サッカー日本代表問題の論点整理

こちらについては、より明確ではあるでしょう。森保監督が明確に、「今回の大会は育成が目的だった」と言うところから始まる。だから、ベテランを呼んでいない。そのため、調子の悪いキーパーを使い続けなければならなかった。
その上で、イラクとイランという、日本が昔から苦手としている戦術を行ってきたチームに、イラクはまだこの大会では一回目だから理解できなくはないとしても、なぜイランにまで対策できなかったのかを説明しなければならない。なぜ対策できないのか? その対策を行うための選手を呼んでいなかったからなのか? いずれにしろ、ここを森保は説明する必要がある。
その上で、W杯予選で森保はこの「対策」をやる意志があるのかないのかを問いつめなければならない。
これが「アカウンタビリティ」です。やると言ったこと、いつまでにやると言ったことを、本当にやったのかを確認する作業が「マニフェスト」であり「アカウンタビリティ」なのです。
そういった「状況」に対応した分析を行った上で、そもそもなぜ負けたのかは、アジア杯に参加していたチームが、それぞれに「強かった」ということを認めるのかどうかで、話は違ってきます。
普通に考えれば、相手が「強かった」ことは一定の割合であるでしょう。じゃあなぜ相手チームの底上げがあったのか?

  • オイルマネーで優秀な欧州の監督をヘッドハンティングしている。
  • 中東から欧州のクラブチームでプレーする選手が増えている。
  • そもそも中東の人は体格も大きくて、ヨーロッパに負けない。優秀なコーチがやって来れば、すぐに成長する。
  • そもそも、ヨーロッパからの帰化選手をどこのチームも大量に採用していた。

つまり、アジアのチームが強くなっていることは間違いないし、将来的には、W杯でいい成績を残すチームもでてくるだろう。
その上で、日本の森保監督を本当に代えなくていいのかという論点は大きくあることは間違いない。
しかしいずれにしろ、どっちを選ぶにしろ、考えなければならない論点は他にもいろいろあるわけである。
他方において、日本が負けたイラク、イランにしても、その戦い方がどこまで、W杯で通用するかはまた別だ、と考えることもできる。彼らの戦い方は、あいかわらず、昔からの中東のスタイルといった側面もあって、それが、準決勝、決勝の試合の評価がそこまで高くない理由だったりする。
結局、日本は今回のアジア杯を「育成」を目的にしたと言ったとしても、森保がW杯でドイツやスペインといったような、欧州の強敵に勝つためのサッカーだけを磨いていたとしても、W杯でいつも勝てるわけじゃないし、逆に、そうじゃない国がたくさん出場しているわけだから、そういった国に負け続けていれば、そういった強敵と戦えない可能性だってある。
そう考えたとき、明らかに日本は、今回のアジア杯のイラク、イランのような「ロングボール」を行ってくるチームに対する

  • 対策

  • 練習していなかった

わけだから、じゃあ、これからはそれをやるのか、やらないのか。やるとして、時間もない中、どうやってやるのかを「説明」しなければならない。その上で、今度はアジア予選対策としては、選手選考だよね。どういった選手を選考するのか。選んだ選手で本当に、今回のような日本の「弱点」を狙ってくるチームに十分なのかを見極めていく必要があるだろう...。