戦争前のウクライナの「ロシア系住民」はどういう扱いを受けていたのか?

昨日のゼレンスキーによる日本の国会での演説は、リアルタイムで聞いた印象は、そこまで日本に好戦的になれ、と催促するものではなかった、という印象だ(ただ、いろいろと原発への攻撃やサリンの話題をはさむことで、日本国民の「琴線に触れる」ような話題を選んでいた、という印象はある)。
まあ、このことを普通に考えると、とりあずの「停戦」についての話し合いがめどがついてきているか、逆に、欧米からの戦力の援助がめどがついてきているかのどちらかにより、

  • 終戦が見通せるようになってきた

ことによる、心の余裕を現していたのかもしれない。いずれにしろ、戦争が終われば、「復興」に着手していかなければならない。そうした場合、もはや、ロシアにそれを頼ることはできないのだから、欧米であり、アジアでは日本が先頭になって、経済的な支援をお願いする形になる、と期待しているのだろう。
あと、比較的に文化的な話が多かった印象がある。もちろん、彼自身がコメディアンなわけで、そういった方面にこそ造詣が深いのだろうし、ほとんど経済的なアッピールできるものの少なく、貧しい国であることを理解しているわけだから、日本がある程度、文化的な世界的な成功を達成していることに注目するのは理解できなくはない。
私は今の「熱狂」が収まった後に、もう一度、この戦争が始まる前に何が起きていたのかを振り返る時期が来ると思っている。そういう意味で、そもそも、ウクライナ内での「ロシア系住民」がどういった状態に置かれていたのかを避けて通ることはできないと思っている。

ロシアの主張を裏付けることは難しい。ジェノサイドが事実ならば、ウクライナ東部での死者は急増しているはずだが、国連人権高等弁務官事務所によるとウクライナ東部紛争に関連した民間人の死者は21年に25人。紛争が始まった14年(2084人)から年々減少傾向にある。ウクライナは集団殺害を否定し、国際司法裁判所に提訴した
www.nikkei.com

ロシアの主張する、ウクライナ内の「ロシア系住民」に対する「ジェノサイド」が、この

  • 言葉

がどこまで大袈裟かどうかはあるとしても、具体的に「それ」がどういったものだったのは、公平に見ないと本質を見逃がすことになる。

続き20 オレンジ革命以降、登場してきた親欧米政権は、親欧米と言いつつ、実態は反ロシアだった。手始めにロシア語話者から言葉を奪う文化的民族浄化をはじめ、その次には年金の支給も打ち切り、さらにネオナチのウクライナ民族主義者による暴力と虐殺、そして国軍による攻撃へと続いた。
@iwakamiyasumi 2022/03/23 23:44

ジャーナリストの岩上安身さんは、IWJで基本的にロシア寄りの報道をしているんだと思うけど、それにしても、具体的にウクライナ内での「ロシア系住民」がどういう扱いを受けていたのかについては、フェアに見ないと、どうしようもないんじゃないかと思っている。
言ってみれば、クリミアでありドンバス地方は、自治権を主張した「独立」を主張していて、それにウクライナ政府は「反対」だったわけだし、今でもそうなわけで、つまりはずっと

  • 対立

していたわけですよね。しかも、大なり小なり、ウクライナ国内での「ロシア語」の使用に制限を加えてきていた。こうなると、クリミアやドンバス地方だけの問題じゃなく、ウクライナ国内のすべての「ロシア系住民」に影響のでてくる話になるわけでしょう。
あと、再三言われているように、「アゾフ大隊」の問題がある。彼らは、ドンバス地方に潜入して、さまざまな蛮行を行ってきた、という実態がある。そして、その上で、ウクライナ政府は彼らを、ナチスのレーム突撃隊のように、公的な組織として編入した、という関係もある。つまり、そもそもこの「アゾフ大隊」の行動を、ウクライナ政府が制御できているのか、ドンバス地方などでの、「ロシア系住民」に対して、日常的にどういった行動を行っているのか、ほとんど制御できていないんじゃないのか、というのが本質的には、今回のロシアの「非ナチ化」の主張の重点が置かれている問題なわけでしょう。
あとは、私はあまり詳しいニュースを見たことがないけど、上記のツイッターの引用では、ウクライナによる「ロシア系住民」に対する年金の差別があった、ということを、岩上さんは示唆していますね...。

追記:
つまり、内戦のような状態だったわけですよね。実際、食料などをロシアの方が輸送していたという話もある。ということは、逆に言えば、ウクライナ側からの物資は制限されていたことを意味する。