アニメ「バンドリMyGO」第10話

とりあえず、第10話はバンドの再結成がテーマだったと言っていいんだと思うね。そして、この展開は早かった。とにかく、まず、最初にバンドの再結成を完成させるんだ、という、制作陣の強い意志が感じられた。
最初に動いたのは、燈だった。そして、その燈の最初の一歩を間接的に後押しした形になっているのが初華だったわけだが、この二人の関係はあくまでも、「知らない人」という一線を引いた形で完結したのが興味深い。
燈は一人で「バンド」を始める。燈には「言いたい」ことがある。それが彼女の「行動力」になっている。燈はバンドをやりたい。燈は、そのことを前提として、

  • 前に進もう

と、ずっとしてきた。興味深いのは、ここで彼女を真っ先に支えたのが、楽奈だった。言うまでもなく、楽奈も、愛音と同様、CRYCHICの重力にとらわれていない、CRYCHICにデタッチメントな存在だ。
こうやって、一人一人がまた、燈の回りに集まってくるとき、もう一つ興味深かったのが、

がそこに介在していたことだろう。睦は、この再開した燈のライブの最初から見ている。そして、最大のネックだった長崎そよの問題へのイントロダクションとして、睦が彼女の分析を行う形になる。
うーん。ここで睦が関係してきたということは、どういうことなのだろう?
そして、最終的かつ最大の問題だった「長崎そよ」を加えての再結成ということでは、そこで一番活躍する形となったのが、愛音だったわけだけど、まあ、この辺りは多少、私の予想通りだったかな、という印象だろうか。愛音が、そよのあの、やたら、高そうな家にお邪魔するという展開にしたのは、まあ、そよの問題の深刻さを考えても、大事だったんじゃないかな。つまり、そよ問題が彼女の「家庭」問題と関係している限り、これは、そんなに簡単に解決するようなものじゃない。そうなんだけど、だからこそ、逆説的に、そよ問題は楽観的に思っていた。そよ問題は簡単に解決しないということは、この作品のテーマでもあると思うけど、

  • なにかの問題の<解決>ではなくて、解決できようとできなかろうと<前に進む>ことの方を大事にする

というのと相性がいいからだ。そよ問題は解決しない。しないからといって、そよがバンドで演奏してはいけない、ということにはならない。
ここまで来て、第10話で、かなり「強引」に

  • 問題

を押し流してしまった。カタルシスはあったけど、結局なんだったんだと、冷静に見直すフェーズがこの後に始まるだろう。つまり、フラグとして残されている問題が、少しずつ解明されていく。その最初の一つとして、おそらく、長崎そよがなぜ、CRYCHICの再結成にこだわっていたのか、が

  • 彼女の口から語られる

形になるのだろう...。

追記(2023/08/19):
少し見返したので、間違いを修正しておくけど、初華は燈を知ってましたね。祥子からCRYCHICの写メで見ていて、祥子の元バンドのメンバーだろうということはなんとなく気付いていた。
あと、睦が燈のライブに来たのは最初じゃなくて、立希ちゃんが最初にライブに参戦するとき。時系列で言うと、睦が学校で長崎そよが無理して楽しそうに話しているのを見かけて、そのライブに睦が見に行って、そのライブの後に、燈と立希が話しているところに睦が現れて、二人に長崎そよをどうするのかと聞く、という流れになっている。
結局、祥子と長崎そよとの「対決」の現場に唯一いたのが睦なんでね。おそらく、睦は重要なんだろうと思っている。ほとんどしゃべらないけど、ずっと、このストーリーの重要な場面には彼女が現場にいたんだよね。いて、大事な場面をずっと見てきている。ほとんどなにも話さないだけに、もしかしたら、最も重要な役割をするのかもしれない。