2011-01-01から1年間の記事一覧

ユビキタス機器の「自作」

スマホが今までの携帯電話に代わって売れている、ということがよく言われる。しかし、どうだろうか。スマホを使い始めている国民にとって、これが携帯電話で「ない」と言われてもピンとこないんじゃないか。 それは、スマホがケータイの機能を基本的には完全…

インターネットはなぜ「不快」か

ネット言論なる言い方があるが、多くの人が思うことは、とにかく、ネットは人の怒りのスイッチを入れるところがある、ということだろうか。 なぜなのか、と考えると、そもそも、「人の怒りのスイッチを入れない」と考える方がどうかしてるんじゃないかな、と…

小島毅『「歴史」を動かす』

日本で最も「遅れている」学問はなんだろう。間違いなく「日本史」だろう。 戦後、日本の教育は「自由」になった。つまり、戦前の歴史教育は皇国史観であったわけだが、戦後はその軛から逃れたはずだ。ところが、どうだろう。歴史教育の内容はそれで変わった…

ジェフリー・サックス『貧困の終焉』

ツイッターは、一般に公開の場で、特に、アカウントと共に「会話」ができる機能をもつことにより、日本人の間で、一気に普及した。この普及率において、世界でも群を抜いているのではないだろうか。 ツイッターの特徴については、近年も多くの人が語っている…

イアン・ブレマー『自由市場の終焉』

(以前も書いた記憶がありますが、基本的にコメント欄につきましては、その記事への補足的な意味を少しであれ感じられた場合は、できるだけ承認する考えです。基本的に、どういった考えの方であれ、その人の意見を尊重しますが、しかしそれは、あくまでその…

(微量)放射能が「体に害なし」と言って譲らない連中の正体

私たちは、むしろ、今、脱原発に反対している人たちが、どういったロジックによって、そう主張しているのか、を丁寧に「ねちねち」と検討する必要があるんじゃないかな。彼らがなぜ、そういった主張をしているのか。私たちはそういった (中野重治的)闘争 …

橋爪大三郎「やっぱりふしぎな、キリスト教」

私たちは「言語」というのは、 翻訳 できると思っている。つまり、言語にはそれが指し示している 意味 というのがあって、それを介して、意志伝達は「成功」すると思っている。こう思うことには、根拠があって、それは、実際に「成功」してきたからだ。江戸…

星宮社の言う超能力

アニメ「電波女と青春男」は、ラノベの第3巻の途中で最終回となった。この第3巻の重要な位置を占める存在として登場するのが、 星宮社(ほしみややしろ) という、自称超能力者兼自称宇宙人の、まあ、謎の家出少女、ということだ。 この、見た目はエリオと…

地方へのアンビバレントな感情

東日本大震災の被害は悲惨の一言で、今、復興がさかんに語られている。 地方の復興は、まったなしで求められているものがある。 しかし、他方において、私には地方へのアンビバレントな感情を拭いきれない。 というのは、近年の、私が 高校生時代 までを過ご…

武田隆『ソーシャルメディア進化論』

よく考えると、企業というのは不思議だ。 大人になると多くの人は、サラリーマンになる。つまり、賃金労働者であるが、その特徴は、その企業に(ある一定の範囲の)時間を支配されることで、一定のお金をもらう、というトレードオフの関係と言えるだろう(も…

顧客の「支配」を欲望する「グローバリズム」

(ダイアモンド社のサイトにある以下の記事は、私が考える日本社会の未来のヴィジョンを、より経済的裏付けをもって、描いてくれたように思う。 私たちは、貨幣を「超えた」交換が今後、非常に増えていくのではないか、と予想している。それは、ネットが基本…

BUMP OF CHICKEN「beautiful glider」

カントの純粋理性批判を、ものすごく切り詰めて、一言で言うなら、 アンチノミーがアンチノミーとしてしかありえないのは、人間が「時間的・空間的」な存在でしかありえないからで、それを矛盾と考えてはいけない といったところだろうか。一見、対立した意…

恐い人

原発の問題とは、結局のところなんだったのかな、と考えると、三つあって、 原発が、チェルノブイリや福島。いや。それ以上のシビア・アクシデント事故が、けっこう簡単に起き「た」ということ(今回の福島も非常に深刻な事態が続いているが、原因を問うまで…

槌田敦「核武装を準備する日本」

私の素朴な疑問は、そもそも、ウランを採掘・精錬している「企業」がいるんでしょ、っていう事実だ。 つまり、この企業は、もちろんお金儲けのために採掘・精錬しているわけで、そうやって作ったウラン原料を、ただ作るだけのために、毎年、それなりの量を作…

反原発派のエクソダス

ニコニコで、あいかわらず、勝間さんは、微量放射性物質は人体に影響がない、という主張を「科学」と主張していますね。それに対して、東さんが学会にもいろいろな主張がある、と中和してましたがorz。 今、浜岡原発はどんどん津波対策で高い壁を作っている…

ファザコン

以下の本なんですけど、 リトル・ピープルの時代作者: 宇野常寛出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/07/28メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 362回この商品を含むブログ (85件) を見る このけっこう分厚い本を読まれた方はこの あとがき をどのように思…

藤野もやむ『忘却のクレイドル』

この作品世界を通底している色調を、理解することは、著しく困難であるが、この作品が最終巻において、描いた作品世界の世界観を考察することは、興味深く思えなくもない。 この世界の日本では、15歳以上の子どもに半年間の、義務教育の一環としての「特殊…

寺嶋秀明『平等論』

「平等」という言葉は、近年において、新自由主義的な文脈において、左翼の残滓として、徹底糾弾されてきた歴史があるだろう。サッチャー・レーガンの新自由主義は、日本では小泉旧自民党政策となり、その過程で、あらためて、戦前のアカ狩りと同列の視点と…

杉井光『神様のメモ帳』

このラノベにおいて、ニートの「定義」は一般と違っている。いわば、非常に広く使われている。 一般にニートとは親の家での同居または親のお金で生活し、学校へ行かず、働きもしない、親に寄生しているような生活をしている人たちを言うだろう。 しかしこの…

休日の戯言

今日は休日ということで、ゆっくりネットサーフィンをしたりしていた。 すこし気楽に、今までの総括的なことを、だらーっと書いてみたい。 今日は、とりあえず岩上さんのサイトにある、ECRRのバズビーの講演と松井英介という呼吸器専門医の方の学習会を…

東京が日本を救う

今日のテレ朝の朝のニュース番組で、なぜアメリカで全電源喪失の対策が行われた2年後に、日本では国が全電源喪失を「考慮」しなくていい、と決定したのかを日米の関係者をあたって、特集されていた。 ようするに、当時、日本製品の品質はばつぐんだから、ア…

日本という「構造」とポストモダン

大前研一が最近の記事で、ある種の「クーデター」を訴えている。 国難を政局と勘違いして闘争心を剥き出しにしているように見える首相が日本産業を破壊し尽くす前に、誰かが彼を冷静になるように説得すべきだ。それができないなら、スクランブル(緊急停止=…

個人主義的な原発「選択」問題

ここでは、個人主義的に、原発問題を考えてみたい。 もし、ある個人が原発を問題と考えるに至ったとき、個人主義的にどういった行動に至るか。 まず、自分の生活が原発によって成り立っていることに抵抗を始めるだろう。つまり、自分は電気を使いたい。しか…

デマ/ゴミ/アジビラ

原発の問題とはなんなのかを問うてきたのだが、そもそもその態度を「ゆがんでいる」と、外から俯瞰的にメタに語るのが、この方だ。 福島という東京から適度に近い/離れた場所の存在が象徴的だが、原子力発電所は私たちの世界の<外側>にではなく<内側>に…

武田邦彦『リサイクル汚染列島』

(最近の週刊誌は急に、仕事してる感がたかまってますね。原発の危険性を調査する記事ばかりになった。売れてるのかは知らないけど。) ウランという物質が、どうして核分裂を起こさずに、今まで、地球上に残り続けたんですかね。太陽はずっと、核融合をやっ…

川北潤『ネットデフレ』

パソコンやインターネットなどの、IT関係の世界には、どう考えても、変な「慣習」のようなものがあるように思えてしょうがない。 つまり、歴史的なのだ。 例えば、一部のノートパソコンで、長く使っていると、表面が熱くなるものがある。普通に考えると、…

ジェイン・ジェイコブズ『アメリカ 大都市の死と再生』

今月の、朝なまは、この前、勝間さんなどが出演して、私がこのブログで批判した時とは、ずいぶん雰囲気が変わってしまっていた。 全体的にずっと、原発懐疑的になっていた。 こういった形に変わった直接の原因がどこにあったのか分からないが、さすがにこの…

渋谷望「ガムバロフ、ミース他『チェルノブイリは女たちを変えた』」

もう一度、放射性物質の内部被爆について、おさらいをしておこう。 放射線は、原子や分子中の電子との間に強い電気的相互作用を行います。電気的相互作用の最も多いものが電離です。電離とは原子を形成している電子を吹き飛ばしてしまうことです。隠された被…

キリスト教と脱石油時代

(今週のETV特集は、非常に感動的だった。ボランティアの方々の献身的な活動こそ、日本の義であろう。) 私は、自然科学でない学問に疑問をもっている。 つまり、自然科学でない科学がある、という言い方が「意味不明」だと考えている。 つまり、一般に、…

橋爪大三郎『ふしぎなキリスト教』

(大澤真幸との対談。) 金曜日の東京新聞の、管総理の退陣劇の分析は、ずいぶんとネットで話題になったようだ。 「初の市民運動出身宰相は、この国の禁忌に触れたのではなかったか」 菅下ろしの急激な広がりを、こう読む東京新聞。 浜岡原発の停止。 送電網…