新潟県埋蔵文化財センター

新潟県に古津というJR東日本無人駅がある。そこを下りて、30分くらい歩くと、新潟県埋蔵文化財センターがある。そこには、新潟県で発掘された、考古学の発掘物が展示されている。
基本的には、旧石器時代から、縄文時代弥生時代古墳時代であり、まあ、それ以降のさまざまなものもあるのだが、大きくは、これら。
そんなものが、なにがおもしろいんだと思うかもしれないが、これがこれで、興味深い。
多くの人は、日本の歴史とは、飛鳥時代なら奈良県平安時代なら京都府。江戸時代なら江戸(東京都)といったように、その中心地のことだと思っている。そして、実際に大宝律令や、墾田永年私財法だったりといったルールが、中心地で作られている。
しかし、そのことは考えてみるとおかしい。というのは、実際にその土地を掘ってみればいい。縄文時l代に、日本列島のさまざまな場所で、人が住んでいた痕跡が見つかる。そして、そうしたとき、そのどこが中心だとかいうのはない。
新潟県というと、なにか辺境の地域で、なにも出てこないんじゃないかと思うかもしれないが、縄文時代の初期から中期の最大の村落が、青森県のにあったことは知られているし、新潟県はヒスイやアスファルトが取れた場所として、特徴がある。そして、土器にしても、縄文初期のものから、縄文後期のものまで、それぞれ見つかっている。また、漆だったり、クリだったりと、当時の村落形態として典型的に指摘されているものは、一通り見られたことからも、かなりの割合で、日本中でさまざまな人の交流があり、文化も伝わっていたんだと思う。
こういった博物館では、飾るものの数に限界があるから、どうしても、その中でも飛びきりに、よくできた一品であり、その時代を象徴するものが選ばれ、並べられているわけだけど、そういうものはそういうもので、一回くらいは、ひととおり見ておいた方がいいんじゃないかな、と思った...。