2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

日本国憲法...加憲「環境権」

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際「環境の保持」を誠実に希求し、国権の発動たる「原子力発電所の建設」と、「核分裂反応」による「大量のエネルギー生成」、又は、「それによる大量の放射性廃棄物の生成・排出」の行使は、「国民生活のインフラとし…

原発フェードアウト論

日本が原発を卒業できない理由として、多くの人が、この原発の「運営」に関わる仕事に携わっていることによる、その「投資」の膨大さによって、この事業が もしも続くならば 得ることになる「利益」が膨大なため、単純に個人の意見として、止められない、と…

北野幸伯『プーチン 最後の聖戦』

なぜ私たちは英語を学ぶのか。なぜ、海外での決済に米ドルを使うのか。よく考えると、それを説明する根源的な理由はない。強いて言えば、アメリカという国に対する、なんらかの「負い目」のようなものに導かれて、ということになるであろう。 ところが、英語…

暴力の相等性

ISと日本政府との一連の事件において、犠牲者となった後藤さんが「キリスト教徒」であったことは、少し考えさせる要素ではあった。 先日、私はイスラム文化研究家でジャーナリストのフマユン・ムガール氏と殉教死について語り合った。彼はテレビ朝日の「朝…

戦争と国家

戦争に勝つとはどういうことであろうか? まず考えるのは、最終的な「勝利」。つまり、ポツダム宣言が分かりやすいが、相手が「負け」を認めるような例であろう。 しかし、問題はそこに至るまでのコンテクストだと言える。しかし、コンテクストがどういうも…

なぜ人類の歴史において総力戦は終わったのか?

映画「イミテーション・ゲーム」は、驚くべき史実である。数学やコンピュータについて詳しい人なら、だれもが知っている、アラン・チューリングが、あそこまで、第二次世界大戦に深く関わっていたという事実は。 前回、吉田松蔭について書いた。そこにおいて…

一坂太郎『吉田松蔭 ---- 久坂玄端が祭り上げた「英雄」』

私はときどき、現代日本というのは、なんらかの「分裂症」のような状態になっているのではないか、と思うことがある。 それは、たとえば、日本の安倍首相が「テロは絶対に許されない」といったようなことを一方では言っておきながら、他方では、ことあるごと…

田上孝一『マルクス疎外論の諸相』

前回書いたモンスター社員問題は、別に、労働者側だけの問題ではない。同じことは、経営者側においても見られるわけで、つまりは、それが会社が維持されていく条件を問題にしているわけである。現在の会社法が簡単に経営者による社員の解雇をできないように…

石川弘子『あなたの隣のモンスター社員』

いつぞや、その存在すら忘れていた池田信夫が、上杉さんに名誉毀損で訴えられていた件で、池田信夫に対して、ブログの記事の「削除」の要求が認められたことは、私には一つの「ネット時代」の終わりを思わせる事件だったと思っている。私は今回の件が、一つ…

東北の復興

四年目の3・11を迎え、videonews.com では、宮城県の石巻町の仮設住宅の診療所の所長の長純一さんに話を聞いている。その内容は東北の復興と言いながら、今だに多くの仮設住宅が残り、とにかく、阪神淡路大震災のときとの大きな違いとして、これが 田舎 …

照井一成『コンピュータは数学者になれるのか?』

哲学ではよく「自我」という言葉を使う。ところが、哲学者はこの「自我」という言葉の定義をしない。つまり彼らにとって、それがなんであるのかは、話される対象ではない、ということを意味する。つまり、自我「によって」この世界を説明するのが、哲学なの…

3D数学

近年、3Dプリンターのようなものが普及してきたり、アニメのフィギアのようなものが、あれだけの量で販売されていたり、また、アニメの制作においてさえ、3Dグラフィックの技術が不可欠になってきたことで、私たちの感覚において、この3次元ユークリッ…

問題系としての社会学

数学では、よく「矛盾」ということが言われる。矛盾とは、正命題も否定命題も「証明できてしまう」現象である。これができてしまうと、なにが問題かというと、「あらゆる命題が証明できる」ことが「証明できる」ことが分かってしまうので 無意味な論理体系 …

原田泰『ベーシック・インカム』

BI論がおかしいのは、今、「生活保護」という制度があるのに、なぜBIを採用しなければならないのかについて、ほとんど「説得」に失敗しているから、と言わざるをえないだろう。 例えば、BIは、人々に一定の所得を保証する、と言う。しかし、それは「生…

インターネットという「バブル」

今週の videonews.com では、ネット・ニュートラリティ、オープン・インターネットにいての話題がとりあげられている。インターネットは、多くのコンピュータを、どこかのだれかが大量の電気を使って 動かしてくれている から、自分の投げたメッセージは相手…

浅田彰「現代思想の使命」

最近の佐藤優さんのISについての分析を読んでいて、やっぱりキリスト教系の人たちって、こうなっちゃうんだな、と納得したと同時に、なんか残念な印象を受けたのを覚えている。 まずISは敵であるという大前提を確認する必要があります。彼らが「この世に…

綾波レイのモノローグ

前回のブログで、柄谷さんの「文学」のホーリズム的な側面についての主張について書いたのだが、そのときに思い出したのがエヴァンゲリオンについての、素朴に感じていた違和感についてであった。 上記の柄谷さんの文脈において考えたとき、私は別に、テレビ…

柄谷行人「移動と批評」

リチャード・ローティというアメリカの哲学者がいたが、彼の書いている本を読んでいて、あるとき、非常に興味深いな、と思ったことがある。彼は彼自身の考える「リベラル・ユートピア」構想において、その柱になるものを、 同情 に置いた。つまりそれは、残…

バーターの社会学

近代経済学以降の、計量数理経済学は、商品の価格の「均衡」とか言いだして、まるで、ものの価格がその商品の 価値 であるかのように僭称し始めた。これに異論を唱えたのがケインズの美人投票であったわけだが、しかしそんな難しいことを言わなくても、こう…

クリス・カイル『アメリカン・スナイパー』

映画「アメリカン・スナイパー」は、クリント・イーストウッド監督による、なんとも言えないテーストの作品であったが、私はむしろこの、クリス・カイルという人そのものに興味がわいてきた。 たしかに映画は、なんともいえない、「厭戦」的な雰囲気をかもし…

エントロピーの社会学

人によって、それぞれ、この社会について考える上でのアプローチというのはあると思うが、私が特に重要視しているのが エントロピー である。エントロピーについてイメージする上で、一番いい例は、自分の部屋があるだろう。もしあなたが、何日も自分の部屋…