2014-02-28から1日間の記事一覧

正義論序説:はじめに「リベラルの反対=ロジカル」

あなたは、リベラルの「反対」は、なんだと思うだろうか? 私は、 ロジカル なのではないか、と考える。つまり、これが、どういう意味なのかを、以下で考えていくわけである。 つまり、私は、「正義」と「論理」は、非常に関係が深いと言いたいわけである。 …

正義論序説:第一章「ベンサムの功利主義」

ベンサムが提唱した功利主義の特徴は、そもそも、どういったところにあったのだろうか。 悟性の論理学と同様に、意志の論理学がある、むしろなければならないといったほうがよいであろう。意志のはたらきは悟性のはたらきに劣らず、法則によって記述されるこ…

正義論序説:第二章「国家の制度設計」

ベンサムにとっての功利主義は、そもそも、法学や政治学が、「生物学」に還元される、という、かなり野心的なものであった。 しかし、ベンサムにとって、功利主義と、この「生物学還元主義」は、切っても切れない関係にあったはずである。つまり、どちらかを…

正義論序説:第三章「ローティのリベラリズム」

リチャード・ローティが、一方において、哲学における 不可知論 を全面に出すことで、哲学の全否定を展開していく過程において、形而上学としての哲学ではなく、 プラグマティズム としてであるなら、彼が積極的に肯定していった(=コミットメントしていっ…

正義論序説:第四章「正義とロジック」

後期ロールズを考えるとき、実際のところ、後期のロールズは多分に、ローティによる過大な評価の過程を経ることで、今度はローティの影響を受けていたのではないか、という推測が成り立つように思われる。 そう考えたとき、井上達夫が、『世界正義論』におい…

正義論序説:第五章「ガンジーの法律論」

井上達夫が、ロールズの不可知論を批判する上において、彼は正面から、それを否定しているという戦略をとっていない、というのが、私には興味深かった。つまり、不可知論はありうる。しかし、たとえそうだとしても、 あまりにも「自明」な論理的矛盾 は、さ…

正義論序説:おわりに「政治とは何か」

近年のネトウヨの大衆的影響力の拡大の問題を考えるとき、いわゆる「新しい歴史教科書を作る会」が主張した、「自虐」という言葉がある。この言葉の何が、問題なのかというと、つまり、 自分語り の構造になっているから、なのである。自己言及的なのだ。政…