感染初期から「イキって」いた集団免疫論者たち

新型コロナの東洋経済での統計では、1月29日時点で全国の実行再生産数が1・49、東京都の実行再生産数が1・6。

toyokeizai.net

とにかく、早く1より小さくすれば、「感染者が減る」わけで、少しでも早く、それを目指す、ということになるだろう。
海外を含めて、オミクロンは「弱毒」だ、といった言説が特に

  • 安全厨

によって、宣伝されている。しかし、こういった主張は実体を反映していない。

――年明けからオミクロン株による「第6波」が首都圏にもかつてない規模で押し寄せています。
2週間前の入院患者は20~40代ばかりでしたが、どんどん高齢化、重症化しています。
今の入院は60代や70代、なかには100歳代の方もいます。
オミクロン株は、ぜんぜん弱毒ではありません。
ワクチンを打っていなかったり、接種から時間が経ったりした高齢者に、強烈な肺炎を起こしています。
「オミクロンは重症化しない」なんて誰が言っているのか、と思います。
www.asahi.com

そもそも、こういった

  • 安全厨

が何を目的にして、こういったイデオロギー活動をしているのかを、深く考えた方がいいと思います。彼らは、新型コロナが流行した初期から、スウェーデンを規範として、「集団免疫」を主張し続けてきました。彼らは、

  • ウイルスによる「人間の進化」

を主張し続けました。その日本での代表例が、長崎大の山本太郎教授だろう。彼は、「新型コロナウイルスと日本人の共生」を、「新型コロナの弱毒化の必然性」を理由に主張し続けてきて、今の政府のイデオローグとして採用されています。しかし、新型コロナを「日本人に感染させる」ことによる「集団免疫」という主張は

  • それによる「日本人の大量死」

を伴う形で進むことを前提としています。大量に死ぬから、「生き残った日本人」が新型コロナに対する耐性をもった割合が多くなることを理由にして、それを

  • 日本人の「人種としての優越性への発展」

として、礼賛したわけだ。つまり、

  • 集団虐殺

による「人類の浄化による進化」という考えの、吐き気をもよおさせる胸糞悪さこそが、彼ら「集団免疫論者の本質」なわけだ。
なんのことはない。オミクロンも以前からの新型コロナと変わらない。違ったように思われたのは、

  • 南アフリカのように、そもそも高齢者の少ない地域では、被害が少なくなる傾向があるが、日本のような世界最大の高齢化国家では、それはあてはまらない

ということであって、変わったのは、

  • 一方で、多くの人が、ワクチンを打ったことで、細胞性免疫が活発に働くことによって、重症化しにくくなっている
  • 他方で、ワクチンを打った人々の一定の割合の「陽キャ」たちが、ワクチンを打ったがゆえに、よりアクティブに活動をするようになったがゆえに、感染が広がりやすくなっている

という変化にすぎない、ということになるわけで、その必然的な結果として、

  • ワクチンを打っていない、基礎疾患のある、高齢者の多くが、デルタと同じように「肺炎」の症状を示している

という、単純な結果になっている、というわけだ。
以前にも注意したように、欧米が比較的に感染対策を緩和しているのは

  • ブースターショット

つまり、三回目の接種が、国民の大半に行き渡っている、という端的な現実がある。つまり、「その上」での今の統計的な状況の分析から、緩和策を採用しているのであって、3回目が全然進んでいない日本が、欧米のそういった国々の真似ができるかについては

という、つまり、「非科学的だ」という結論になるしかないわけで、つまり比較ができないわけだ。
そう考えるなら、なるべく早く、3回目を急ぐというのは、合理的な選択だ、ということになるわけだが、これを、さまざまな形で

  • 邪魔

をしているのが、小林よしのりであり、京大の宮沢だ。彼らは、世間に向かって「絶対にワクチンを打たないでください」と科学者の名を使って、政府に楯突く形で、政府の政策の「邪魔」をしている。彼らにしてみれば、少しでも多くの人が、彼らの「脅し」によって、ワクチンを打たない選択をすれば

  • 成功

だと思っているのだろう。これはもう、「政府」とのガチンコの勝負になってきている、と言っていいだろう。
しかし、上記でも言及したように、国民のほとんどの人にとって、ワクチンを接種することには「合理性」があるわけで、そのことは以下の記事からも分かる。

長崎大学などの研究チームは26日、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に対するワクチンの効果を国内のデータで分析した暫定結果を発表した。オミクロン型の流行が広がった期間において、米ファイザー製か米モデルナ製の2回接種の発症予防効果は51.7%で、デルタ型流行期での88.7%より低下していた。オミクロン型へのワクチン効果に関する国内データは初めてだという。
www.nikkei.com

ようするに、このワクチンにしても、たとえデルタと比べて効果は減っているといっても、発症予防に対してでも、一定の効果があるわけである(巷では、オミクロンに対しては、現行のワクチンには、感染予防の効果はない、といった言説が、まことしやかに語られているわけだがw)。
結局さ。

  • 一部の安全厨の人たちは、ワクチンさえ打てば、以前の生活に戻れる、と考えたわけね。そのため、ワクチンを打ったんだから、マスクを金輪際したくない、と考えたわけ。そして、ノーマスクデモのような「テロリズム」を始めたわけ。

つまり、そこにはワクチンが、ある種の「天啓」のような扱いとして考えられた側面があったわけね。ワクチンさえあれば

  • 全てが解決する

みたいな。しかし、この信仰は裏切られた。もちろん、そう勝手に思い込んでいた人が勝手に裏切られた、と怒っているだけなわけだが。
そうじゃなく、たとえワクチンが普及しても、三密の回避や、ソーシャルディスタンスや、マスクは必要だし、リスク回避としては「合理的」なんだ、ということが年月が経てば経つほど、より

  • 証明されてきた

という方が正しいわけで、ますます、感染初期の頃から、「勘違い」して、イキっていた「安全厨」であり「集団免疫論者」たちが、その彼ら自身の主張が

  • トンデモ理論

として、誰からも相手にされなくなっている、ということを意味しているだけになっているわけだ...。