最近のニュースで、どうしても分からないことが一つある。それは、まあ、このブログでも何回かは書かせてもらっているわけだが、韓国での徴用工裁判の件である。
ここで私が「分からない」と言っているのは、判決が日本企業への賠償請求を認めたかどうかなんていうところにはない。そんなことは、瑣末な話に過ぎない。そうでなく、この判決において使われた
- 法的解釈
になぜ人々は
- 驚かない
のかが分からない、ということなのだ。有識者を含めて、なぜこの「法的解釈」が驚くべきもので、近代社会において、こんな判決が許されるのか、と騒がないのだろう？
日韓関係はどうしてこのような状態になったのだろうか。周知のように、最大のきっかけは、昨年10月30日に韓国大法院（日本の最高裁に相当）によって出された朝鮮半島における戦時動員労働者（いわゆる「徴用工」）に関わる判決であった。そしてこの判決により日韓関係が悪化した原因は、単にこの判決が日本企業に対する損害賠償請求を認めたことよりも、判決において韓国大法院が用いた法的解釈にあった。
韓国大法院はこの判決において、韓国憲法の前文にも示唆されている「植民地支配違法論」に則って、日本の植民地支配そのものを違法と認め、その違法な植民地支配の下行われた労働者の動員は違法行為である、と結論付けた。
そしてその上で、これらの違法行為による動員には慰謝料請求権が発生し、日本政府が1965年に「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」（以下、請求権協定）の締結に至るまでの過程において、植民地支配の違法性を認めていなかった以上、この慰謝料請求権は請求権協定の対象外であり、依然として有効だ、としたのである。
当然ながら、韓国の裁判所が認めたように、日本の植民地支配が違法であり、その違法な支配に基づく法的行為に慰謝料が発生する、とするなら、当時の総督府等による法的行為はすべて違法だということになる。つまりそれは、その支配の下で暮らし、総督府等の支配に服することを余儀なくされた人々は、ほぼ例外なく慰謝料請求権を持っていたことを意味している。そして、この慰謝料請求権は韓国民法の規定により相続の対象となるから、日本の朝鮮半島支配の下暮らした祖先を持つ韓国人は、すべからく慰謝料請求権を持つことになる。つまり、現在に生きる5000万人以上の韓国人すべてが慰謝料請求権を保有すると認めたに等しい判決であったのである。
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この裁判で使われた法的解釈によれば、
- 戦前の日本による朝鮮半島の植民地支配は、（韓国の法律によれば）「違法」である。よって、日本による朝鮮半島の植民地時代に、その朝鮮半島に住んでいた、韓国国民の子孫「全員」には、その被当事者（主に、日本国家や日本企業や日本国民）に、「慰謝料」を請求する権利がある
となる。
つまり、韓国の人たちは、たとえ、毎日の生活がお金がなくて、貧乏で苦しくても、
- 一瞬でお金持ちになる
錬金術を、韓国の裁判所にレクチャーしてもらったのだ。
この「慰謝料」は、そもそも、「いくら」になるのかが、まったく定義されていない。それどころか、どの時の先祖の「苦しみ」が、今の子孫の「誰」が賠償しなければならないのかも定義されていない。というか、一体、誰にそれができるのかも分からない。つまり、この慰謝料の賠償は、最初から
- 終わらない
のだ。私が錬金術と言うのは、そういう意味でもある。
韓国の、誰でもいい。裁判所に
- 私の先祖の「苦しみ」の賠償を、日本人に払わさせてください
と訴えれば、どうして日本人が払わないなどとできようか。なぜなら、当時の日本の植民地支配は違法なのだから、たとえ日本による残虐行為があろうとなかろうと、違法であるという、そのこと自体によって、
- 精神的に苦しんでいたに決まっている
のだから、それで払わなくていいなんて、なるはずがないからだ。しかも、たとえ、一回。ある金額が、どこからか払われたとしても、なぜそれで十分だということになるだろうか。だって、
- 精神的に苦しかった
んだぞ。その苦しさが、なんでそんな「はしたお金」で、あがなえると思えるのか。つまり、この慰謝料の賠償は、何回やったって、絶対に終わりはしないのだ。それは、従軍慰安婦への日本政府による謝罪が何回行われようが、絶対に慰安婦の方々が許しはないのと同じなのだ。
つまり、どういうことか？
韓国の先祖の方々は、後世の子孫の方々に、自らの生きていた間の苦しみと、ひきかえに
- 日本の国家の財産と、国民一人一人の財産という「プレゼント」
を用意しておいてくれた、ということになるだろう。この打ち出の小槌は、
- 日本が滅びて、一銭もお金が無くなるまで
終わることはない。いっくらでも、欲しけりゃ、むしりとれる。だって、それだけの
- 苦しみ
を、事実、日本による朝鮮半島の植民地時代には、先祖は受けたのだがら。
ようするに、どういうことか？
韓国は、日本を韓国の「奴隷国家」として手に入れた、ということになるだろう。韓国は過去に、日本によって奴隷国家にされたのだから、その賠償は、未来における、韓国による日本の奴隷国家化によってしか、成立しない（釣り合いがどれない）。しかもその「慰謝料」は、当時の先祖の韓国国民に
- 感情移入
をすればするほど、必然的にその「苦しみ」への共感は
- 無限大
に近づかずにはいられないのだから、その当然の帰結として、
- 未来永劫の、韓国による、日本の奴隷国家化
が成されなければ「ならない（それが正義だ）」となるわけである。
まあ、何を馬鹿なことを言っているのだ、とお叱りを受けることになるのであろう。しかし、私が言いたいことは、上記のようにカリカチュアしたところの事実性がどうなのかといったことというより、
- 他国の主権に介入すること（＝内政干渉）は、そもそも許されるのか？
という所にこそ、驚きがあるわけである（そもそもそれは「外交」が理性的に成立する、という前提以外にはありえなかったのではないのか）。
韓国の裁判所が、韓国国民の間の財産の分配の「正義」について言及することは、自分の国の中での話なのだから、まあ、人権的な観点から、いかがなものか、といった議論はありえるとしても、基本的には、自分たちのことは勝手に自分たちで決めればいいんじゃねえのか、とは言える。
ところが、他国の財産や権利の場合は、正直よく分からないわけである。
ようするに、この場合、その裁判所による
- 強制力
とは、なんのことを言っているのかが、よく分からないわけである。韓国の裁判所は、彼らが主張した「正義」に関係して、この判決を実行しなければならない。つまり、日本から、お金をむしりとって、韓国国民全員に「惜しみなく」与えなければならない。
しかし、どうやって韓国の裁判所は、日本から、お金をむしりとればいいのだろうか？
日本は、そんな権利は韓国にはない、と主張して、お金を払うことを拒否し続けるだろう。しかし、韓国の裁判所は自分たちで、無限に日本から、お金をむしり取ることを
- 正義
だと主張したのだ。だったら、それを必ず実現しなければならない。なぜなら、そうしなければ
- 正義が実現しない
という、あってはならない事態を、当事者の韓国の裁判所が「解決」できない、という無力な事態になってしまう。
では、どうすればいいのか？
おそらく、一つしか方法はない。つまり、
- 戦争
である。韓国の裁判所は、自らの言う「正義」を実現するために、韓国国民を徴兵制によって、軍隊の兵隊にさせて、日本に戦争を行うことになる。そして、事実上の
によって、日本を真の意味における、奴隷国家。つまりは、
- 植民地国家
にする、ということになる。いや、なぜ戦争になったら、韓国の裁判所が、日本は負けて、自分たちが勝つなんて言うことができるだろう。それは、戦前の日本が、最後には、戦争に負けて、韓国という植民地支配を手放さなければならなくなった経緯と似ている。つまりは、それを
- 正義の実現のための＜戦争＞
と言うなら、結局は、戦前の日本の植民地支配と何が違うんだ、という話になる、というわけである...。
