2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

今西憲之『闇に消えた1100億円』

大和都市管財事件は、第二の豊田商事と言われたほど、巨大詐欺事件であったが、いずれにしろ、違いがあるとするなら、被害者側が勝訴したことなのだろう。 抵当証券という、今のサブプライムローンに似たものであるが、元本保障はないが、高利回り。これを、…

躁鬱社会

ピアプレッシャーこそが人々の行動を決定していると言っていいのだろうか。 この問題をどう考えたらいいのだろうか。 一時期、KYという表現がよく用いられた。 大学を卒業する学生は、就職活動をする。いずれにしろ、就職できれば、基本的に、それなりの理…

石弘之『火山噴火・動物虐殺・人口爆発』

人間の歴史を、より総合的に考えよう、という傾向が戦後、アカデミズムにおいて、顕著になっている部分がある。 1940年代に入ると、フランスの現代歴史学の研究グループ、「アナール派」が、歴史と環境の関係にも目を向けた。リュシアン・フェーヴルや中…

ツジトモ『GIANT KILLING』

とうとう今年は、W杯の年だ。もう何ヶ月もない。場所は、日本の反対の南ア。なかなか戦いは厳しそうだ。 ところが、はなっから、もりあがらない。 全然、日本のチームに、期待感がない。大手マスコミは、まるで、なにかのタブーでもあるかのように、「本当…

白井さゆり『欧州迷走』

ヨーロッパ。 ここは、ヘーゲルに言わせれば、世界の「中心」ということになるのだろう。思えば、日本の近代化は、岩倉使節団の、アメリカ、そしてその後の、ヨーロッパ歴訪から始まっている。 もちろん、ここは、日本と同じように歴史のある地域。多くの慣…

KOKIA「エリカ」

正直に言うと、あまり自分がとりあげにくい歌い手という印象がある。かなり、自分とタイプの違う人という印象がある。 ただ、あまりそういったことは気にしない。むしろ、そういった異質さは、違うがゆえにその本質を分明にする。 彼女を考えるうえで、私と…

堤未果『アメリカから<自由>が消える』

維新の志士たちの、写真を見ると、みんな、格好そのものは、ラフな着物を着ならして、そんなに、格式ばったものではないが、なによりも、現代から見ると異様な風景に思えるのは、その「刀」のごつさ、である。 それは、「本当に人を切るためのものであり、そ…

生活圏

前の記事で、アニメ「とある科学の超電磁砲」について書いたが、よく考えてみると、このアニメはいろいろと「バランスがとれている」。けっこうよく考えられてるなーと思った。 第7話で、御坂美琴(みさかみこと)は、デパート爆破の「救済者」として、子供…

平野秀樹『奪われる日本の森』

(安野喜憲、という人との共著。最初、共感的に読もうとしていたのだが、だんだんと、この執筆姿勢についていけなくなっていった。) 田舎に行って、外を眺めれば、年々、商店街は廃れ、街は、どんどん、ゴーストタウンのようになっていっているが、あいかわ…

佐天涙子の涙

私は、暴力というものを抽象的に考えるとき、それが「問題」だ、ということを前提で書いていたような気がする。しかし、そういったフレームを適用すると、今度は「なぜその人が暴力をふるうことを選択することになるのか」の「原因」の分析が曖昧になる。 南…

白戸圭一『ルポ資源大陸アフリカ』

私は前の記事で、街に出れば、みんなが殴り合っていることはない、という意味で、暴力が一見、少ないということを強調した。しかし、東京にしても、窃盗団によるピッキング詐欺が、以前さかんに話題になった。 だから、正確に言うなら、東京は、安全という言…

三浦勇雄『聖剣の刀鍛冶』

日本のサブカルチャーの特徴として、やはり、なんと言っても、欠くことのできないものとして、「暴力」があるのではないだろうか。 たとえば、普通の夕方の時間帯に放送されているアニメでも、小さな子供たちが、「戦っている」。この光景は、よく考えてみる…

浜田省吾「HIGH SCHOOL ROCK & ROLL」

70年代の浜田省吾のソロでの最初のアルバムであるが、あらためて聞いてみると、いろいろなことを考えさせられる。 私は、どこかに、日本というのは、本当に、戦後、「裕福」になったことがあるのだろうか、といった、素朴な疑問を感じなくもない。たとえば…

「コードギアス」

みなさんは、このアニメを、どう思ったでしょうか。第一期、第二期。 一言だけ、はっきり言えるとしたら、この最後(第二期最終第24話)の、ばかばかしさ、でしょう。 なに、みんな、救われてんのよ。ルルーシュの死で、勝手に、世界中の人が、恨みの連鎖…