2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

東浩紀『思想地図 vol.1』

まず、ちょっと意外に思ったのは、萱野稔人が、彼の主張する、暴力というものの国家の形成について、それが現在のように前景化するのは、比較的近代だ、という発言です。 しかし近代になるとその暴力への権利はだんだんと一元化されていき、それによって私た…

ドン引き石井

柔道ですが、全日本選手権に勝った石井がオリンピック代表だそうだ。しかし、こんな試合するようなやつが、日本代表ってどうよ?棟田との試合は一切攻めないで、完全な相手の反則負け狙い。決勝なんてポイント取ってから、一切攻めないで、相手の腰の辺りを…

オリコン言論弾圧

いやあ、すごい判決が、でたみたいですね。 フリージャーナリストの烏賀陽さんがオリコンに訴えられていた裁判で、完全敗訴。東京地裁の綿引譲裁判長だそうだが、 今までのこいつの裁判も大丈夫か?まったく、武富士のやり方そのもので、こういう大企業が個…

神野志隆光『古事記 天皇の世界の物語』

この本では、著者による、『古事記』の分析がされる。 ちなみに、序文の真偽については、序文は信じていいんだ、として立ち入っていない(倉野憲司『古事記全註釈 第一巻序文編』を参照だそうだ)。 ただし、天武天皇によって、その頃にはほとんどできていた…

三浦祐之『古事記のひみつ』

この本では、著者によって、古事記偽書説に対する考えが述べられている。 つまり、古事記の序文は偽物であろう。しかし、古事記の本文は、逆に、序文にある年代より古いくらいである、と。 序文が偽物と判断する理由としては、やはり、天武天皇の頃の、日本…

大澤真幸『逆接の民主主義』

あいかわらずの、大澤節で、読みづらいが、ひとまず、二つの提言をしている。 一つは、北朝鮮への対応についてである。今、北朝鮮から、中国に向けて、多くの人が亡命している。結局、韓国国境は、38度線のため、両軍が警備しているが、中国側は比較的、渡…

ETV特集「悲劇の島 チェジュ」

さっきまで見ていた、NHKの特集。戦後、大韓民国が成立する直前に、チェジュ島で起きた、4・3事件の特集。 このとき、実に、チェジュ島民の10人に一人が虐殺されている。この事件によって、数千人が、日本に逃れたと言われている。つい最近まで、韓国の教…

ブルバキ『数学原論 集合論3』

少しでも、数学を、マニアックにやった人にとっては、この本は、かなり印象的なものであった。 数学というのは、私の印象としては、とにかく、名人芸的な世界なんだと、自己定義したがる人たちが、勝手にやっているギルド的な集団というイメージがある。はっ…

川上未映子「戦争花嫁」

最近話題の作家ということで、ちょっと読んでみた。こういう、印象(=芸術)をうんぬんする文章(それは、哲学も同じですが)は好きじゃない。こういう外国語に訳せない、日本語だけでの表現しか考えていないものは、ついていけない。でも、そういったもの…

IME のタブ

私は、Windows でも、日々、それほど、IME を使わなかった関係で(もちろん、仕事でも、Windows は使うが、Meadow で、skk でやっちゃってたので、それほどでもなかったということなのだが)、あんまり知らなかったのだが、いつからか、こういう機能ができた…

朝生「貧困」

いやあ、なかなか、ギスギスした議論でしたね。なかなか興味深かった。 一つ許せない問題発言をしていたのが、堀だ。つまり、日本人の特徴は、たしか、勤勉と、チームワークだったかな、この二つで勝負するしかない、と。例えば、日本人は、お金を軽蔑する武…

関裕二『古事記 逆説の暗号』

この人の、古代史モノの本が、いっぱい売っているが、読むと、うらしまたろうがどうしたとか、かごめかごめがどうとか、かぐやひめがどうとか、完全にトンデモなんですよね。まあ、ジャーナリストの文筆屋なんだから、それくらいでないと、というのもあるん…

青木秀和『「お金」崩壊』

いやあ。大変、おもしろかった。いろんな視点が書かれていて、よくまとまっていると思う。読んでみられるといいと思う。 私たちは、銀行にお金を貯金している。しかし、そのお金は、どうなっているのだろうか。銀行は、預かったお金をそのままにしておいては…

firefox

今まで、家の Windows XP になんのきなしに、IE を使ってたけど、あんまりよく落ちるので、Mozilla を入れてみたら、いやいや 早い。こんなにサクサク動くんだ。どうしてこんなに差がついてしまったんでしょうね。

鎌田慧『コイズミという時代』

鎌田慧といえば、いろいろ左翼的な立場から、労働問題を取材したエッセイを書いている人だが、あまり読んだことはない。けっこう前だが、videonews.com にゲストで来ていた。そのとき話していたのが、この本の話だったような気がする。 そもそも資本主義は、…

森永卓郎『誰がウソをついているのか』

森永卓郎って、テレビでコメントしてる奴のようだ。 日本の政府債務は800兆円を越える。GDPの1.5倍もの債務を抱えている国はほかにないのだから、国を救うためには、増税は避けられないと言うのだ。しかし、日本政府は債務も多いが、金融資産もたくさん持…

葦津珍彦『国家神道とは何だったのか』

この本は、神道の側からの、明治維新から戦後までの、国家神道論となる。 なかなか、おもしろかったが、神道側にとって、仏教の動きに大きく影響された面もあったようだ(対抗意識が強かっただけに、その動向はかなり詳しく書かれている)。 だから、キリス…

スティーヴン・ランズバーグ『フェアプレイの経済学』

これが、竹中平蔵を有名にした本 経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)作者: 佐藤雅彦,竹中平蔵出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2002/09/01メディア: 文庫購入: 38人 クリック: 1,058回この商品を含むブログ (278件) を見る に…

姥捨て法

後期高齢者医療制度が、開始されたようだ。 福田は必ずしも、全員が損するわけじゃない、みたいに言っているみたいだが、舛添含めて、こいつらの傲慢なたわごとをいつまでほっておくのだ。 まず、前の介護保険もそうだが、年金天引きを許すのか?こんなこと…

大西巨人『神聖喜劇』

なんとも言えない、不思議な作品。私は、大学時代に、第三巻まで読んだ記憶がある。今、NHK教育で、特集をやっていますけどね。 彼は、その当時には、すでに多くの戦争文学があったが、それらは、本当の戦争が書かれていない。それは、自分が書くのだ、と…

照井一成「計算と論理」

ここでは、カリー=ハワード同型対応についての説明がある。 証明とプログラミングは、一般には、違うものであると考えられているが、非常に単純な同型性が見られるというのだ。 詳しいことは、自分ももうちょっと機会があれば、勉強してみてから、書きたい…

山下範久『世界システム論で読む日本』

世界システム論とは、ウォーラーステインの提唱する理論で、まあ、それを使って、日本が、なぜ近代化を実現できたのかの分析を行うというのが、大きな主題のようだ。 世界=帝国から、世界=経済にかわる、まあ、昔の世界が帝国で分割されていた時代において…

山崎養世『道路問題を解く』

山崎は、高速道路の問題は、料金を徴収するところだという。つまり、料金を徴収などという面倒なことをするために、そのための関所を作らなければならず、一般道からの接続を簡単に多くの場所に作れない(お金がかかるから)。 山崎も書いているが、少し前ま…

斎藤貴男「インタビューを終えて」

東京の公立の和田中学の、民間の、校長の、藤原和博に、斎藤自身がインタビューした記事を受けて、書かれたエッセイ。 インタビューの方であるが、藤原は、そもそもの夜スペにいたる流れを丁寧に説明して、その歴史への理解を深めてもらった上で批評してもら…

チベット

今回の内容は、おもしろかった。 早い話、チベットの知識をあまりなかったので、どう考えなければいけないか、ですね。いろいろな角度から話されているので、考えさせられる。

槌田敦「温暖化の脅威を語る気象学者のこじつけ論理」

一昨日、今回の「季刊あっと」を手にとって、まず、この記事から読み始めた。槌田敦については、「新石油文明論」を読んでいたし、多少、知っているくらいだったが、おもしろく読んだ。 最近は、日本の総理大臣も、温暖化をサミットの中心の議題にしようとか…

李纓「靖国、記憶と忘却の舞台」

最近話題の、映画「靖国」の監督に、映画監督の崔洋一が、インタビューしたもの。 私が思うことも、同じ流れにあると思う。ただ、それは、靖国に限るものでは全然ない。 つまり、国家主義の問題です。これは、二つの側面をもっています。 一つは、プライバシ…

浅野裕一「『孔子伝』の信託」

白川静というのは、中国古代の、文字の学者というイメージがあると思う。この前も、NHK で、故人をインタビューしたものを編集して流すような番組があって、彼を特集していた。そこでは、一個一個の漢字の解釈を積上げていって、一つの辞典にまでなるんだけ…

清水則夫「浅見絅斉の神道観と道について」

浅見絅斉といえば、精献遺言ですね(近藤啓吾『精献遺言講義』という本がある。私は、全然、最後まで読めてないが)。 彼は、山崎闇斉の弟子だが、山崎闇斉といえば、最初、仏教をやってたんだけど、朱子学にはまって、最後、日本の神道に傾倒した、と。 朱…