京都戦

パリオリンピックU23日本代表は予選を一位で突破したが、トーナメントの一回戦で、スペインに3-0で負けた。私は前半しか見ていないが、前半はスペインがマンツーマンで、まるで、新潟のようなコンビネーションで、どんどん重ねて攻撃をして、前半で一点をスペインがとっていた。対して、大岩監督は終始、ゾーンで戦っていた。
こういったマンツーマンぎみの戦いは、森安がW杯で採用していた戦略だったはずだ。そしてそれができたのが、伊東、三苫、前田などの前線のスピードスターがハードワークをすることで、ビルドアップをさせない、という戦略が完全に成功した。ところが、大岩はこの戦略をやらなかった。大岩には

  • プランBがなかった

ということが言われている。すでに彼の監督交代が決定しているが、ここまで完敗ということになれば当然だろう。日本は、完全に藤田がマンツーマンで抑えられて、攻撃が機能しなかった。こういう結果になったことは、選ばれた監督の限界が、その通りの結果となった、と言いたくなるわけだ。しかし、少なくともスペインはそのまま優勝した。そう考えると、日本はなにかを勘違いしているんじゃないか、という印象が強くなる。つまり、W杯予選で日本がスペインに勝ったことで、

  • 日本の目標はスペインじゃない

と思ってしまったんじゃないか? つまり、大岩監督はスペインをなめていた。彼には、根本的ななにかが欠けていたのだろう。森安監督はW杯が終わった後、今後の課題として

  • 攻撃

について言及していた。そのときの彼が頭に想定していたのは、明らかに

  • スペイン

だったわけだろう。彼が日本が次のステップに行くには、どう考えても「スペイン・サッカー」しかありえない。おそらく、森安監督の頭の片隅には常に、スペインがあるはずなのだ。
さて。今日の新潟と京都の試合に、なんと、その森安監督が観戦に来ていた。つまり、御前試合となった。森安監督はなにを目当てにこの試合に来たのだろう? もちろん、3連勝をしていた京都を見に来ていたとしても不思議じゃない。しかし、もしも新潟が目当てだったとしたら?
言うまでもなく、新潟のサッカーこそ、アルベルト元監督によってつちかわれた、スペイン流のポゼショナル・サッカーで戦っている。新潟のスタイルほど、スペイン流を思い出させるものはないだろう。すでに森安が新潟から代表に呼んでいるのは、キーパーの小島だ。小島がこれからも、代表に呼ばれる可能性は、彼のビルドアップ能力を考えれば、いくらでも考えられる。では、他の新潟の選手で目当てと考えられる選手はいるだろうか? まっさきに思いうかぶのが、長倉だろう。彼こそ、今のJリーグで、伊東、三苫、前田に匹敵する

  • 前線でハードワークができる

フォワードだ。私は呼ばれる可能性は十分にあると思われる。そして、次に考えられるのが、秋山だが、ここについては日本代表はとても競争が激しいので、普通に考えると難しいだろう。大穴としては、大学生の稲村w まさかと思うかもしれないが、左利きのセンターバック、左サイドバックとして、今日の試合でも、驚きをもって見たんじゃないか。将来性を考えれば、十分にありうるだろう。
今日の新潟は、前半は京都がハイプレスをしてくることが分かっていたわけで、かなり抑制的に

  • 相手にボールをもたせる

戦略を行った。こういったハイプレスに来るチームに対しては、町田戦でもそうだったが、相手にポゼッションをさせて引いて守った方が、スペースを与えて、足の速さで負けて失点をする可能性が低くなる分、試合が安定する。その代わりに新潟の攻撃は少なくなるが、膨大なスペースはうまれるので、個で戦えるダニーロゴメスのような選手がその個性を発揮できる。
この新潟の前半のスタイルは、今の無茶苦茶、暑い夏の戦い方としては、合理的だとも言える。
いずれにしろ、前の磐田戦で、一方的に攻め続けていた後半に、足の遅い藤原とマイケルジェームスのところを狙われて、ジャーメインに2点をとられて、引き分けにされたことの

  • 反省

が生きていた、ということだろう...。