2007-12-14から1日間の記事一覧

加地伸行『儒教とは何か』

日本の葬式において、日本人は、遺体に頭を下げる。しかしこれは、仏教の考えではない。仏教では、仏陀なり、神にこそ、礼拝する。遺体にぬかづくのは、儒教の伝統なのだそうだ。この本では、一方で、儒教の宗教的な面が、実際の庶民の生活においては、大き…

小島毅『靖国史観』

明治の、「国体」の語源が、幕末の水戸学派、会沢正志斎の『新論』とされるのは、有名であるが、問題は、正志斎が何を言わんとしていたか、である。 正志斎はまず古代の朝廷の記録、何々天皇がだれそれを派遣して軍事作戦を行ったという記述の列挙から始める…

森三樹三郎『中国思想史』

中国思想を、各時代で区分して、儒教、道教、仏教、それぞれ、区別しないで記述してあるのが特徴だ(ちなみに、キリスト教は?)。日本において、なぜ武士という戦闘集団が、政治をになってきたなかについて、日本における、国や戦闘が、中国と比べると、大…

串田久治『儒教の知恵』

漢籍に興味をもたれる方には、最初に読む本として勧めていいと思う。漢籍に出てくるさまざまな人間の行動を、いろいろな側面から書いている。まず、礼(守るべきとされていた自然法)であり、四角四面のルールで息がつまるイメージがあるが、実際の運用はた…

武光誠『大和朝廷と天皇家』

あまり、ちゃんと読んでいない。ただ、以下の指摘が気になった。 4、5世紀の人名は、ほとんどつたわっていない。それは、おもに日本での歴史を記録しようとする試みが7世紀はじめにならないとみられないことによる。しかし、そのことを除いて考えても、4…