プーチンの言う「ウクライナの非ナチ化」をどう考えるか?

今回のウクライナ戦争を見ていて、私が最初に思ったのは、

  • 国連

のことだった。つまり、ロシアは常任理事国なのだから、否決権をもっているわけで、国連安保理で、すべての提案が採択されない、ということになる。
私には、国連がこの矛盾に今まで、まともに取り組んでこなかったことのしっぺがえしをくらうことになるのだろう、と思ったわけである。
国連は、常任理事国の5カ国を

  • 例外

とする組織である。よって、当然だが、この5カ国の「いずれか」が、侵略戦争を行ったとき、それに「対応できない」組織になっている。であるなら、今回のウクライナ戦争に、まともに対応できなかったとしても、当然の報いを受けている、というふうにしか思えない。
もちろん、ロシア側は自分たちなりの理屈を主張している。これが侵略戦争でない、ということでは、ドンバス地域の二つの独立国を直前で「承認」することによる、「集団的自衛権」を使うという、かなりアクロバティックな方法となっているわけで、かなり苦しいわけだ。
また、プーチンは、その演説の中で、「ウクライナを非ナチ化する」と主張している。
しかしこれも、たとえ、ドンバス地域の問題があろうと、ナチ化があろうと、国連憲章で、武力による問題解決を否定している限り、今回のロシアの行為は、国連のルールということでは、正当化できない。
しかし、先ほどから言っているように、たとえそうであっても、常任理事国の拒否権によって、否決されてしまうわけで、もう少し、この事実を重く考えた方がいいと思うわけだ。
ところで、上記の「非ナチ化」の話題について、5ちゃんねるの嫌儲で、以下のニュースが話題になっていた。

www.opindia.com

(あまり聞かない報道機関だが、なんだろう。ウィキペディアを見ると、右翼系ニュースポータルとか、リベラルメディアの批判とかありますね。)
ようするに、NATO公式のツイッターアカウントが、国際女性の日にちなんで、ウクライナの女性の写真を4枚ツイートしたら、その一枚の軍服を着ている女性の胸の辺りに、ブラックサンのマークがあった、と。
つまり、それはナチのマークとして知られているわけで、NATO公式もさすがにまずいと思ったのか、ツイートを削除した、と(なんにも言わないで削除して知らんふりしている、ってのも、どうかと思うんだけどね)。

ja.wikipedia.org

この話を聞いて、なんか変だなと思うと思いますが、ようするに、ここのところ何度も話題になっている、

  • アゾフ連隊

の問題なんですね。

右翼団体武装化しながらある時点から公的な立場を得て、いろいろダーティなヤバい作業を請け負っている感じ。大きな特徴としてZDFの報道映像にもあるように、ナチのシンボル意匠を多用している点が挙げられます。ヘルメットなど個人装備にハーケンクロイツや「SS」ルーン文字が描かれてましたけど、正式エンブレム(Wikipedia「アゾフ大隊」項参照。注*日本語Wikipediaは「アゾフ大隊」表記だが、現状は、大隊から連隊に拡大)にもヴォルフスアンゲル(ナチス武装親衛隊「ダス・ライヒ装甲師団がマークとして使用した「狼の罠」を意味するルーン文字)とシュヴァルツェ・ゾンネ(ナチス親衛隊長官ハインリヒ・ヒムラーがオカルト趣味で整備したヴェーヴェルスブルク城のホール床に描かれた「暗黒太陽」を意味するルーン文字)が盛られていたりします。そんなわけで明らかにヤバ系な存在であり、あちこちの公安組織から危険団体認定されているのですが、一方でイスラエル国籍のユダヤ人企業家から支援を受けているとか、いろいろと裏社会ジャーニーめいた背景もあるようです。
news.yahoo.co.jp

もともと、ウクライナの自警団というか、武装した右翼団体で、親ナチを標榜していた組織だったわけだが、現政権がその武装組織を

  • 正規軍化

した、わけなんだね。日本でいえば、ヤクザが正規軍になった、みたいな話で、かなりやばいんだけど、そういった過程で、現政権は、アゾフ連隊の国内での暴走を

  • 黙認

してきたところもあって、あまりふれられたくないところ、ということなのだろう...。