今期の新潟の成績予想

J1であるが、世の中的な成績予想を見る限り、新潟は去年と同じくらいか、それより少し下を予想するものが大半という印象だ。ただ、新潟がJ2に落ちると予想しているものは、ほとんど見かけなかった。
その上で、第1節の鳥栖戦だったが、試合そのものは、なかなか、おもしろかった。
前提として、鳥栖は弱いチームじゃない。新潟とも、ある程度戦い方が似ている、ビルドアップをやってっくるチームではあるが、なにしろ、季節柄もあるのだろうが、

  • 風(かぜ)

が強く、試合に影響した。新潟のビルドアップ対策が成功して、新潟のパニック状態から試合は始まる。一点をとられて、その混乱のまま前半は終わるのかなと思っていたが、私の印象としては、右ウイングの

  • 藤原

が、唯一、個で鳥栖のブロックをうちやぶっていたし、それができるようになってから、新潟のビルドアップが比較的、安定した。
しかし、この試合を見ていた人なら分かると思うが、とにかく風が強くて、ボールが前に飛ばない。この試合コンディションでいいプレーができるはずがなかった。
そう思って、なんとか前半は、このまま終われと祈っていたら、谷口がゴラッソを決めた。まあ、新潟はずっと、バックラインの背後を狙う動きをしていたので、それがみのった、という形ではあったのだが。
後半は、今度はこれが逆になって、新潟が一方的にフルボッコ状態だった。得点は一点追加しただけだったけど、ずっと新潟が攻めていた。最後は、新潟が勝っていたので、守備固めをして、そのまま勝利となったけど、見事な逆転勝利だった。
こういった新潟の強さは、実は去年の後半から、ずっと見られていたと言ってもいい。去年の後半、かなりの勝率で新潟は勝っていた。
こういったこともあって、新潟の監督は今年は優勝争いをやると言っているし、選手からもそういった言葉がでている。
ではなぜ、そこまで新潟の前評判はよくないのか?
おそらくそれは、今期のJ1で、どういった戦術が流行するのかの読み合いが起きていることが関係している。

m.youtube.com

こちらのミルアカさんの動画は興味深いが、Jリーグの戦術は、常に、

  • 日本代表
  • ヨーロッパ

でなにが「はやっている」かが、非常に大きく影響を与えてきた、という現実がある。そう考えたとき、第1節で見られた戦術のなによりもの影響は、

  • イラン戦

だった。あの試合は、もう一度、「日本代表」タイプのチームには、どういった戦い方が有効なのかを思い出させてくれた。
今期、J1からJ2に3チームが落ちる。その上で、今期J2から上がってきたベルディ、町田は強烈なまでに守備的に戦うチームだ。ベルディの城福監督は守備的に戦うことを得意としている人だし、町田の黒田監督は高校サッカー青森山田で有名な方だ。
つまり、J1チームはこういった堅守のチームに勝つサッカーができなければ、今度は自分たちがJ2に落ちてしまうのだ。
なんと、町田の黒田監督はイラン戦を見てすぐに、「今年はこの戦い方で行く」とインタビューで答えたんだそうだw
いや。これは本当で、町田はあのガンバ大阪と戦って、完全にガンバの

  • ビルドアップ

をやらせなかったw これを見て、まさに、イラン戦そのものじゃないか、と思った。イランが後半に選んだ戦術は、日本のビルドアップ時に、中盤に5人並べて、そのファイブレーンを完全に塞いで、この中盤を、ほとんどマンツーマンの動きをさせることで、中盤のビルドアップのためのパスを完全に遮断する戦術だった。そのため、ガンバは我慢ができなくなって、前線にロングボールを蹴るしかできなくなったんだけど、そこには高身長のDFが待ちかまえている。
町田はお金のあるスポンサーがいることもあって、選手獲得に成功している。ポテンシャルはあるわけである。
新潟の生命線はビルドアップである。これが成功している間は、いい試合の組立を行えている。しかし、それができない局面では、もろい部分をさらけだす。しかし、去年の後半は、おおむね、このビルドアップは試合全体を通して、そこまで崩れた試合は少なかった。
そうはいっても、新潟が結局勝てなかったチームとして、神戸や鹿島がある。
上記の動画を見ると、第1節に勝ったチームである、広島、鹿島などには少なからず、イラン戦の影響がうかがえるんじゃないかと指摘している。つまり、相手センターバックの一方を集中的に狙って、フルボッコにして、そいつが

  • ミスする

こぼれ玉を、味方が「狙って」、得点にする、というパターンだ。当り前だが、センターバックは最もゴールに近いところで守っているわけで、ここでミスをすれば最も点が入りやすい。だったら、その二人のどっちかにボールを集めて、そいつがミスするのを、マンツーマンで相手をしている選手が狙えば、あとは個の力の対決なんだから、個で上回ればいいわけで、最も得点が入りやすいとも言える。
そもそも、日本はそれでずっと負けている。W杯でのコートジボワール戦での後半にドログバが投入されてからの「パニック」、W杯のベルギー戦での後半に身長の高い攻撃の選手が入って、「パニック」になって負けた。
ところが、ね。過去の日本の下の年代も含めての試合結果を見てみると、こういった

  • 高身長
  • フィジカルで勝っている

選手が投入されて「パニック」になって負けたって試合って、驚くほどに多いんだよね。
ようするに、日本は伝統的にこれが弱いわけ。じゃあ、さ。これをJリーグのチームがやってこないわけないじゃん。
とりあえず、前半の一回りは、お手なみ拝見だよね。各チームがどうやってくるのか。それを見た上で、今年はJ2に落ちるのが3チームもいるわけで、それぞれの戦い方の違いが興味深く思われてくるだろう...。