アニメ「葬送のフリーレン」

今期、まんをじして放送されているアニメ「葬送のフリーレン」はたしかサンデーだったかで連載されている漫画が原作だが、こっちはまったく見ていない。アニメ第1話を見た最初の感想は、

  • ニッチ

なところをついてきたまあ、「地味な」作品だなあ、といったところだろうか。つまり、正直に言って、最初の私の感想は、あまりよくなかった。
もちろん、感動的な逸話もあり、小品ながら、いい作品なんだろうと思って見てはいたのだが、これが実際のところ、どういう意味があるのかといったところで、あまり理解できなかった、というのがある。
主人公のフリーレンは、このファンタジー設定の世界では、「エルフ」という種族で人間ではない。人間と違い、すでに千年以上を生きており、彼女が一緒に魔王討伐の旅をして10年を一緒に過した勇者のパーティの3人の人間はすでに、年老いて、老境の域に逹っしている。
最初に見たとき、この作品設定がいわゆる「おもしろさ」を奪っている印象を受けた。つまり、フリーレンの、この極端な「非人間性」が、この作品への

  • 共感

を失わせるんじゃないか、といった疑いがあったからだ。
しかし、すでに第6話まで見てきて、私の印象は変わった。上記の勇者一行の仲間の3人の人間のうち、ハイターとアイゼンは、シェルンとシュタルクという二人の弟子をもっていて、今はこの二人が、フリーレンと旅をしている。これを見ながら、私は、むしろ、まるで自分のことが書かれているように思ったわけだ。
私も東京に出てきて働き始めたころは、なにも分からず、ひっしでついていくのでいっぱいだったが、今ではむしろ、回りで働いている人は自分より年下の若い人しかいなくなった。それでも、そうなっても同じように働いている自分は、どこか

  • フリーレン

の心情に近くなっているのに気付かせられる。意外に思うが、この作品は見れば見るほど、フリーレンこそが

  • 人間らしい

そう思えてくるわけである...。