2007-12-17から1日間の記事一覧

梶井基次郎「冬の蝿」

彼の作品は、少ないですが、おもしろいものもあると思います。 私は山の凍てついた空気のなかを暗をわけて歩き出した。身体はすこしも温かくもならなかった。ときどきそれでも私の頬を軽くなでてゆく空気が感じられた。はじめ私はそれを発熱のためか、それと…

アンドレア・ドウォーキン『インターコース』

フェミニズムについて、私はそれほど詳しくない。しかし、女性の歴史として、人類史を見るとき、どうしても、避けられないのは、暴力、レイプであろう。近代化が、こういった蛮行の撲滅を目指していたと考えるなら、近代を否定することが、いかに反動的な所…

C.ディケンズ『骨董屋』

ディケンズ作品の中の、異色作であり、傑作である。確か、最後の、少女が亡くなる場面は、感動的であるのと同時に、興味深くある。 朝になり、悲しみの対象についてもっと冷静に話せるようになったたとき、彼らは、彼女の生命が終ったときの姿を伝えられた。…

ロルフ・デーゲン『フロイト先生のウソ』

心理学の知見を、一般の謬見から、説明している。その内容は、進化論的にも説明できるくらい、「自然的」だ。 自我は、傷つけられたあとはなおさら、自己評価を高める情報を追い求める。そして、それを見つけると大歓迎する。たとえば、「あなたの成績は散々…

リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』

進化論というのは、現代人には、なかなか、理解しにくいものである。それは、マルクスを引用するまでもなく、物象化があたりまえなものとしてある、人間のありようから来る。例えば以下の引用箇所で、「動物が意識的に計算すると考える必要はない。とあるが…

NHKスペシャル『映像の世紀』

いつかの、おおみそかあたりの、NHKスペシャルで、見ていたのを、覚えているが、一番、衝撃を受けたのは、第二巻の、第一次世界大戦の、塹壕戦です。イギリス国民は、それまで、ずいぶんの間、戦争がなかったためもあり、かなり楽観的であり、かつ、ロマンテ…

修正

基本的に、この「管理」のタグを除いて、各記事の文章の推敲は、ずっとやろうと思う。そうすると、だれかがコメントを書いたものと合わなくなるかもしれませんが、指摘を受けて反映した場合と同じくあまり考慮はしないかもしれない。