2008-01-14から1日間の記事一覧

柄谷行人「音声と文字/日本のグラマトロジー」

子安宣邦と、酒井直樹との、対談。酒井直樹の『過去の声』を受けて行われた対談。この本において、伊藤仁斎が、重要な存在とされていることや、子安宣邦の『鬼神論』での、伊藤仁斎の評価、そして、彼自身による、以前の「伊藤仁斎論」、これらを改めて、ふ…

柳父章『翻訳語成立事情』

今の日本語の中に、実に多くの、明治以降の、欧米の言葉を「翻訳」した言葉(漢字)がある。おもしろい現象として、それらは、当然、中国で通じないのだが、本意じゃなかったかもしれないが、これらが、向こうで、受容されているケースもある、ということだ…

B・ファリントン『ギリシア人の科学』

古代ギリシア哲学は、始め聞くと、ばかばかしく思える。世界は、水からできている、とか、火からだ、とか。しかし、それらについて、この本では、それらの認識が、当時の彼らの、最先端の科学、青銅や鉄の製品の製造などにからんでいて、ある程度、実感をも…

姜尚中『ナショナリズム』

この本は、今までの、いろいろな、日本のナショナリズムの問題を、一冊にまとめたような内容で、よく整理されていると思う。 儒教での、親子の孝に対して、国家・天皇に対する忠の、「教育勅語」での優越性の論理。「軍人勅諭」と、西周「兵家徳行」、山県有…