2009-01-01から1年間の記事一覧

川村湊『妓生』

著者が、妓生について、関心をもつようになった、きっかけについて、まず、始めに書いている。 玩月洞 = ミドリマチとは、どんな街だったのか。私は1982年から86年までの4年間、釜山市内の私立大学で日本語の教師をしていたのだが、時々、そのあたり…

祇園祭

今週は、ちょうど、山鉾巡業でしたね。日本三大祭と呼ばれる、この、祇園祭、は、起源としては、疫病の災厄の除去のため、平安時代、くらいからと言われて、実際、今の形になったのは、江戸時代の少し前なのだろう。 それにしても、不思議な、祭である。中国…

西尾維新『化物語』

読切り型の連続短編小説、のような感じなのでしょうか。テレビアニメ化ということで少し読んでいる。 まあ、最近話題の、村上春樹の小説や、エヴァ、より、こっちかな、という根拠のない話ですが。 とりあえず、上巻を読んでいる。 高校生男子の、あららぎ、…

長山靖生『テロとユートピア』

橘孝三郎、について、今、あらためて考えることの意味はなんなのだろうか。 井上日召、などの、いわゆる、血盟団、の、5・15事件、こそ、あらゆる意味でも、戦前の日本のターニングポイントであっただろう。 しかし、この事件の前に、世界において、非常…

ストア主義でなにがわるい

ヘーゲル進歩主義者は、ストア派を、ぼろくそ、言う。 ようするに、「利己的」なんだとさ。そうである限り、道徳的に、下の下、だと。 しかも、ヘーゲルばかは、このことが、まるで、あらゆる「前提」のように、話しやがる。 しかし、そうかね。 ストア派こ…

吉田真樹『平田篤胤』

一言で言って、前半は、まあまあ、おもしろかったが、後半は、あまり、おもしろくなかった。 篤胤を、どのように捉えるか、というのは、重要であろう。特に、明治維新を考える場合には。 里子にやられ、貧乏御足軽の家にて苦々しく六歳まで養はれ、既におき…

結婚式

この前、結婚式に参列することがあった。最近では、めずらしいのだろうか、そうでもないのだろうか。神道式であった。 最初に、清めの祝詞のようなものを、神主がとなえる。最初、イザナギのみことから語り始め、この国の成り立ちを話した後、最後に、出席者…

高橋裕史『イエズス会の世界戦略』

日本の、西洋文化に対する、ファースト・インパクト、といえば、もちろん、フランシスコ・ザビエル、などの、イエズス会、であろう。 しかし、このことは、よく考えると、ずいぶんと奇妙なことに思えてくる。 日本は、西洋に、「征服」されたのであろうか? …

中井久夫『分裂症と人類』

初版は、1982年。古典的な名著ですね。 心理学、とは何なのだろう。この質問の意味するところは、深い。フロイトから始まるとされる、心理学、精神分析は、医療機関における、一つの分野として、確立さえしている。 しかし、その研究成果、とはなんなの…

磯前順一「死霊祭祀のポリティクス」

靖国、ということで、1995年、あの、小泉純一郎が、首相として、8月15日に、公式参拝、をしようとして、いろいろ物議をかもしていた頃の、雑誌「現代思想」の特集の中の、一つの論文である。 明治日本の「近代国家」化が、この前は、江藤新平、による…

けいおん

テレビアニメの、けいおん、というのを、とある地方局で、深夜やっていて、ここのところ何回か見ていた。今日が、11話だった。 バンドのメンバーの、ゆい、は、同じメンバーの、みお、が、みお、のクラスの友達と、親しげにしているのに、微妙な反応を示す…

第三者委員会

今回の、小沢さんへの、西松建設による、献金にともなう、秘書の逮捕、という事態になった、事件について、民主党の要請によって、第三者委員会、が結成され、最終的な報告者が出たようだ。 結果もそうなのだが、どちらかと言うと、むしろこの、経過とそこで…

伊牟田比呂多『征韓論政変の謎』

著者は、作家なのだろうか。2004年の本。 歴史とは、相対的なものである。一方の立場があれば、他方の立場がある。それぞれに、優越はない。所変われば、考えも変わるのだ。 江藤新平だって、(相当な、天皇主義者なのでしょう)考えようによっちゃ、長…

毛利敏彦『江藤新平』

前回は、西郷が、征韓論を主張したのか、という、明治六年政変、のいきさつが話の中心であったが、そこに見えてきたのは、あまりにも、突出した結果を次々と生み出していた、傑物、江藤新平、の存在であった。 しかし、彼が、あらかた、その仕事を完成した後…

あ〜そ〜さ〜ん

いやー。いろいろ言われてるみたいですね。 党首討論。 まだ、裁判で結果も出てないのに、政治資金規制法、を「犯した」、だと? あなたが、逮捕を命令した(知りませんけどね)時点で、もう犯罪者だとでも言いたいんですかね。そんなこと、法律のどこに書い…

毛利敏彦『明治六年政変』

1969年初版の名著なんですかね。 日本の歴史をなんとなく、ぱらぱらと、見ていると、つい、こんな素朴な疑問が、もたげてくる。 日本は、いつ、「近代国家」、になったのだろう。 この素朴な疑問の意味するところは、深い。近代国家にとって、必要なもの…

礫川全次『史疑』

「日本」は、「いつ」、始まったのであろう。 人によって、この答えは違うだろう。 しかし、冷静に考えれば、その答えは、「明治維新から」、と考えることが正しい。 しかし、その、明治の政府というものが、一体、どういうものであったのかを考えることは、…

法隆寺

最近は、仕事が忙しく、なかなか、ゆっくりできなかったが、この前、少し時間があったので、仕事の帰りのついでで、奈良の法隆寺に行ってきた。 といっても、秘宝御開帳の時期ではなかったので、救世観音像、は見れなかったので、なにをしに行ったんだろう、…

ある静かな熱狂

BUMP OF CHECKEN、の曲が、自分とって、特別になったのは、そんなに昔ではない。 彼らの作品の中で、自分が、ベストを選ぶなら、どうなるだろう。 そもそも、その、ベスト、とは、なんのことなのか。 そんなことを思いながら、いつものように、iPod で、聞い…

礫川全次『皇国と攘夷』

備仲臣道、という方との、対談。 二人とも、いわば、市井の、在野史家、ということなんですかね。 なかなか、おもしろく読んだ。 この、備仲さん、という人の、民衆史観、による、明治維新論、であるが、こういう視点は、どこか、奇異に思えなくもない。なぜ…

本郷和人『天皇はなぜ生き残ったか』

いやあ、これほど、おもしろいと、読む前は、思いませんでしたね。よく、まとまっているんじゃないでしょうか。 このブログでも、何度も、とりあげたわけだが、天皇、というものを、私たちは、どのように考えたらいいのだろう。 しかし、いずれにしろ、この…

「グラン・トリノ」

今回の映画は、少し複雑な感じがしましたね。 人生、の晩年、最後に、自分が、何、をやるのか。 それは、案外、ちょっとしたことなのかもしれない。 クリント・イーストウッド演じる主人公は、ちょっとしたいきがかりで、隣りに住む、アジアのタイの方の一部…

広瀬隆『資本主義崩壊の首謀者たち』

日本は、バブル以来、ずっと、不況だから(どうも、一部金融関係の、金持ちにとっては、そうでもなかったみたいだが)、いつもの、国策不況なんでしょ、といった感じだが、アメリカは、そうではない。 あんなに、イラク戦争のときは、いきがって、「自分たち…

堀江貴文『徹底抗戦』

みなさんは、この本を読んで、どんな感想をもたれたであろう。 私は、まず、そもそも、ホリエモンに興味がなかった。彼が、マスコミで話していたことも、常識的な、経済マスコミで流れている話だな、くらいにしか思っていなかった。 ただ、社長、というのは…

柄谷行人『柄谷行人 政治を語る』

今回のインタビューは、今までの、まとめのような内容ですね。それほど、深く、ふみこんでいるようではないけど、全体として、柄谷さんについて、把握するには、いいんじゃないか。 いろいろ、書いてありますし、それぞれ、興味深いんですが、やはり、ひとつ…

樋口浩造『江戸の批判的系譜学』

この本は、自分が考えてきた、中の、かなり、中心的なものの、主題に迫っているんじゃないか。 この本では、主に、江戸時代を通して続いた、山崎闇斎学派、の主題を、とりあげる。 しかし、です。 そういうふうに言うとき、多くの知識ある人たちの整理におい…

裁判員制度

今回の、和歌山カレー事件の最高裁判決は、「疑わしきは罰する」、判決であった。 この、小学生の感想文よりもひどい内容の判決。 どうも、この戦後の日本において、私の生きている間に、国家の、収容所化、が始まったようだ。 videonews.com で、弁護士の、…

木下鉄矢『朱子』

最近、出版された本ですが、内容が、濃いですね。 著者は、この本の最初で、大変強力な言葉で、今までの、朱子学の説明のされ方が、あまりに、「哲学的」であったことを、批判します。 それにしても思うのは、丸山眞男氏や司馬遼太郎氏は、例えば第1部第1…

チャットモンチー「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉」

最近、ニューアルバムがでましたね。でも、やっぱり、この曲が一番、いいですね。 私は、最近、「鬼」について、考える。 もちろん、二月に、豆をまく、あの鬼は、なんのことはない。西洋人でしょう。昔ヤクルトに赤鬼ホーナーなんていましたが、あの赤くて…

オシムの言うこと

昨日は、大河ドラマ、が見れなかった。録画しておけばよかったな。土曜日見れればいいんですけど、出張だし、また、録画忘れたし、難しいかな。 その後の、NHKスペシャルを見てる途中で、寝ちゃった。 ただ、最初の、方の、サブプライムで、財産を無くした人…