のサイトを見ても、実行再生産数は減ってきています(一時は、5を超えてたって、なんなんですかねw)。

toyokeizai.net

これは、おそらくは、クリスマスと年末の、人の移動の多い時期を超えたことと、感染の拡大の情報を聞いて、人々が警戒をするようになったことも関係しているのでしょう。
ところで、最近、インドの状況を伝える、以下のような記事がありました。

一方、医師でニューデリーの医療評議会のアルン・グプタ会長は14日、NHKの取材に対し、今月9日から12日までの4日間に新型コロナウイルスによる感染症で亡くなった97人のうち70人は、ワクチンを接種していなかった人で、ワクチンを1回接種して亡くなったのは19人、2回接種して亡くなったのは8人だったとする分析結果を明らかにしました。
グプタ会長は、「この結果はワクチンに重症化を防ぐ効果が期待できることを示している。亡くなる人は高齢者と基礎疾患がある人に多い。また、オミクロン株の患者はデルタ株に比べて入院期間が短い印象だ」と話しています。
www3.nhk.or.jp

これを見ると、たとえオミクロンでも、ワクチンの重症化率・致死率に対する効果は、かなり高い、と考えられるのではないでしょうか。
あと、最近、目にした非常に重要なニュースとして、世田谷区の新型コロナの後遺症の調査が話題になっていました。

新型コロナウイルスに感染したが無症状だった場合でも、約3割に後遺症が出ることが東京都世田谷区の調査で分かった。長期化の傾向も顕著で、後遺症が出た人の約4%が1年後も苦しんでいた。今夏の「第5波」は過去最大の流行となったが、感染中は発症していなくても、一定の割合で後から症状が出る恐れがある。
www-jiji-com.cdn.ampproject.org

この記事を読むだけでも、かなり、新型コロナの後遺症の全貌が見えてくると思います。
気をつけてほしいのは、京大の宮沢とかが言っていることは、あくまで彼の「仮説」であって、つまりは、彼の「願望」なんですね。なんの、データの実証もないわけです。あいつがどんなに、新型コロナの後遺症をバカにしても、それで苦しむのは、後遺症になった人ですからね。宮沢自身じゃないわけ。ほんと、ああいう奴のデマに踊らされたら、一生、後悔するから。
上記の引用にある内容を、深刻だと考えるかどうかは人によるのかもしれないけど、少なくとも、

  • 無症状が、後遺症がない、ということを、まったく意味しない

ということは分かると思う。やはり、感染することが危ないし、しかも、より、暴露の量が多いというのが危ない、ということですね。
また、ここのところ、以下の記事にあるような、「ブレインフォグ」が言われるようになってきている。

日常生活にも大きな影響を与えることもある、“ブレインフォグ“とはどのようなものなのでしょうか。
岐阜大学神経内科の下畑亨良教授によると、「脳に霧がかかったような」状態。認知機能障害の一種だといいます。
コロナの影響で、脳でも炎症が起こり、アルツハイマー病に似た変化を脳細胞にもたらしている可能性があり、主な症状は、記憶障害や知的明晰さの欠如、注意力不足、精神的疲労、不安など日常生活にも影響を与える症状がみられるということです。
www.fnn.jp

結局、新型コロナは、初期から中心的に問題にされてきたのは、肺炎だったわけだけど、実際には、サイトカインストームなど、免疫系の疾患が常に起きていた。それで、よく知らない人は、オミクロンは、あまり肺炎を起こさないから危険じゃない、インフルエンザ並みなんだろう、とか言っているわけだけど、少なくとも、

  • それ以外

については、まだよく分かっていないんですね。というのは、同じ新型コロナなんだから、おそらく、多くの症状においては、同じ問題が起きると考えるのが普通なわけです。
新型コロナは、まず、血管の病気です。血管で、炎症が起きます。しかし、血管とは全身にはりめぐらされているわけでw、つまり、全身に、なんらかの症状を起こすことが考えられるわけです。その一つに

があります。おそらく、頭痛に始まり、記憶障害から、知能障害まで、さまざまな脳神経の破壊が起きるのでしょう。そして、この脳への影響については、さまざまに今、「long covid」として、つまり、後遺症として話が上がり始めていますが、どれくらいの影響なのかは、まだ分かっていません。いずれにしろ、上記の世田谷区のような調査結果の報道が増えていくことが待たれるわけです...。