2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

経済学の目標の「効率」と「自由」の矛盾

今週の「週刊エコノミスト」を読んだ感想は、結局、「成長」というのは例えばGDPにしても、それは「物質的」な成長のことなのだから、その「成長」にばかりとらわれていても、それは本当の意味での人々の「幸せ」ではない、ということなのだと思うわけで…

性的表現と暴力

トランプが北朝鮮とは対話路線を目指すが、だめかもしれないと言うとき、他方で国務長官が日本に「THAAD」を配備しろ、しかも、そのためにかかる経費を日本は負担しろ、と言っているわけで、ようするに、アメリカの在庫一掃セールに日本を使おうとしている意…

世界は「案外」平和に過ぎていく

例えば、あなた自身の場合を考えてみてほしい。あなたは、自分が生まれた土地の人たちのために働いてほしいと言われれば、すこし「やる気」がでてくるのではないか。それは、まったく自分に関係したことのない「よその土地」と比べて、ということであるが。 …

「愛」のない復興大臣

復興大臣が、「東北で震災が起きて良かった」と言って大臣を辞任するんだそうだ。なんだろう。悔しくて涙が出そうだ。3・11で多くの人が亡くなって、あんなにみんなが苦労して、ここまでやってきて、今まで一体、なにをやってきたのだろう。 本当に日本は…

ゲンロン0という自己啓発本

ある程度、マーケティング的なことを行っていくと、どんな本が売れるのか売れないのかということは分かっていく。一番効果的なのは、 自己啓発セミナー的なもの ということになるであろう。とにかく、ネガティブなことは言わない。どんな話題でも、とにかく…

反語=二元論=哲学

ヘーゲルというかマルクスというか、いわゆる弁証法を簡単に説明すると、教皇を中心としたカトリックという権威があって、つまり、そこにおける「ルール」というものがあったのだが、テクノロジーの発達によって、聖書がドイツ語に翻訳され、印刷技術で一家…

なぜMAD動画は感動的なのか?

結局、リフレ派が安倍首相が交代しない方がいい、というのは、安倍首相の交代がリフレ政策の転換と考えているからなのだろう。しかし、だったら安倍首相が自分の意を汲んだ後任に任せればいい、ということではないのか、と思わずにいられない。 そもそも、次…

深井智朗『プロテスタンティズム』

リバタリアニズムのルーツを辿っていくと、明らかに、そこにはキリスト教の「プロテスタンティズム」がある。というか、例えば、柄谷行人の『近代日本文学の起源』は、そもそも、ルターの宗教改革とほとんど同じことを言っているようにしか聞こえない。 しか…

「TPP賛成」派の東浩紀先生

そもそも、今回の東先生の本を「礼賛」している人たちって、東先生が主張している「TPP」に賛成なのだろうか? 彼はいち早く、TPPに「賛成」していた。いや、それ以降、一度として、このTPPの具体的内容に関連して、 反対 を発言したことがない。こ…

東浩紀先生のパクリの「技術」

今回の東先生の著作である『ゲンロンゼロ』は、よく考えてみると、いろんなところで柄谷行人の『探究』の「パクリ」になっているな、ということを印象づけられる。いや、正しくは、柄谷が主張していたことをジャック・デリダの主張を盾にして、「否定神学」…

福原明雄『リバタリアニズムを問い直す』

掲題の著者は、リバタリアニズムは アイデンティティ・クライシス におちいっている、と主張する。そのことは例えば、カントの実践理性批判において、個々の自律(つまり、自由)と、定言命法という道徳という義務であり、人々の尊厳の普遍性の三つが セット…

P・F・ストローソン「自由と怒り」

スピノザの頃から、この世界には「自由はない」といった議論が行われている。つまり、この世界は唯物論的に機械論的に「決定」している、というわけである。 そこで、掲題の著者によれば、どうもこの世界は二つの勢力に分かれるようである。悲観論者と楽観論…

東浩紀先生とオウム真理教との共通点

前回も検討をさせてもらったが、今回の東先生の著作には驚くべき内容が書かれている。そこについて、もう一度、私が非常に問題だと思っている点を検討したい。 サンデルはそこで、ロールズの議論は普遍的な正義を追及する普遍的な主体(負荷なき主体)の存在…

東浩紀『ゲンロン0 観光客の哲学』

東先生の今回の作品は、今まで先生が言われていたことと違った何かが示されているわけではないので、反論する方も別に新しいことを言うわけではなくなるので、まあ、このブログで書いてたことを反復しているような以下の内容ではある。 学者は基本的にまじめ…

カント実践理性批判の抗いがたい「魅力」

いまさら言うまでもないが、カントの実践理性批判は、端的に間違っているし、「トンデモ」だと言ってもいいが、このカントの主張があまりにも 魅力的 であるがゆえに、多くの人々が「魅き付けられ」て、なんとかして、このカントの主張を「合理的」に解釈し…

アニメ「リトルウィッチアカデミア」について

今期のアニメの中でも「リトルウィッチアカデミア」がおもしろい。ただ、このアニメには映画版など以前にも作成されたいきさつがあるようで、基本的なアイデアは以前から周知されていた、ということなのであろう。 ヨーロッパの魔女育成学校に通う日本出身の…

スティーブン・ダーウォル『二人称的観点の倫理学』

そもそも、この本はなぜ今さら「二人称」などということを言い始めているのか。 もちろん、この著者の今までの人生がそこには反映されているのであろうが、端的には、クリスティーン・コースガードの『アイデンティティと義務の倫理学』が関係している。 そ…

牧野雅彦「アレントと政治的思考の再建」

例えば、なぜトランプがアメリカの大統領になれたのかを考えると、彼がアメリカの二大政党である、民主党の主張とも共和党の主張とも違ったことを語ったから、と考えるのが正しいように思われる。 つまり、彼は民主党も共和党も「代表」していない 勢力 の意…

大量移民の問題

アメリカでトランプ政権が誕生してここまでを見ると、多くの役職でまだ、関係者を埋めることができずにいるわけで、まあ、レームダック状態だということなのだと思う。 間違いなく、トランプは政権運営を行えていない。就任直後の大統領令の連発も多くの混乱…

ポストモダンのゲーデル不完全性定理という「黒歴史」

(エイプリルフールにふさわしいネタじゃないですかねw) 例えば、数学的帰納法というのがある。R(1)が成立する。R(n)が成立するとき、R(n+1)が成立する。ならば、すべてのR(n)が成立する。これは一見すると、なんの問題もないように思う…