2014-01-01から1年間の記事一覧

人類は自殺によって滅びる

STAP細胞の混乱に責任を感じてなのか、最終的な理由は分からないが、笹井さんが自殺をしたことで、この件に対する動揺が続いているように思われる。 特に評判が悪かったのが、直前で放送された、NHKでの検証報道であった。また、理研や早大の「処分」…

有限な責任

STAP 細胞論文の共同執筆者の一人の笹井さんが、自殺をされたということで、マスコミは騒然としている。最近は体調がかなり悪かったということで、精神系の病院で薬もかなり服用されていたということで、結果としてこのような結末になったことは残念と言うし…

悪感情

佐世保事件について、いろいろ言われているが、ようするに、高級住宅街で、いいとこの子が、こんなことを起こしたのがショックだということなのであろう。しかし、そもそも人間を何者であるなどと定義しようとする態度が、どこか不遜なのではないのか。 私は…

榎木英介『嘘と絶望の生命科学』

つくづく、大学というところは、ヤクザな組織だと言うしかないだろう。しかし、それは分かっている人は分かっているし、そうでない人には、なんとも、想像もつかない、ということなのであろう。 例えば、大学院を卒業したとする。その卒業した人は、次の日か…

科学の現場とIT開発現場の相似性

小保方さんの博士論文についての、早稲田大学の調査委員会による調査の報告書 http://www.waseda.jp/jp/news14/140717_committee.html は、なかなか、興味深いものを感じた。 まず、彼女の場合、そもそも、担当の教授が、彼女の博士論文の研究テーマの 専門 …

石ころサッカー的感覚

サッカー次期日本代表監督のアギーレが、サッカーは子供の頃のストリートで学ぶと言っていたが、私は、その意味について、ちょっと考えさせられた。 ストリートの思想 とはなんだろうか。ストリートとは「路地」のことである。では、路地はどこにあるのか。 …

姑息な正直さという小役人根性

日曜のNHKスペシャルは、大変に啓蒙的な印象を受けた。 私たち素人にとって、STAP細胞やiPS細胞がどういうものであるのかといったことについては、専門家の話を聞くことで、それなりの印象を受け、なんらかの感想をもつことができる。しかし、今回…

上原れな「Until」

アニメ「White Album2」を見ていて、その内容などどうでもよく、気になったのは、裏で流れている、上原れなや津田朱里の歌であった。特に、上原れなという歌手について、なんともこの特徴的な歌声について。 ベストアルバムに、上記の歌がある。この歌は、ア…

宮台真司『終わりなき日常を生きろ』

この90年代に書かれた薄い本を、あらためて読んでみた印象は、むしろ、前半にこそ、意外な印象を受けた。 つまり、けっこう「まとも」なのだ。 もし事件がオウム真理教によるものだとすれば、きっと二〇年あまり前に起こっ連合赤軍事件との類似が話題にな…

嘉戸一将『西田幾多郎と国家への問い』

九州電力の社長と会食して安倍首相は「川内原発はなんとかします」と言ったそうだが、 http://www.asahi.com/articles/ASG7L74G3G7LUTFK01P.html これじゃあ、完全に、時代劇の悪代官と越後屋だよな。二人して、「おぬしもわるよのお」とか言い合ってるんで…

小林敏明『廣松渉 ---- 近代の超克』

つい最近、最高裁において、永住外国人に「生活保護」の権利(の憲法的裏付け)がない、という判決が下され話題になっていたが、私がその記事を見て思ったのは、東浩紀さんが以前、さかんに言っていて、このブログでも何回か言及した、ゲンロン憲法なるもの…

小林敏明『憂鬱な国/憂鬱な暴力』

明治において、日本の新しい政治形態が模索されていく中で、いわば、その政治形態「自体」に対する 護教 的な、あらゆる「手立て」が模索されていく。つまり、あらゆる「政治的存在」には、それに見合う「正当性」が手当てされなければならない。そうでなけ…

西尾維新『悲業伝』

ここで、今までの、この<伝説>シリーズを、おさらいする意味で、その「まとめ」を行ってみたい。 この西尾維新の<伝説>シリーズの始まりが、3・11での震災をきっかけとしていたことは、この作品を読んでいる人には自明であろうが、もっと正確に言うな…

弱者への差別・暴力

3・11以前において、新自由主義という言葉と共に、派遣社員を斡旋する派遣会社が、新興の企業として注目されていたわけだが、この流れは、基本的は、今においても続いている、と言える。 こういった雇用の流動化の現象は、ちょうど、日本のデフレという、…

白井聡『永続敗戦論』

私たちは、もう一度、本気で、日本という「国家」が、どういったシステムによって成り立っているのかを、考える必要があるのではないのか。 そういった意味において、今回の videonews.com における、白井さんの話は、非常に明確だったのではないか、と思っ…

司波達也という「ダークヒーロー」

小説『悪の教典』について、遠隔操作ウイルス事件の片山被告が言及したことは、大変に興味深い印象を与えた。つまり、ダークヒーローについて、彼が言及したことが、近年の「ネトウヨ」的現象の一つの証左として受け取られた、というふうに解釈できるからだ…

小林敏明『風景の無意識』

プラトンのイデア論を始めて聞いた人の多くは、びっくりするであろう。私たちは、ある意味において、産まれたときには、すでに、 なにもかもを知っていた と言うのであるから。しかし、なぜこういったアジェンダ・セッティングがされたのかと考えれば、つま…

澤井正子「核燃料サイクルの本当の話をしよう」

私が原発が嫌いなのは、たんに、原発が危険だからだけではない。原発に関わる高学歴エリートの連中が、平気で 嘘(うそ) をつくからだ。彼らは、原発のことだけは「例外」として、いくらでも「嘘(うそ)」を言ってもいい、と思っているらしい orz。 安倍政…

セウォル号沈没事件

3・11以降の原発事故の問題を見てきたとき、一つ思ったのは、いわゆる「えらい人」の言うこと「だから」、みんな従おう、というような態度は、ほとんど絶望的な結果となる、ということを意味していたんじゃないのか、と思うわけである。 えらい人が「原発…

放映権料サッカー

今回の日本代表の結果について、マスコミを含めて、SNSにおける反応は「批判禁止」に近いものなのではないだろうか。 なぜ、こういった反応になったのか。その一番の理由は、巨額に膨れ上がった「放映権料」であろう。つまり、選手は ヒーロー でなければ…

えっと、放射線ホルミシス?

正直言って、福島第一の事故によって、多くの放射性物質が福島第一原子力発電所の、あの地震で破壊された土地から、放出されている状況において、そのことがどれだけの「リスク」なのかを、どのように評価すべきなのかと聞かれても、別に、専門家ではないの…

仲正昌樹『ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義』

ハンナ・アーレントの「人間の条件」という本については、以前もとりあげたのだが、そのとき、あくまで、公的と私的の表面的な部分にだけ、議論を限定して検討した。それは、たとえそうだったとしても、現代において、公的と私的の区別を保持することが政治…

日本代表についての憂鬱

みなさんは、コートジボワールとの初戦を、どのように見られたでしょうか。私は、この一戦を見ることで、もう、残りの2試合を見る必要がなくなったというくらいに、この一戦は、非常に象徴的だった、という印象を受けた。 どういうことか。 私は、正直に言…

古賀徹『理性の暴力』

安倍政権が、とうとう、300万円以下の残業代ゼロを検討中であることから始まって、集団的自衛権の解釈改憲、NHK人事の介入から、原子力規制委員会の人事の明確な利益相反の禁止に対する民主党時代に決めたルールの違反など、この政権が、非常に強権的…

BUMP OF CHICKEN「firefly」

アドラー心理学は、ある点において「残酷」な部分に、私たちが直面することを強いる側面がある。それだけに、本当は、私たちはアドラー心理学と正面から向きあうことが難しいのではないか、と思われる。 それは、結局は、私たちが日々行っていることは すべ…

BUMP OF CHICKEN「ラストワン」

私たちは、ある倒錯を生きている。それは、私たちは誰もが生まれた最初は 弱かった ということなのである。しかし、これは「事実」である。子どもの頃、私たちは間違いなく、一人では生きられなかった。その証明か過去をさかのぼって想起すれば、いくらでも…

岸見一郎『アドラー心理学入門』

ここのところ、「嫌われる勇気」という本を、本屋で見かけないことがない。それくらい、売れている、ということなのだろう。 この、アドラー心理学という、日本では、あまり聞き慣れない言葉であるが、この特徴を、どんなふうに受け取ればいいのだろうか。そ…

斎藤環『承認をめぐる病』

私は「承認」という言葉が嫌いだ。というか、もちろん、普通の「承認」という言葉を使うことに違和感があるのではなく、「何の」「誰に対する」承認なのかを伴わない、ドイツ語的な「動詞の名詞化」を、なにか意味のあることのように、ありがたがる傾向が気…

白井仁人ほか「量子という謎 第2部第4章 軌跡解釈」

私は、ここのところ、いわゆる「普通革命」なるものを考えていて、これというのは、結局のところ、どういうことなんだろうかと考えている。 一つの特徴としては、ある種の「シンプル」さに、その特徴があるのだが、ここでシンプルと言っているのは、その全体…

解釈改憲?

安倍総理の解釈改憲についての、会見は、見た人は、おそらく「異様」な感覚をもたれたのではないか。 彼がフリップを使って説明している内容は、そもそも、現行法制の中で十分対処できる。そもそも、そのための法律なのだから、そんなことを言ったら、今の法…