2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

川上未映子『ヘブン』

私は、彼女の、いい読者ではないが、今回は、読んでみた(また、いつものように、けっこう、ネタバレ、でしたね。気をつけてください)。 中学生の、斜視の「僕」は、子供の頃は、好意的に、自分に接してくれた時期もあった、二ノ宮を中心としたグループ、つ…

石川公彌子『<弱さ>と<抵抗>の近代国学』

最近は、けっこう、チャレンジング、な、読書をしてきたものだ。 つい最近も、本居宣長、にチャレンジングに、アタックしたものだ(なんにもしてないけど)。 以前も書いたが、いずれにしろ、国学は、宣長、篤胤、以降、大国隆正のような、ほとんど儒教と差…

長谷川亮一『「皇国史観」という問題』

日本の戦後が、戦中の「焚書」から始まったことは、戦後のこの国の国民に大きな影響を与える。 この国の国民が、戦後、不戦の誓いを立て、世界平和のために、一心を捧げてきたことは、一方において、立派なことであろうが、他方において、それが、その国の過…

コリン・クラウチ『ポスト・デモクラシー』

掲題の本のタイトルの話に入る前に、著者は、ある問題提起をする。 まず一九九〇年代後半には、先進工業国の大半で、つぎのようなことが明らかになりつつあった。どんな政党が政権に就こうと、国の政策は富める者の利益になるよう一定の圧力が継続的にかけら…

涙のふるさと

涙が子供のものだとするなら、大人の涙は、その「ふるさと」から、来る。 探さなきゃね君の涙のふるさと 頬を伝って落ちた雫がどこから来たのかを (BUMP OF CHECKEN「涙のふるさと」) 君は、そこに行かなきゃ。 だって、「彼」が、そこから、会いに来てく…

田中康二『本居宣長の大東亜戦争』

今さら、言うまでもないことであるが、国学と、水戸学、は、まったく「違った」ものである。 本居宣長、は、漢意、を批判したのであり、それを受けて、後期水戸学は、宣長の、皇室を無上のものとする議論に、一目を置きながら、儒教徳目、への、無理解を批判…

ゴーストタウン / ワンダーランド

自民党は、まさに、椎名林檎が言ったように、「一度栄えし者でも必ずや衰えゆく」、そんな存在に、なり果ててしまった(そういえば、選挙前に、なんか、どーでもいい、表彰をしてましたね)。 あの、河野さんの、ヒステリックな、罵倒には、ずいぶんと評価が…

萩野弘之『自省録』

今もそうだが、日本の明治維新の頃から、西欧の中心は、イギリス、また、フランス、であった。産業革命に成功し、世界の植民地は、この二国によって、ほどんど、二分されていた。しかし、日本の、岩倉使節団、は、憂鬱、であった。圧倒的な国力、その、自由…

ホリデイ

ほんと、こんだけ、長い間、生きてきて、結局、人生って、なに? って思ってしまうもんだ。しかし、ほんとに思うもんだ、なんで俺生きてんだろ? そんな自嘲ぎみの自分には、すこし前に、流行歌、になった、椎名林檎、の、「本能」、ですね。 また、いつか、…

藤原辰史『ナチス・ドイツの有機農業』

私たちは、どうも、環境問題、と聞くと、なにか、人生を豊かにしてくれる、生き物「本来」の姿に、立ち帰らせてくれる、そんな、なんとなく、心を、温かくしてくれる、そういうふうにイメージしがちだ。 それは、高校の、理科の選択科目の、生物が、どこか、…

冷泉彰彦「学園反抗ドラマはクールか?」

村上龍の、JMM、という ML、の、連載記事の一つ。 冷泉さんというと、最近、新書、を出版していましたね。アメリカ在住の方で、さまざまに、向こうでの、「日本」をリポートされている。いつも、この執筆の、濃密さは、関心させられる(そうはいっても、たま…

NHK日曜スペシャル「金髪のヨハネス」

SS親衛隊、の長官、ヒムラー、は、アウシュビッツとは、反対の、秘密組織、をつくった。 レーベンスボルン、である。 ナチス、の優生学思想、は、ユダヤ人、の絶滅に限るものではない。 「アーリア人」の、繁栄、こそ、その目的。 官僚、という、「機械」…

平井和正『幻魔大戦』

西尾さんの「偽物語」も、下巻の、後半まで読んでいる。私は、この、化物語シリーズ、を読んでいて、子供の頃、よく読んでいた、一連の、SF、的なノベルズ、を思い出した。 ああいったものの、「意味」、とは、なんだったのであろう。 今、思い出すと不思…

西尾維新『傷物語』

うーん。 これは、間違いなく、西尾さんの、「最高傑作」、だろう。 私はこれを読んでいて、昔、読んだ、 ある日どこかで (創元推理文庫)作者: リチャードマシスン,Richard Matheson,尾之上浩司出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2002/03/10メディア: 文庫…