新川登亀男『聖徳太子の歴史学』

聖徳太子は、日本書記にある人物だが(正確には、別の名前で登場する)、ある説では、その存在が疑われている。この本では、その聖徳太子を、各時代において、どのように見られてきたのかに、焦点をあてている。
江戸時代においては、日本の仏教受容に関わった部分から、朱子学者から批判される。明治直後は、廃仏毀釈で、寺など、仏教美術が、かなり破壊されるが、やりすぎという見方が広まり、比較的こういった動きは弱まる。逆に、聖徳太子自身も、学校の教科書でとりあげられるようになる。

聖徳太子の歴史学――記憶と創造の一四〇〇年 (講談社選書メチエ)

聖徳太子の歴史学――記憶と創造の一四〇〇年 (講談社選書メチエ)