アルビの二段ブースト

J1のアルビレックス新潟は土曜日のFC横浜に3−1で勝利して、かなり降格圏内から離脱したかな、という計算ができてきて、少し安心感がでてきた。
伊藤が折り返し前に海外移籍で離脱してから、どういった戦い方をするのかが注目されていたが、アンダー世代代表の三戸ちゃんを中心にする(つまり、伊藤のポジションを三戸で埋める)形をすぐに模索することで、それほど、戦力ダウンを感じさせない戦いができるようになった。ただ、その後はそこまで三戸にこだわることもなく、むしろ、多くの選手をいろいろなポジションで交代で使いながら、全体としてバランスのよい戦いができている印象がある。
(三戸の特徴は、密集した中での細かいドリブルによる動きと、無回転シュートの強力さだ。まあ、アンダー日本代表に選ばれて試合で得点しているだけのことはある。近いうちに海外に行くことになるんだろうけど、その三戸が試合において効果的かどうかは、その試合による、という感じだ。)
ただ、それ以降はそこまでの強さを感じさせる成績は残せなくて、順位としては下位に近い場所を彷徨っている印象だ。
ただ、その中でもいろいろと特徴のある動きをしている。守備の安定はそうなのだが、そうはいっても力のある相手には、一点、二点はとられる。そういった中で、ここ数試合の特徴は、

  • 後半の選手交代

の選手を中心として、「その選手たち」で点をとって同点に追い付いたり、土曜の試合のように、追加点がとれたり、というようにある意味での「二段ブースト」になっている印象がある。
新潟の特徴として、ビルドアップで後から回してくるところだが、これを警戒した相手は、前線のフォワードが試合開始から、なりふりかまわずチェイスして、奪って得点にしてしまう、というのがみられた。
こういった新潟対策は確かに効果的なのだが、欠点は「後半」までそれを維持できるのかが疑問なのだ。
対して新潟は、今のルールが「6人交代可能」という、新型コロナ対策として導入されたルールを最大限に利用して、後半の早い時間で、前半から中盤の、かなり運動量の多い選手を交代して、攻撃の再活性を生かして得点につなげて、負けてた試合を同点にして、勝ち点を拾っている。
つまり、考え方はこうだ。サッカーにおいて失点はアクシデンタルに必ず起きる。よって、失点を「悲劇」とする戦略は現実的ではない。失点は「フィフティフィフティ」の現象であると考えるなら、点をとるために前半にものすごい運動量を使った相手が後半になってその運動量が落ちたところを、

  • 大量に途中投入した、入ったばかりの選手たち

で攻撃すると、相手の守備フォーメーションも崩れているその隙間の空間を利用して、得点機会を増やせる。
実際に途中交代で入った選手は、動きもよく、パス、ドリブルで疲れている相手を翻弄し、疲労もなくかなりの精度のよいシュートを打てることで得点になっている場面も多い印象を受ける...。