2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

小野善康『成熟社会の経済学』

戦後の日本は、間違いなく、ある時期を境にして、変わってしまった。それは、いつからだったのかは分からない。しかし、変わったことは、確かなのだ。 しかし、こういうことを言うと、多くの人は戸惑う。「変わった」というのは、戦前から戦後への体制変化の…

ダニエル・ディアマイアー『「評判」はマネジメントせよ』

マネージメントとは、経営学の一つの考え方で、あらゆる企業経営の問題の解決とその解決の責任を、 マネージャー 一人に集約させる思想、だといえるだろう。このように言うと、かなり過激な思想に思われるかもしれない。 例えば、多くの事故調査委員会では、…

岡田斗司夫『なんでコンテンツにカネを払うのさ?』

(弁護士の、福井健策との対談。) 少し前まで、ユーチューブにしても、ニコニコにしても、いろいろな「パロディ」的な、ちょっとふざけた、2次創作的な動画がたくさんあったが、ある時、ことごとく、削除されていった印象がある。 (こういったことは、今…

福岡政行『財務省解体論』

この本は、おかしい。題名から、どうやって財務省を解体するか、の方策が書かれていると思うだろう。ところが、どこにも、財務省を解体すべき、という記述がない(私は見つけられかった)。それなのに、それについての、説明もない。つまり、この本のタイト…

ステマとポジション・トーク

金融ストラテジストは、ポジション・トークという言葉を使うのだそうだ。 実際、日本では、為替相場の予想に感情が入り込むケースは少なくない。「どちらに動くと予想するか」ではなく、「どちらに動いて欲しいか」に基づいた解説が行われることがよくあるの…

白川さゆり『ユーロ・リスク』

それにしても、EUにおけるギリシャ問題は、金融システムに大きな影を投げかけている。なぜギリシャはこれほど、深刻なのか。 それは、ギリシャが、EUの「夕張市」になっているからであろう。 すでに広く知られるように、ギリシャ財政危機の発端は200…

「名を正す」とは?

ツイッターには、「フォロワー」というのがある。つまり、相手をフォローしていると、自分のタイムラインに、相手の「つぶやき」が、ずっと出てくるようになる、と。 まあ、それは一種のゲームなのだから、そんなもんかな、というのはいいんだけど、非常に違…

ビックデータとプログラミングの未来

近年、ビックデータへの関心が高まっている。その代表が、グーグルだが、グーグルの検索機能は、もはや、ネットを使っている人でお世話になっていない人はいないんじゃないか、というくらい、だれもが使っている。 じゃあ、そのグーグルは、このサービスをど…

佐々木融『弱い日本の強い円』

あい変わらず、円高が止まらない。 つい最近まで、80円超えたら、大変なことになる、というようなことを言っていたように思うが、今では、あっさり、それを超えて、さてさて。どこまで行くんですかね。 10年後、20年先の円相場の予想に対する答えは、…

嫌「反体制」

ここのところ、原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―作者: 安冨歩出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2012/01/07メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 220回この商品を含むブログ (47件) を見るという本が話題であるが、買って読んでみて、思っ…

女たちの「女たちの<銃後>」

この前、紹介した本であるが、なんとか最後まで読んで、とにかく、印象は、非常に、おもしろかった。 それは、いろいろな意味でそう思うのだが、まずもって、戦前を語るということの必要を感じている現代の言論人を、あまり思いつかないなあ、という意味で、…

加納実紀代『女たちの<銃後>』

(アニメ「輪るピングドラム」を、なんとか最後まで見たのだが、これは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のオマージュのようなものなんですかね。) 貨幣とは、ある「普遍的」な価値が存在すると仮定することと、関係した「運動」だと考えることができるだろう。 …

水瀬葉月『C^3 シーキューブ』

(この、厨二病まるだしの、いわゆる、ラノベについて、考えることは、一年に何度あるか分からないこの、正月の、のんびりした時間にとって、最高の「贅沢」であろう。) 呪いとは、なんだろう。 古くは平安時代から、江戸時代まで、人々は呪いの「世界」を…