2009-01-01から1年間の記事一覧

ゴーストタウン / ワンダーランド

自民党は、まさに、椎名林檎が言ったように、「一度栄えし者でも必ずや衰えゆく」、そんな存在に、なり果ててしまった(そういえば、選挙前に、なんか、どーでもいい、表彰をしてましたね)。 あの、河野さんの、ヒステリックな、罵倒には、ずいぶんと評価が…

萩野弘之『自省録』

今もそうだが、日本の明治維新の頃から、西欧の中心は、イギリス、また、フランス、であった。産業革命に成功し、世界の植民地は、この二国によって、ほどんど、二分されていた。しかし、日本の、岩倉使節団、は、憂鬱、であった。圧倒的な国力、その、自由…

ホリデイ

ほんと、こんだけ、長い間、生きてきて、結局、人生って、なに? って思ってしまうもんだ。しかし、ほんとに思うもんだ、なんで俺生きてんだろ? そんな自嘲ぎみの自分には、すこし前に、流行歌、になった、椎名林檎、の、「本能」、ですね。 また、いつか、…

藤原辰史『ナチス・ドイツの有機農業』

私たちは、どうも、環境問題、と聞くと、なにか、人生を豊かにしてくれる、生き物「本来」の姿に、立ち帰らせてくれる、そんな、なんとなく、心を、温かくしてくれる、そういうふうにイメージしがちだ。 それは、高校の、理科の選択科目の、生物が、どこか、…

冷泉彰彦「学園反抗ドラマはクールか?」

村上龍の、JMM、という ML、の、連載記事の一つ。 冷泉さんというと、最近、新書、を出版していましたね。アメリカ在住の方で、さまざまに、向こうでの、「日本」をリポートされている。いつも、この執筆の、濃密さは、関心させられる(そうはいっても、たま…

NHK日曜スペシャル「金髪のヨハネス」

SS親衛隊、の長官、ヒムラー、は、アウシュビッツとは、反対の、秘密組織、をつくった。 レーベンスボルン、である。 ナチス、の優生学思想、は、ユダヤ人、の絶滅に限るものではない。 「アーリア人」の、繁栄、こそ、その目的。 官僚、という、「機械」…

平井和正『幻魔大戦』

西尾さんの「偽物語」も、下巻の、後半まで読んでいる。私は、この、化物語シリーズ、を読んでいて、子供の頃、よく読んでいた、一連の、SF、的なノベルズ、を思い出した。 ああいったものの、「意味」、とは、なんだったのであろう。 今、思い出すと不思…

西尾維新『傷物語』

うーん。 これは、間違いなく、西尾さんの、「最高傑作」、だろう。 私はこれを読んでいて、昔、読んだ、 ある日どこかで (創元推理文庫)作者: リチャードマシスン,Richard Matheson,尾之上浩司出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2002/03/10メディア: 文庫…

神保哲生『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』

自民のビック・ネームは、小選挙で負けておきながら、かたっぱしから、比例で、受かってますね。 ようするに、自民党は、野党になっても、「保守派」という看板は、降ろせないだろう。 麻生さんの、ねらいとは、そこだったのだろう。比例の順番にこそ、麻生…

歌とは何か

BUMP OF CHICKEN については、なんども、とりあげてきた。 彼らにとって、歌とはなんだ、と定義しているだろう。こんなことが、ちょっと気になってきた。 そういう、きっかけとなった曲が、これ、だろう。 ようやく聞こえた やっと気付いた 泪を乾かすチカラ…

中塚明『司馬遼太郎の歴史観』

ここのところの、天地人、には、のけぞってしまった。秀吉、朝鮮に、いつ行ったの? こうやって、歴史は、隠蔽されるんですね。 著者の啓蒙書は、今までも、紹介してきた。今回は、NHK が「坂の上の雲」のドラマ化を公言している関係から、司馬遼太郎を、総…

フロンティア「万里の長城の秘密」

NHK の番組。現在の、万里の長城は、明の時代にできている。 みなさんは、ここまでの建築物が、人類によってつくられたことを、どのように思うだろうか。当時、北方は、モンゴルの襲撃を受け、略奪、侵略に悩まされていた。 考えれば、中国の歴史は、ずっと…

高野さんという、自分が生まれる前に、亡くなっている、女性の、日記を読むという体験は、なんとも言えない、「異様」さがあった。 ネットで検索してみると、いろいろな記述があり、興味深かった。感動した、というのが、あたりさわりのない反応だが、ようす…

吉本佳生『デリバティブ汚染』

最近の、テレビは、芸能人の、ドラッグ汚染の話で、かまびすしい。 芸能界は、一体、どうなってしまっているのか。 もし、仕事先の、かなり、有力な人物が、さまざまに、ドラッグを、すすめて来たとき、はたして、断ることなど、可能なのだろうか。もし断る…

高野悦子『二十歳の原点ノート』

最近は、60年代の、学生運動ブーム、のようである。本屋では、新刊で、のきなみ、当時の「英雄」たちが、当時の、学生運動とは「なんだった」のか、と、定年間近かの、お偉い先生がたが、人生の先輩の、ありがたいお言葉を、生き生き、当時の「英雄列伝」…

月本洋『日本人の脳に主語はいらない』

池田信夫さんの、ブログ、で、後続本『日本語は論理的である』の紹介をしているのをちらっと見かけて(中に何が書いてあるかは、読んでいない)、ちょっと気になって、掲題の本を読んでみた、ということです。 著者は、理解には、二種類ある、という。イメー…

島田裕巳『中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて』

さて、みなさんは、この本を読んでどんなふうに思われたであろう(今回は、ちょっと長くなりすぎた。反省)。 みなさんの中には、「おのれ、中沢憎し」となった人もいるでしょう。しかし、私は、あえて、そういう立場をとっていないことを、最初に、断ってお…

ジュリアン・ハヴィル『世界でもっとも奇妙な数学パズル』

数学の、紹介書、には、いろいろなパターンがある。 いわゆる、教科書、と呼ばれているものは、すでに、その「分野」というものを自明として、その、入門を目指すものである。これは、この入門によって、次の、専門誌の論文を読みこなして、この分野の入口に…

林晋「形式化と無矛盾性のパラドックス」

プログラミングと、数学の証明には、非常に大きな、相関関係がある。それが、カリーハワードの結果、だったか。そのことは、ちょっと意外に思われる。プログラムは、いーかげんで、証明は、なにか「厳密」な、なにか、のように思われているから。 数学の証明…

由井正臣『軍部と民衆統合』

私は、あまり、こういう本を読んでこなかったこともあるのであろうが、大変に、よくできた、レベルの高い、研究書、であると思った。 私は、この本は、非常に「重要」だと思っている(書かれた論文は、70年代くらいが多いようだが)。 それは、なぜかと言…

T.W.ケルナー『フーリエ解析大全』

1996年の翻訳。 現代数学の、一つの頂点は、間違いなく、オイラーの公式、であろう。これほど美しい、エレガントな結果もない。 この、オイラーの公式、の関数版が、フーリエ変換、であると言えるであろう。 フーリエ級数は、工学系の人たちは、よく、計…

浜田省吾「イメージの詩」

今週の、SPA、という雑誌で、福田和也は、忌野清志郎、より、吉田拓郎が、何倍もいい、というようなことを言っている。その意図は、吉田拓郎のつくった演歌などのものを、評価してのことで、あいかわらずの、どーでもいいような話だな、と。 ある程度、下…

矢部武『世界で一番冷たい格差の国日本』

アメリカが、NGOにさまざまに、税制優遇していることは知られている。 宗教系の、ボランティアと合わせても、相当の、人たちが、ボランティアで、社会奉仕を行っている。 アメリカの、サブプライムローンによって、多くの人が、家を奪われ、路頭に迷って…

菊池英博『消費税は0%にできる』

平和、とは何であろう。 もちろん、こういう、形容詞は、うさんくさい。 相対的でしかありえない、こういう表現を、やたらと強調することには、なんらかの意図を疑いたくなる。 日本は、島国で、江戸時代から、おおむね、「平和」であった。しかし、なにも起…

尾関章『量子の新時代』

科学ジャーナリストの、佐藤文隆、尾関章、の共著で、量子情報科学者の井元信之へのインタビューを収録。 私の科学に対するイメージは、トマス・クーンの、『コペルニクス革命』という本に、大きく影響されていると思う。 クーンは、この中で、どのように、…

吉田戦車『伝染るんです。』

一時期、はやった、このマンガを、今、文庫で読んでみている。 このマンガは、文庫では、全五巻のようなのだが。 なんだろう。 第三巻の途中くらいから、なんとも言えないような、恐しい、強烈なインパクトをもってくる。 第三巻の前までは、言ってみれば、…

中島隆博『荘子』

私はこの、荘子、という書物を重要だと思っている。 その理由はなんだろうか。 それは、これこそが、諸子百家の、百家騒乱とした、議論の応酬を最終的に終わせたものと考えている部分があるからだ。 つまり、これが「答え」なのだ。 荘子を、道家、というカ…

凡庸さ、について

椎名林檎のニューアルバムがでてましたね。 でも、それについて、言いたいことはないですね。 どうも、私の彼女の印象は、初期の作品で止まっているようだ。 凡庸であること。むしろその、凡庸さは、もう、新しいことは「ない」という、諦念なのかもしれない…

文明開化

日本をなにか、オリエンタリズム、ではないが未開の国、として扱いたがる、欧米の人の意識を感じるわけです。 しかし、それはおかしい。 日本では、はるか昔から、欧米人、のことを知っていた。もちろん、フランシスコ・ザビエルなどの、キリシタン、である…

瀧井一博『文明史のなかの明治憲法』

この本は、以前紹介した、明治六年政変、の後日譚、のような本である。 明治六年政変、の派閥闘争に勝った、犬飼、や、伊藤ら、のアイデアは、ドイツ流の、憲法制定、であった。 伊藤、などの、岩倉使節団、のメンバーは、各国の民主政治の混乱を見る中で、…