アヴェ・ムジカも迷子?

アニメ「バンドリMyGO」第12話は、まあ「平和」だったんじゃないか。つまり、第10話が「フラグ回収回」だったわけで、今までの鬱展開が「解決」された、という扱いで、それ以降はいわば

  • 戦後回収

と言っていいんじゃないか。いや、あと一回の第13話まであるんだから、そんなに長い「蛇足回」をやるというのはおかしいんじゃないか、と言う人も多いのかもしれない。しかし、そういう意味では、なにもないわけじゃない。その一つは言うまでもない、アヴェ・ムジカの登場だ。
しかし、そのことはおいといたとしても、今まで何度もこだわってきた、この作品の最大の謎である、豊川祥子のCRYCHICを辞めた理由と、若葉睦のCRYCHICを「一度も楽しいと思ったことはない」という発言の二つが解明されていない、という問題がある。
ただ、この二つについては、ネット上の考察では、いろいろと「フラグ」がちりばめられてきて、少しずつ見えてきていることは確かだ。
さきちゃんの問題は、なぜ、長崎そよや若葉睦が通っているお嬢様学校の月ノ森女子学園を転校して、燈が通う羽丘女子学園の燈の隣のクラスに行ったのか、なぜ彼女はいつも、音楽室でピアノをひいていて、家でひいていないのか、といったことが謎とされていた。そして、今回の祐天寺にゃむをバンドに誘う場面の会話は大きなヒントとなっている。にゃむは自分が彼女を誘った場所が「おしゃれ」な店だったのに対して、彼女の「かっこう」が、そこに「ふさわしくない」、いわゆる「着古した」服を着ていることに自分の配慮がなかったと謝罪をしている。
ようするにこのことが、ネット上の議論としては、

  • 豊川祥子の家庭環境の富裕層から貧困層への「没落」

を意味しているのではないか、と推察している。実際、豊川祥子の今回のバンドは、初華の芸能事務所も公認ということで、

  • 最速でのメジャーデビュー

を目指している、といったことまで本人が言っているわけで、つまりは、なんらかの金銭的な困難が彼女にこれまでの一連の行動(CRYCHICを自分から「辞める」と言ったこと、そうでありながら、燈たちの春日影の演奏に、あそこまで心が揺さぶられたこと)を強いていたんじゃないか、と想像される。
対して、若葉睦はどうか? 彼女については、まったくヒントらしいヒントも今までない。ただ、彼女の両親は、父親がお笑い芸人で、母親は女優の森みなみと公式で発表されている。そして、祐天寺にゃむは彼女の写真を見て、それが森みなみの娘だ、ということにすぐに気付く。
まあ、普通に考えて芸能人の娘が幼少時代を「地獄」のような苦しみを味わってきた、といったことは想像できる。
もちろん、そのことは、豊川祥子は知っていた。つまり、気になるのは、CRYCHICの他のメンバーは、そういった彼女の特殊な家庭環境を分かって、つきあっていたのかが疑わしいわけだ。
ようするに、燈はMyGOのメンバーを「迷子」と呼んだわけだけど、それだけじゃなく、CRYCHICの他のメンバーであり、あまつさえ、アヴェ・ムジカの他のメンバーでさえもが「迷子」という結末になりそうな雰囲気なわけだ...。