2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

児玉龍彦『低線量被曝のモラル』

(島薗進など、複数との共著。) みなさんは、今回の、311以降において、起きた、低線量被曝についての議論の混乱とは、なんだったと思うでしょうか。私はこれを 混乱 と呼びました。しかし、問題はそれが、どういう意味で「混乱」なのか、です。 今回の…

「資本主義社会」運動

みなさんは、この資本主義社会というものが、どういった原理によって、動いていると思っているだろうか。 たとえば、私たちが、この資本主義社会で、飢えて死にたくない、とする。生きたい、とする。そうした場合に行うことが、「お金集め」となる。つまり、…

篠田謙一『日本人になった先祖たち』

日本の教育制度において、「日本史」という教科がある。そして、そこには、もちろん、教科書がある。小学校から中学、高校と使うわけだ。 しかし、私には、まず、この教科が「何」なのかが分からない。つまり、ここで何を明確にさせ、「教える」のか、その具…

有田隆也『生物から生命へ』

(いつものように、前段の話は、掲題の本と直接は、関係ありません。後半で検討させてもらいます。) 少し前に、大正生命主義というものについて紹介した。それは、一つには、宮澤賢治に代表されるような、さまざまなパースクティブが「交差」するものであっ…

岡本裕一朗『ネオ・プラグマティズムとは何か』

私には、この311以降の原発政策に対する、日本の有識者たちの、周章狼狽ぶりが、意外であった。 つまり、彼らは、もう少し「いろいろなことを考えている」と思っていたわけである。つまり、こういった事態すらも「想定内」、検討の範囲内として、それなり…

オギ・オーガス『性欲の科学』

(サイ・ガダムとの共著。) 往々にして、人間の科学は、思わしい成果を上げない。なぜなら、調査対象である、人間の方が身構えてしまうからである。人間は自らが調査対象と分かった途端に、その被調査者の「意図」に沿った行動を意識し始める。近年の日本の…

原発再稼働と国民の国政不信

ここのところの、原発再稼働についての推移を見ているに、私は、ソ連が崩壊し、共産圏が消滅していった、あの経緯を、重ね合わせずにはいられない。 いわゆる、政府寄り(御用学者気どり)の知識人が、さかんに、原発再稼働の「合理性」を、吹聴し、国民を説…

アニメ「キルミーベイベー」の不思議

アニメ「キルミーベイベー」は、先期、放送されたアニメであり、原作は、今も連載されている、4コマ漫画であるが、このアニメ版を見た感想は、メインキャラの 折部(おりべ)やすな の、「圧倒的な」存在感ではないだろうか。もちろん、この作品は、(たぶ…

絓秀実『反原発の思想史』

原発の歴史は、原爆の歴史と同じく、 戦後の冷戦構造の歴史だと言える。なぜ、今あれだけの数の原発が日本にあるのかは、そういった戦後の冷戦体制下における、日本のプレゼンスがどのようなものだったのかと、不可分ではない。 今、さかんに再稼働が、意味…

オタク空間

(今回は、あまりこのブログのスタイルとかに、こだわらずに、フランクに、書いてみたい。) ここのところ、少し時間があったこともあり、アキバに一日ぶらぶらとしていたのだが、そこで、私が改めて驚いたのは、アキバの、かなりのエリアを使い、 フィギア …

日本版幸福論

よく、日本は経済大国でありながら、自分を幸せと考える人が少ない、ということが言われる。しかし、もしそうだとするなら、なるべく、人々が今を幸せだと思うような、システムに変えていく方がいいんじゃないのかな、とは言いたくなる。 しかし、こういうこ…

エディプスコンプレックスは科学か?

安冨歩という東大の先生がいまして、最近、東大話法で有名になっておられますが、この方の、一般向けの本をつらつらと読んで、そのどれもが、独特で興味深いのですが、その中でも「ハラスメントは連鎖する」という新書は、自分はあまり、こういう本を読んだ…

恐怖の17%値上げ

私は、今年、最も日本において、消費税と同じくらいに、論争となる問題は、東電の電気料金値上げ、だと思っている。 東電は4月から、契約電力50キロワット以上の企業を対象に、平均17%に及ぶ一斉値上げを発表した。 それにしても、17%とは、ちょっ…

一人一人に「とっての」証明とは何か?

(今回は、ちょっと、いつも以上にとりとめなくなってしまったが、その雰囲気はだせたんじゃないか...。) よく、福島第一の事故による放射能による、死者はいないのに対して、その避難によって死んだ人は大勢いる、ということが言われる。つまり、20キロ…