2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

猪瀬都知事の言ったこと

猪瀬都知事が、ニューヨークタイムズのインタビューに答えた内容が、トルコへの差別発言になるとして、問題になっている。 しかし、おかしなことは、むしろ、このことに対するネット上の反応であろう。 猪瀬知事は、最初、Facebook で、「弁明」をした。そこ…

科学者は本当のことを「言う」のか?

私がインターネットを見て嫌になったのは、311の次の年の夏に、電気が足りなくなるという理由で、関西電力が、大飯原発の再稼働を要請していたのに対し、多くのエア御用的な人たちが、電力会社の主張の側で、電力会社を擁護してた頃からであろうか。 飯田…

高橋秀実『男は邪魔!』

著者は、多くの人へのインタビューを続ける中で、男性にインタビューすることの虚しさを感じる。なぜなら、男性が言うことは、ようするに「知識」だからだ。つまり、知識なら、別に聞かなくても、調べれば分かるからだ。 男性たちは、例えば、会社の中での自…

一ノ瀬正樹『人格知識論の生成』

(まだ、前半しか読んでいないが、まとめておく。) ジョン・ロックは、タブラ・ラサと言って、人間は誰でも白紙のキャンバスで産まれてくるのであって、親の七光りだとか、産後のひだちだとか、そういった「生得的」なものを批判するわけで、つまり、あらゆ…

メタ国家

ここのところ、憲法96条の改正問題が話題になっている。なぜこの問題が評判が悪いのか。それは、 国家のルールの「ルール」の改正 を問題にしているから、つまり、 メタ国家 の議論だからである。同じことは、一票の格差についても言える。言うまでもなく…

国家と国民の関係

もしも、国家という概念がなかったとするなら、それは、どういったことを意味しているのか。 この問いは、国家を、企業と考え、国民をその企業の従業員と考えるアナロジーによって、少しは理解が深まるのかもしれない。 私たちは、一般に国家と呼ぶが、よう…

あらためて「一般意志2.0」について

このブログでは、何回か、東さんの『一般意志2.0』について、こだわってきたのだが、そのことについて、ここで、あらためて、まとめておきたい。 (最初に断っておくが、いわゆる、哲学ジャーゴンの文脈において、この本が、どのように読まれているのかとい…

SNSとステマ

また、今回も、ちょっとアホっぽいことを考えてみる。 そもそも、この日本社会において、ステマは、どこまで「深刻」なのか。 マスコミ、つまり、大手新聞や、テレビニュースの、最も、大きな役割は、国家の動静を国民に伝えることであろう。 しかし、国家も…

二つの「真理」

ちょっと、アホっぽいことを考えてみたい。 民主主義的な多数決による「真理」の確定と、学問における「論理的」プロセスを経ての「真理」の確定の、どちらがより「真理」的であろうか? なにを言っているのか、と思うかもしれない。 例えば、数学でもいい。…

「トーマの心臓」について

少女マンガの萩尾望都の初期の代表作に「トーマの心臓」というのがある。この作品が、なんとも、座りの心地の悪いような感じをもつのは、一言で言えば、作品の「完成度」であり「初期条件」に求めることができるのではないだろうか。 この物語は、いわば、物…

日下渉『反市民の政治学』

一方において、民主化であり市民社会の「ルール」の重要性を強調しておきながら、他方において、貧富の格差が拡大することを資本主義の宿命として「しょうがない」とあきらめることは、 矛盾 していないだろうか? 私はこれを市民社会の「道徳化」として考え…

佐藤衆介『アニマルウェルフェア』

この前見た、映画「ジャンゴ」において、あらためて思ったことは、人間が人間を「奴隷」とするとは、なんなのか、ということであった。 最近の研究では、古代ギリシアには奴隷はいたが、その奴隷は、古代ローマ時代のように、悲惨なものではなく、奴隷と主人…

伊藤宏之『社会契約論がなぜ大事か知っていますか』

どうも日本における政治論が、常に、なんらかの禁忌でありタブーをよけるように話されていると聞こえるのは、なぜなのだろうかと考えるわけである。 例えば、日本維新の会といって、大阪の橋本市長を中心に国会においても勢力を獲得し始めた政党が、他方にお…