ミンスク合意を「時間稼ぎ」と無視したアメリカ

ウクライナ戦争が始まって少しして、ドイツのメルケル元首相が

と言った、この発言はなぜか「誤解」されている。つまり、なぜか大マスコミでは、

  • ドイツやフランスが、「時間稼ぎ」のために、このミンスク合意を作った

という意味に理解されている。いや、そうじゃない。ポイントはそこじゃなくて、

  • その後のこの「合意」は、アメリカ、イギリスも含めて、国連で「賛成」されたことによって「条約」となった

というところにポイントがある。

「2014年/2015年のミンスク合意は、ウクライナに(戦争準備の)時間を与える試みでした」ー。2022年末にアンガラ・メルケル前独首相が独紙Die Zeitに漏らした発言は、ともすれば「当初からロシアを騙すつもりだった」との趣旨で受け取られがちだ。誤解である。独仏両政府はぎりぎりまでロシアとEUとの話し合いを促した。メルケル発言は米ネオコンの謀略をオブラートに包んで暴露したものだ。メルケルは口にしなかったが、時間稼ぎに最も貢献したのは国連安保理ミンスク合意が決議されたことだ。ロシアの要求を入れ、ウクライナ東部のロシア系住民居住地域に住民投票を通じて高度な自治権を付与するとしたミンスク合意に常任理事国米英が安保理で賛同した。米国が背後で支援して、2014年ウクライナ・クーデターで樹立したポロシエンコ親米政権が拒絶する東部ウクライナの事実上の独立につながるこの合意に当時のオバマ米政権はなぜ”賛同”したのか。それは安保理決議の履行を最大限遅延させてウクライナ戦争を準備し、「履行期限の定められていない決議が履行されることはない」とロシアを追い込み、戦争へと踏み切らせる罠であった。米政権は法的拘束力のある安保理決議をもてあそび、国連をさらに形骸化させた。
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アメリカとイギリスは、確かに、この合意の当事者として参加していない。しかし、たとえ参加していなくても、

  • 国連での「承認」決議には、参加して「賛成」している

わけであるw つまり、「賛成」しているのだ! しかし、「賛成」していながら、アメリカとイギリスは、まったくこの、ミンスク合意に従わなかった。
ようするに、

  • 国連軽視

なのだ! こういった情況が何年も続いていたのにも関わらず、アメリカは、ロシアが「堪忍袋の緒が切れて」ウライナに軍事侵攻をしたことを、

  • 国連違反

を理由にして、大規模な経済制裁を、アングロ・サクソンの国々と共同で行った。

東部ウクライナの紛争を監視するOSCEチームは、「2022年2 月 18 日~21 日までのウクライナ東部における(ミンスク2の停戦合意に基づく)停戦違反は2,000件以上あった。現場では 2 月 16 日にロシア軍が「演習を終えた」と発表し撤収を始めた後から激しい戦闘がたくさん始まった。現場の情報によれば、あたかもロシア軍に帰還させないために、わざと治安を乱して暴れていたと受け取れる」とレポートしている。
開戦 5 日前の 2 月 19 日、ミュンヘン安全保障会議で、ゼレンスキー大統領はウクライナ核兵器不保持政策を『転換するかもしれない』と発言。『NATOに加盟しウクライナNATOが守ってくれるようにならないのなら核兵器を持つ』とまで明言した。
また現地に滞在していた日本人監視グループは「プーチン率いるロシアを何とか戦争に引き込もうという、アメリカ、イギリス、およびウクライナ側のすさまじい挑発行為があった。2014 年のいわゆるマイダン革命という、アメリカの支援を受けた暴力革命以降、ウクライナ国内でロシア系住民がネオナチ系の民族派の過激派によって、酷く虐待され殺害されてきたのが一切公にされていない。」と語っていた。
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プーチンウクライナ国内に軍事侵攻をしたのは

  • 当り前

だ。なぜなら、<それだけ>のことを、アメリカ、イギリス、ウクライナウクライナ国内でやっていたからだ。それを上記の引用では、

  • 挑発

と書いている。ようするに、それまでずっと

  • 内戦

だった。ウクライナ国内は、ウクライナ国民の中に大半を占める「ロシア人」に、さまざまな

  • いじめ

を行っていた。それを「国家ぐるみ」でやっていた。アメリカ、イギリス、ウクライナは共同で、

  • <これ>をすることによって、ロシアを怒らせて、軍事侵攻に踏み切らせる

という「目的」をもって、そういった「犯罪行為」を何度も何度も何度も繰り返していた。
あのさ。
こんなことを行わせていて、こんな状態をずっと放置していて、なんでロシア国民が、プーチンに「なんとかしろ」と言わないでおかせることができると思ってるの?
お前が、中国政府に、毎年、日本人観光客が一人ずつ、血祭りにあげられていたら、怒るだろ? なんでそれと同じだって気付かないの?
どっちが、「人としてあるべき姿」だよ。どっちが、はるか太古の昔から「徳=ヴァーチュ」として価値あるものとされてきた、人間の立派に生きる姿だよ。
今、イギリスは劣化ウラン弾ウクライナにプレゼントすると言って、アメリカはクラスター爆弾をプレゼントするんだってさ。それ、

  • 国連違反

じゃねーの? 「ロシアが国連違反をしたから反ロシア」と言っていたのに今では、「反ロシアだから国連違反をする」に変わったんだってさw
日本の大マスコミは、「だって、ロシアが劣化ウラン弾クラスター爆弾も先に使ってるんだから、しょうがない」の大合唱だけど、シーモア・ハーシュに言わせると、「なんの証拠もないデマ」だそうだw
しかも、さ。ウクライナがそういった「殺人兵器」をどこで使うか分かってる? 全部、

  • ウライナ国内のロシア人が「住んでいる」地域

だよw つまり、ウクライナは「内戦」の「勝利」しか、ずっと考えていない。ウクライナ政府は、なんとかして、

の。それしか考えていないの。ずっとそう。2014年のマイダン革命から、それしかやってないの。だから、彼らが言っていることと、実際やってることは違うの。なんで、それに気付かないんだろうね。
そもそも、ウクライナによる、ロシアに対する「大反撃」はどうなったの? ウクライナ側の戦車が何台も何台も、ロシアが作った塹壕に突入して、動けなくなっている画像ばっかり、ネットにあがってるけど。
もう、ウクライナに戦える兵士がいないんだろ? だって、ゼレンスキーが徴兵して、何ヶ月もろくな訓練もやらないで、前線に送り込んで、みんな死んだか、大怪我で動けなくなったか。
もう、いないんだろ? だから、そういった

  • 非人道兵器

をばらまくしか、もう、やれることがなくなった。というか、ゼレンスキーは以前から、NATOは「先制攻撃」をすべき、みたいなことを繰り返し言っているんだけど(つい最近も動画でアップされてたw)、それ、どう見ても、「NATOは核の先制攻撃をやれ」って言っているようにしか聞こえないんだよねw だって、前振りで、延々とロシアの核の話をした後の、「先制攻撃」云々なわけで。まあ、どっちでもいいんだけど、ゼレンスキーに言わせれば、NATOがロシアに「先制攻撃」をやれ。アメリカもイギリスもドイツもフランスも、はやく、ロシアに「先制攻撃」をやれ。もう、明確に、ずっとそう言ってるのね。
つまり、もう分かっているの。ゼレンスキーは。ウクライナはもう戦えない。これから、ロシアと戦うべきなのは、NATOだ、って。はやく、NATOがロシアをやっつけてくれ、って。
でもね。誰もそれに同意しない。
だって、そのことが、

  • ロシアによるNATOに向けての「同時」核攻撃

と同値であることが分かっているから。つまり、ゼレンスキーは「NATOが絶対に譲歩しないこと」を理由にして、今まで戦争を続けてきたってわけ。
そして、ゼレンスキーは毎日のように、「NATOは一日も早くロシアに<先制攻撃>をやれ」を繰り返し繰り返し言い続けるだろう。もう、オウムのように毎日、ヒステリックに繰り返す。もう、それしか言わなくなる。ゼレンスキーは誰と会ってもそれしか言わなくなる。まあ、もともと、ゼレンスキーがNATOに入りたいのも、それが目的だからな。NATONATO国内のどの国が攻められても、

は、その「戦争」に参加することが義務だって、NATOの法律に書いてあるからね。だから、ゼレンスキーはNATOに入りたい。入りさえすれば、ゼレンスキーは、自国の国民以外の

を「徴兵」によって、ロシアとの前線に送り込むことができる。つまり、

を、「自分の兵隊」として、使えるようになる。もっと言えば、

の全ての財産を、ゼレンスキーがロシアと戦うための「戦費」として「徴収」することができるようになるw
だから、ゼレンスキーはずっと、動画の中で「怒っている」ことになる。ずっと、プンスカプンスカ言っている。そしてこの「怒ったゼレンスキー」を日本の大マスコミは、連日、テレビの大画面で繰り返し繰り返し流し続ける。まあ、テレビを見るということが、この「醜い姿」を見させられる「苦行」と同値の行為となる、というわけだw
まあ、いずれにしろ、こう考えると、おそらく「今後」は、ロシアとウクライナの「交渉」が話題の中心になってこざるをえない。しかし、ゼレンスキーはそれが絶対にできない。だから、この交渉は、そもそものその開始時期を含めて、

  • 長期化

して、

  • ずっと戦争が負わらない

という可能性が高いだろう。
もしもそうでないとするなら、

  • 上記にあったような「劣化ウラン弾クラスター爆弾」のような非人道的な方法でロシア人に、甚大な被害を与えることがエスカレートすることなどによって、親欧米側が「悪魔の手段」を使ってでも「絶対悪」のロシアを消滅させるための、ロシア国内の「政変」を狙う動きの激化(=という、親欧米側の「悪魔化」、のエスカレート)が極限まで進む

か、これとは逆に

  • ウクライナの「政変」によって、違う政権がロシアとの停戦を選ぶか

の、どちらかによってしかないだろう...。

追記:
あのさ。そもそも、ロシアの軍事侵攻がある前から、ウクライナアメリカもイギリスも、「ミンスク合意に従わない」と、ミンスク合意の「破棄」を宣言している。そもそも、ミンスク合意には、ドネツク・ルガンツクの「自治権」を最大限に尊重する、と書いてある。これを、

  • 破った

のは、ウクライナなわけである。ウクライナアメリカ、イギリスが先に、「ミンスク合意に従わない」とロシアに宣告して、上記の「内戦」を続けていたの。これに対して、プーチンは「こんな情況で、どうやって彼らの言うことを信頼すればいいのか」と語っているが、なんでこれを日本の「アメリカ礼賛」主義者の知識人は無視するんだろうね。
外交の発言を、「急に情況が変わった」とか言って、反故にしたら、普通誰もそんな国を信頼しないよね。
なんていうかな。今回、ロシアの軍事侵攻で、アメリカがロシアへの経済制裁

全部とつるんで、やったわけね。つまり、「ドル経済からの締め出し」。ロシアのドル建ての国家資産、ロシア国民のドル建ての資産をすべて「差押え」して、全部、自分の懐に入れちゃったの。
あーあ。
そしたら、なにが起きたか。

  • 世界中のそれ以外の国が、「米ドル離れ」を起こした

わけw ようするに、アメリカは「信用できない」の。とにかく、「ドル建て」で資産をもっていちゃいけないの。いつアメリカに、全部パクられるか、まったく、油断ができなくなった。
アメリカは狂っている。
それに一番早く気付いたのが、サウジアラビアだ。そもそも、バイデンがどうやって大統領の座にまで昇りついたかというと、サウジアラビア

  • カショギ氏殺害

の「犯人」を、サウジアラビアの「王子」だと言って、俺は最後までこいつを追い詰めて、王制を滅ぼしてやる、サウジアラビアだけでない。世界中の非民主主義国を、民主主義体制になるまで戦うといきまいたから、国民から支持を得て、大統領になったの。
そして、バイデンは今だに、サウジアラビアの王子の「糾弾」を止めることなく、発言し続けている。もはや、それを言うことが彼の人気の源泉だから、それを言うことを止められないわけw
つまり、典型的な「ポピュリスト」なわけね。世界中の非民主主義国を

  • クーデター

によって、民主主義国に変えてやる。彼はそのためなら、なんだってやる。今回のロシア弾圧だって、それを「理由」にして「正当化」している。
そしたら、さ。
今では、完全に、アメリカとサウジアラビアの関係は冷え込んじゃったわけ。もう、それだけじゃないよ。世界中の非アングロ・サクソン系の国が、アメリカと距離をおいてる。とにかく、国際決済に、米ドルを使わないようにしている。使ったら、どんな「屁理屈」を理由に、今回のロシアと同じような、経済弾圧をやられるか、わからない。
(どうすんだろうね、日本。サウジアラビアからの石油が日本に届かなくなったら、完全に日本は終了する。でも、アメリカは必死になって、サウジアラビアなどの、石油産油国の国内の

  • テロリストたち

に「経済的支援」しているからね。お金や武器をプレゼントしているの。石油運搬ルートである、湾岸部を「爆破」して、石油を世界中に運べないようにすることで、国家転覆をたくらんでいるテロリストたちに経済援助をしているアメリカの「応援団」である日本は、それゆえに、石油ルートの湾岸が「破壊」されて、日本に中東から石油が届かなくなって、

  • 自業自得

で滅びるんですかねw)
そうやって、アメリカは今までも、ずっと、世界中の国々を「転覆」して、自国に「服従」する国家を作ってきた。そうやって、アメリカが作った

  • モンスター

の一つが、イスラム国だったわけ。わかる? アメリカは今、その、ロシアでの「再現」をたくらんでいる。なんとかして、ロシア国内を「混乱」させて「政変」を起こして、ロシア国内にある大量の

  • 資源

を、アメリカの企業で

  • 山分け

したい。しかし、それを表立ってやると、角が立つから、外見(そとむけ)には、

  • ロシアが自壊した

という体裁にもっていって、

  • ロシアの分割

をたくらんでいる。分裂させて、その一個一個の国家の国力を制限して、アメリカというビックバワーに逆らえないようにして、ロシア国内の資源を、「山分け」する。もちろん、その矛先は、ロシアだけじゃない。その後、次々と、サウジアラビアなど、資源国が手ぐすねを引いて、待っている。
もちろん、この「理屈」でいけば、日本の天皇制も、早晩、アメリカによって滅ぼされるだろう...。