2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

石渡嶺司『就活のバカヤロー』

大沢仁という人との共著。 この二人の著者は、大学を卒業する人たちがくり広げる、就活、をジャーナルする。 この就活という茶番劇にでてくる登場人物は、もちろん、学生。そして、企業。それから、第三者として、大学、就職情報会社、だ。 この四者が、微妙…

福永文夫『大平正芳』

自民党政治に、終焉のきざしが見え始めている。 政党支持率、どちらの党首が首相にふさわしいか、どちらにおいても、ダブルスコアで、民主党が圧倒している(麻生さんは、あと、20年総理をやるつもりだそうですがね)。 掲題の本は、戦後自民党政治におい…

借りて見てみた

NHKでやってる「ファン・ジニ」を、ツタヤで借りて、最後まで、見てみた。 思ったよりは、原作に、よりそってつくってくれてたんじゃないかな。 最後の2話は、まるで、別の話のように、ふわふわしていた。 ソ・ギョンドク先生。 でてきましたね。 その最…

アイン・ランド『利己主義という気概』

このアメリカの、大衆哲学者の、世間の評価は、おもしろい。 この哲学的エッセイ集は、1998年にアメリカの出版社ランダムハウス、モダン・ライブラリーが実施した「英語で書かれた20世紀のノンフィクション・ベスト100」投票一般読者部門において第…

浅野いにお『ソラニン』

サッカーとは、集団のスポーツである。それは、どういうことか。いずれにしろ、ある集団が、目的を達成するために、一つの行動をとることが、このスポーツだからだ。 しかし、集団行動とはなんなのか。その定義は、言ってみれば、「ない」。あるのは、実践、…

戸塚啓『マリーシア』

最近は、サッカーとは、なにか、戦術やフォーメーション(3ー4ー2 だかなんだか、そういうやつですね)について語ることが多い。だが、それは、本当なのか、と著者は問う。 日本のサッカーは、たしかに、サッカー人口も増え、子供にも定着してきて、文化とし…

椎名林檎「メロウ」

やはり、この曲にふれないわけにはいかないんじゃないかな。 歌詞に、ナイフという言葉があるだけに、いろめきたった。トリガーとなる危うさを感じさせたからだろう。 フロイトは晩年、人間に対する自らの理論を、全否定して、新たな理論を提唱した(ほんと…

Perfume「Perfume」

去年の紅白では、一番、異様に見えた。これだけ、おもしろい音楽をやってるのに、メディアへの流出を、おしげもなく、行っている。 S極とN極の様にね 今 引き合うの Pa・Pa・Pa・Pa・Pa・Pa・Perfume まるで、初音ミク、のようだ。 新しい世代が、どんどんや…

東京事変「閃光少女」

だいぶ、あきてきたな。いいかげん、JPOPが、どーのこーのは、ここまでにしておきましょうか。 この曲が、彼女ので、一番好きだ。 切り取ってよ、一瞬の光を 焼き付いてよ、一瞬の光で こういう素直なのがいいんじゃないか。面倒な、難しい議論は嫌いだ。閃…

スピッツ「愛のことば」

このアルバムが、けっこう、日本の音楽をディープに聞いていた頃じゃないかな。ずいぶん、ひさしぶりに聞いてみたら、けっこう覚えていて、不思議な感覚だった。 これ以降、このバンドも、いろいろ活動しているようだけど、あまりよく知らない。 今 煙の中で…

椎名林檎「アイデンティティ」

この曲については、二つ、言いたいことがある。 一つは、スクリーミング、についてである。最初に、10秒くらいか、(「ヘルプ」という、ささやくような声の間に)コンピュータ処理された、彼女のスクリーミングが流れる。女性の叫び声、金切り声。最近では…

ETV特集「ミャンマーに医療のかけ橋を」

ミャンマーで、医療活動をしている、NGO「ジャパンハート」、彼らの特集。 ミャンマーは貧しい国であり、医療保険もない。彼らも 治療はただだが、薬代などは、有料。ミャンマーの人たちも、固い決意をして、なけなしのお金、を握りしめて、彼らのところ…

NHKスペシャル「女と男」

なんだ、第3回(最終回)は、ちょっと前に紹介した本の、姉妹的な内容でしたね。 こちらは、「人類滅亡の日」、を、主題にしているところが違っている。 人類の歴史において、男だけがもつ、Y染色体は、消滅の一途をたどっている。このスピードだと、少な…

iPod mini

最近、AU の森が、MNP の草刈り場、になっているそうだ。 みんな、ドコモ、や、ソフトバンクに、変更してしまう。 さにあらん、という気にならなくもない。 最近、iPod mini black を買ってみた。正直、例の、ボタンがなく、タッチパネル、でなんでもやらせ…

東京事変「群青日和」

最近は、ちょっと、事情があって、よく、ヘッドフォンで音楽を聞いている。 なんだろう。女はつまらない、なんて書いたから、だろうか。一時期、天才と呼ばれたような、女性が、なんとなく気になるのだろうか(上野千鶴子、はともかく、桜庭一樹、を天才と言…

福岡伸一『生物と無生物のあいだ』

去年のベストセラー本。この人も、プリオンの頃から、videonews.com の常連みたいになってる。 それにしても、このベストセラー本だが、私は、その主張内容以前に、DNA2重らせん、といえば、ワトソン、クリック、の二人の、このノーベル賞学者、の見事な…

福岡伸一『できそこないの男たち』

さっそく、第二弾、のようなものらしい。 内容は一見、よくある、男と女の違いがどーのこーの本、のようだが、言ってることは、かなり強烈だ。 ドーキンスの利己的遺伝子の、次に来る本と言ってもいいくらいだ。 私は、昔から、思っていたことがある。それは…

7:10

掲題が何かは、NHKスペシャル「男と女」(第一回)を見た人には、わかるだろう。 男が、女と会ったとき、まず、最初に、どこを見るか、ということを調べた学者がいるのだそうだ。 その人の結論は、男が、最初に、女性と出会った時、まず最初にするのは、 そ…

萱野稔人「ナショナリズムが答えなのか」

高橋哲哉さんとの対談。 こういう、ちょっと、ホンモノの人と対談してもらうと、萱野さんの議論が、どういう位置にあるかが分かる。 萱野さんは、以前から、ナショナリズムに対する、世間の低い評価に不満があるという。 今のグローバル経済の中では、資本は…

崔元植「韓日関係の相互進化のために」

チェ・ウォンシクさんという、韓国現代小説を専門とする学者だそうですが、こういうおもしろい分析をする人が、向こうにもいるんですね。 チェさんは、この論文の最初で以下のように注意する。 日本は小国ではない。経済だけでなく領土もそうである。太平洋…

卒業した感

このブログを書き始めた頃と、なにが、一番変わったかな、と考えると、やはり、 天皇「奥が深い」論 かな。 最初の頃までは、実は、あまり、天皇論、そのものに、興味がなかった。なかったし、今でもそうだが、いわゆる、学者とか、思想家、と言われる人の、…

派遣切り

今回の朝生は、ここまで、左翼的な、雰囲気で終始した回も、めずらしいのではないか。 今回の、派遣切り、の特徴は何かと言えば、その、各大手企業の、あまりの、横並びの対応だった、ということだ。 まるで、カルテルを結んでいるかのように、各大手企業が…

モラトリアムな君へ

変なタイトルになってしまったが、モラトリアムの時期にある人に、なにかを読んでほしい、という場合、どういうものを、まず、紹介するだろう、と考えてみた。 まず、モラトリアムという言葉だが、普通は、大人になるまでの猶予期間、のような意味で使われる…

桜庭一樹『少女には向かない職業』

最新刊を読もうと思ったのだが、もう少し、初期の作品を読んでからにしようかな、ということで、掲題の本を、まず読んでみた。 ただ、少し、あきてきたな。 彼女の作品を読んでいると、むしろ、思うのは、「もう一つの物語」についてだ。へんな表現だが。 高…

すが秀実『吉本隆明の時代』

私が、というより、日本の歴史に興味のある人のだれもが、どうしても、ひっかかっているのは、間違いなく、1960年代を中心にもりあがった、全共闘運動、ではないでしょうか。 もちろん、今でも、団塊の世代の青春の1ページのように、郷愁をこめて、想い…

芸の道

今年の紅白は、さらに、エンターテイメント性を求めたようなものだった。一年間、NHKを、ずっと見てないと、なにをやってるのか分からないような、そういった、エンターテイメント性を、各所に、ちりばめられていて、結局、そういうことなんだな、とはち…

シカト

今、世界中の国が、シカトをしている国が、二つあります。イスラエルと北朝鮮です。 イスラエルは、完全に、狂っちゃいましたね。パレスチナ人を、一人残らず、殲滅するまで、続けるんじゃないですか。そして、驚くべきことに、どこの国も、このイスラエルを…

上野千鶴子『おひとりさまの老後』

上野さんについて語るのにふさわしい人は、私などよりほかに、いっぱいいるだろう。 私は、別に、彼女の、いい読者ではないが、いろいろ思うところはある。 上野さんは、言わば、日本のフェミニズムの論客として、常に、第一人者として、あげられてきた。 そ…