一月万冊の説明責任

ユーチューブの動画は、各ユーザはユーチューブという会社から「レコメンド」という形で、いろいろな動画を「推薦」してくる、という動きをしている。それらがどのように選ばれるのかについては、大きくは直前までに見ていた動画の種類から、「お前はおそらく、こういった系統の動画を見たがっているのだろう」と推測されて、選んでくる。まあ、私のような比較的に左翼的な傾向のある人には、そういったものが推薦されてくるわけだが、その中に、一月万冊というサイトがある。
まあ、最近では、安富歩さん、本間龍さんが分かりやすいだろうか。それ以外にも何人かいるが、いずれにしろ、こういった人たちが毎日のように、それなりのボリュームの動画を配信しているわけだが、そのとりあげる内容は、時事ネタだったりが主で、時にそこに、特徴はない。
まあ、私が「左翼系」と言ったわけだが、そういった延長で、上記の二人に興味を以前にもっていたことは別に不思議じゃないわけで、何回か見たことがある。
ただ、だからといって毎回見ているわけじゃない。ときどき、とりあげている内容に関係して、見てみようか、という感じだ。
ただ、以前から多くの人が、この番組に対しては、多くの疑問を発言してきている。
例えば、以下の方は、そもそもこの番組の最後に必ずお願いをされる「お金を振り込んで」という主張が「曖昧」であることを、ずっと批判をされている。

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こういったことは、怖いことなわけで、結局「お金を振り込む」ということは、自分のお金だったものが、相手の口座に入って、相手のお金になるということだが、問題はそれが

  • なんなのか?

が分からないことなのだ。
ある日、いろいろと思うところがあって、お金を振り込んだ。そして、もしかしたら、少しして、なにかが自分の家に郵送で送られてくるかもしれない。そしてそれは、上記の著者の本だったり、他のなにか特別な特典だったりするかもしれない。しかし、よく考えてほしい。ここには、請求書もなにもない。なにもないのだ! なにもないのに、お金の移動だけがある。もしもあなたが、フリーランスで年末調整などをやっているなら、そのお金の減少を、どう説明したらいいんだろう?
上記の方は最近はそこまで、動画を上げていない。ただ、ここのところ連続で、あるジャーナリストの方がこの問題について、ある人を中心に調査をされている。

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この商売の方法はどこか、このブログでよくとりあげさせてもらっている東浩紀先生のゲンロンに似ている。それは、

  • 非常に高額な本や動画や配信

を使って、お金を稼いでいるわけだが、そのお金を稼ぐ相手が「少人数」だ、ということだ。
こういった手法は聞いていると確かに、ビジネス・モデルとして興味深く思われるかもしれない。しかし、考えてみると少し危なっかしいわけだ。なぜなら、その情報は「公共的」な内容であるなら、そもそも、少人数の「お金持ち」だけをニッチに相手にするという時点で、どこか、言っていることとやっていることが矛盾しているからだ。つまり、なにか目指そうとしていること、実際にやっていることの「つじつま」が合っていない印象を受けるわけである。
上記の動画については、以前、この番組のレギュラーであった烏賀陽さんが、ある日急にいなくなって、番組に現れなくなった経緯を烏賀陽さん自身が説明している内容であり、そのトラブルについては、お互いに言い分があるでしょうから、民事なりなんなりで解決するしかないと思うが、それまで、烏賀陽さんの本を出しますと言って、多くのお金を多くの人が彼の銀行口座に振り込んでいたことに対して、番組を含めて、一切の説明責任がパブリックに行われていないことへの違和感が、今でも多くの人たちがもっているわけである...。