2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

きだが見た「ムラ」

前回、きだみのる、について紹介したのだが、彼は、村的な共同体、つまり、部落、を観察し、記述しながら(つまり、そこには、批判的な視点も当然存在する)、他方において、無理解にこういった村を全否定しようとする言説に対して、真っ向から反発する。 こ…

太田越知明『きだみのる』

きだみのる、といって、すぐに誰だ分かる人というのはどれだけいるのか。 といっても、私もほとんど知らないが(今回は、あくまで、その一側面の紹介であることを、ご了承を)。 掲題の本は、その、きだみのる、の伝記と言っていい。この方の経歴については…

トンデモ・コンサバ・ジャパン

なんだかよくわからないが、クール・ジャパン、なる用語が、ちまたを徘徊する。海外で、日本のカルチャーはクールだ、と。 それにひっかけて、日本を守りたい、面々。民主党政権になって、保守から革新に政権交代となり、圧力団体としての、支持政党が野に下…

湯浅さん書店

某本屋で、やってるわけだが、それに先立ち、ust で、佐高信さんとの対談が公開されている。 基本的に、私は、湯浅さんという方を知らないし、いい読者ではない。 wiki などを見て、日本思想史の学者になろうと、大学院で勉強されていた方ということで、少し…

マーク・ブキャナン『歴史は「べき乗則」で動く』

(掲題の本も、紀伊国屋新宿の福嶋さん書店で紹介されていたもの。) 湯浅さん書店を見て、一点だけ、違和感を感じたのは、まったく自然科学系の書物がなかったことだろうか。 例えば、少し前の日本では、ほとんどの人が百姓であった。みんな農民であった。…

浅野いにお『素晴らしい世界』

以前、ソラニンについて書いたことがあったが、こちらの作品は、より、作者の言いたいことが、直接描かれているように思える。 こういった、むしろ、有識者の人たちの間で、推薦されるこの漫画を、どのように読めばいいのか...。 各ストーリーは、アンソロジ…

いいよっっ

アニメ「ストライクウィッチーズ」の、テレビシリーズの第二部が、現在、放送中である。第二部ということは、第一部があったわけであるが、ある意味、そちらは話としては、完結していた。つまり、なぜ、この第二部が作られているのか、が問題ということであ…

大竹弘二『正戦と内戦』

カール・シュミットの、思想を紹介する、入門書としては、シュミットそのものの、多様な研究関心に対応して、それぞれに議論を行っているということでは、申し分ないのではないだろうか(往々にして、ナチ・コミットに議論が極論してしまう傾向がある中で)…

岩沢さんは言う、「さわるな」

(ガルデモのヴォーカルって、あんた誰? とか思ってネットをぐぐってたら、 なるほどね、と思いつつ、下記のような意味不明の文章を書いてしまってた...いつものことですが...。) 子供とは、なにものなのか。 アニメ「Angel Beats!」の第3話において、学…

フォークナー『八月の光』

久しぶりに、掲題の本を読んでみた。再読であるが、以前読んだのは、果して、いつだったのだろうか。忘れてしまった。まだ、社会人になっていなかっただろう。その頃の記憶もあまり残っていない。ただ、印象的だったことは間違いない。 (そもそも、フォーク…

トゥキュディデス『歴史』

また今年も、終戦記念日の8月になろうとしている。そして、8月は、お盆の時期でもある(ミシオちゃんの両親が「彼女の元に」帰ってくる時期だ)。なぜ、日本は8月に降伏したのだろう。もしかしたら、こんなお盆の先祖の意志がそこにはあったのかもしれな…